今日の試合速報

J’s GOALニュース

一覧へ

【第94回天皇杯 2回戦 仙台 vs 奈良】プレビュー:2度目の下克上をねらう奈良を、仙台は前に出る姿勢で圧倒できるか(14.07.12)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
7月5日のこと。仙台がプレシーズンマッチ・新潟戦(16時キックオフ)の準備をしていた頃、遠く奈良の地で行われていた天皇杯1回戦で福島ユナイテッドと奈良クラブが激突した。勝ったのは奈良県代表・奈良クラブだった。関西リーグ1部に所属する奈良がJ3の福島を3-1で破ったということで、下のカテゴリーが上のカテゴリーに勝つ“ジャイアントキリング”を起こした。

しかし奈良はここで満足することなく、今度は2回戦でJ1の仙台を倒そうと燃えている。元仙台のシュナイダー潤之介と岡山一成は、2回戦進出が決まったその日のうちにクラブ公式ツイッターを通じて「仙台でジャイキリするで!(※同ツイッターより引用・原文ママ)」とファイティングポーズつきで宣戦布告をしている。

さて、この奈良は献身的なランニングを生かし、堅固な全員守備をもって福島を破った。守備配置についた選手間に相手の選手もしくはボールが入れば、そのゾーンにいる選手は前線から最終ラインまでプレッシングを怠らない。そしてセットプレーのチャンスを確実に生かす。福島戦で1得点1アシストを記録した馬場悠のFKにも注目だ。

試合会場のユアテックスタジアム仙台をホームとする仙台にとっては、2回戦後に“奈良劇場”を開演させるわけにはいかない。元仙台の選手について「彼らが長いことサッカー選手を続けてくれて、こうして会えるのはうれしい」という渡邉晋監督だが、「ホームでの公式戦である以上、手を緩めることなく叩き潰したい」と全力での勝利を誓う。仙台の天皇杯における最高成績はベスト4。初優勝に向けた第一歩を確実な勝利によって踏み出すとともに、その1週間後に再開するJ1での戦いに向けても弾みをつけたい。

仙台は前述のプレシーズンマッチ・新潟戦の収穫と反省を生かしたいところだ。リーグ戦中断期間までに不足していた攻撃力を向上すべくこの1カ月は訓練を積んでおり、新潟戦の前半ではその成果を出せた。だが後半に「攻撃のトライを意識しすぎたあまり、リスク管理が疎かになってしまった」(渡邉監督)結果、2失点で逆転負けを喫したという反省もある。攻守のバランス、慎重さと大胆さのバランスは難しいものだが、1つのミスを他のカテゴリーのチームに突かれることで下克上が生まれるケースは少なくない。最良のバランスが求められる。

カテゴリーの違いやホームであることを考えれば、やはり仙台は攻撃寄りのバランスで試合を進める時間帯が多くなるだろう。「受け身になってはいけない」(菅井直樹)という姿勢が、特に立ち上がりの時間帯には必要だ。前回大会の2回戦でゴールマウスを守った関憲太郎は「自分たちがチャレンジしていることを示すうえでも、試合に入るときの勢いを忘れてはいけない」と心する。「あのとき(昨季2回戦・秋田戦)は立ち上がりの先制点でチームが勢いに乗れました。受け身にならないように、僕のポジションからもリスク管理を意識したうえで、引きすぎないようにコーチングなどをしっかりしたい」という関。彼はかつて仙台や横浜FCでそのコーチングを学んだというシュナイダーと対戦することになる。

「リーグ戦にもつながる“勝ち癖”をつけるためにも、この試合でしっかり勝ちたい」(角田誠)「内容で圧倒できる試合にしたい。最初からたたみかけることが必要」(鈴木規郎)と、カテゴリーに関係なく全力で挑む姿勢を、仙台の選手たちは共有している。連動して前進し、相手の裏を取る攻撃を中断期間に磨いてきたなら、なおさらだ。
奈良のプレッシングに、仙台の前へ出る攻撃。どちらが勝るか。注目の一戦だ。

以上

2014.07.11 Reported by 板垣晴朗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/11/25(月) 00:00 ハイライト:琉球vs岐阜【明治安田J3 第38節】