新潟が福井に8-1で大勝し、3回戦に進出した。前半23分にFW鈴木武蔵のゴールで先制すると、前半だけで4得点。鈴木がハットトリックを達成したのをはじめ、岡本英也、田中達也のFW陣が2得点ずつするなど、攻撃陣が仕上がりの良さをアピールした。福井は立ち上がりから果敢にプレスを掛けるが、それを交わされてスペースを突かれた。後半16分に岩崎大輔のゴールで一矢報いた。
「攻撃面では中断期間、キャンプを通してやってきたことが狙いを持ってできた」。8得点の内容に、柳下正明監督が合格点を出した。
その筆頭が鈴木だった。前半23分、タイミングのいい動き出しから相手DFを置き去りにすると、1対1になったGKを交わしてゴール。32分の2点目は縦パスを受け、寄せてきた守備を突破してゲット。後半5分には田中亜土夢のラストパスを流し込んでハットトリックを達成した。
「いつも通りにできた。ハットトリックは狙っていたわけではないです」と淡々と話す。結果よりも、意識していた攻撃ができたことを喜んだ。イメージしていたのは「開始から敵陣でプレーすること」。相手の最終ラインが高いことを利用し、徹底して裏を突いた。「0-0が続くと、相手に余裕が生まれてしまう。1点目が大事だった」。カテゴリーが下の相手を崩す鉄則の先制点を確実に奪った。その後も裏を狙う動きを続け、勝利を決定づける追加点を重ねた。
鈴木同様に、スタメンの岡本と、後半途中出場の田中達の両FWが複数得点を挙げた。岡本は前半28分のチーム2点目を鈴木のパスから決めた。38分には田中亜土夢のラストパスを流し込んだ。田中達は、パスを受けるとドリブルで持ち込み、バイタルエリアで勝負して2得点。いずれも的確な連係からの得点だった。
中盤、最終ラインからのパスに前線がタイミング良く動き出した。そこから近い距離、少ないタッチでゴールに迫り、フイニッシュ。中断期間、富山・魚津でのキャンプなどで重点的に取り組んできた攻撃のポイント。それを選手たちがきっちりと形にした。「非常にいいゲームだった」という柳下正明監督の言葉が、収穫の多さを物語っていた。
福井は立ち上がりから高いラインを保ち、前線からプレスをかけた。だが、新潟のボール回しの前に交わされては裏を突かれた。カテゴリー上位を相手に、守備を固めてカウンターを狙うことで勝利を狙う選択もあった。だが、佐野達監督は「それは我々の戦い方ではない」と、北信越リーグと同じ戦術で立ち向かった。
後半16分の岩崎のゴールは、中盤からボールをつないでフイニッシュに持ち込んだもの。相手の守備が緩んだ隙を突いた。結果的に力の差を見せつけられた。ただ、自分たちの戦い方に徹したことで、感じたものは多かった。それは今後の糧になる。
新潟は19日に再開するリーグ戦に向けて、積み重ねてきたことの好感触を得た。それを再開初戦のアウェイ浦和戦(7/19@埼玉)での内容、結果につなげなければならない。
以上
2014.07.14 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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