決して圧倒された訳では無い。シュート数は讃岐9に対して山形が7、ボールは回せていたしカウンターで決定機を作られた訳でもない。だが、終わってみれば0−3の完敗、讃岐はこの結果をどう受け止めるだろう。試合が動いたのは開始3分、山形が自陣左サイドから讃岐左サイド深くに送ったロングボールのこぼれ球をDF小澤雄希がGK瀬口拓弥へバックパス。瀬口がこのボールを小澤に返そうとしたところを山形FW秋葉勝がインターセプト、そのまま持ち込んで角度のないところから左足で決めた。秋葉の今シーズン初ゴールは開始早々の貴重な先制点となった。このシーンを振り返ると、小澤のポジショニングが秋葉に重なっていた。また秋葉のシュートはGKが空けてはいけないニアサイドを抜けていた。直前にもバックパスを受けた同じシーンがあり、瀬口は前線にロングボールを蹴った。それが相手ボールになって直ぐに自分のところに戻って来たことがDFへのパスを選択してしまった理由なのかもしれない。
そして2失点目は19分、山形の右からのコーナーキック、ニアに飛び込んだ比嘉厚平が頭で後ろにそらしたボールをディエゴに頭で押し込まれた。このプレーの直前、左からのコーナーキックに中島裕希がニアに飛び込んで頭で後ろにそらすプレーでゴールを脅かされたばかりなのに…。この場面ではディフェンスに入った持留新作の対応が一瞬遅れたように見える。J2リーグ戦において、どのチームと対戦しても格下の讃岐にとって、先に失点しては勝つチャンスは大きく減ってしまう。前節と同じ開始早々の2失点は讃岐に重くのしかかった。後半、讃岐は前節Jリーグ300試合出場を達成したベテラン高橋泰、我那覇和樹、フレッシュな堀河俊大ら3選手を投入して反撃するが一歩及ばず。終了間際、讃岐の敗戦を確信したかのように急に強くなった雨の中、宮阪政樹のフリーキックが直接決まり、スタジアムはため息に包まれた。
山形はJ1浦和から移籍したばかりのベテランGK山岸範宏が初出場。落ち着いたプレーとコーチングでディフェンスラインをコントロール、チームの完封勝利に貢献し無難なデビューを飾った。この勝利で順位を10位に上げた山形は、次節ホームに磐田を迎え今シーズン初めての連勝を目指す。
讃岐は前節と今節2試合で6失点、そのうち5失点がセットプレーから喫したものだ。流れの中では足が動いているが、セットプレーの時には足が止まって対応が遅れるのだろうか。岡村和哉のコメントにもあるように「自分たちに技術は無い、勢いを持ってチャレンジしなければいけない」わけで、強い相手に勝つには、早い判断と90分間足を止めない集中力・精神力が必要だ。シーズン前半の残り2試合はホーム水戸戦とアウェイ岡山戦。J2生き残りへ、この2試合は入れ替え戦のように結果を強く求め、練習時に腹を割って話し合い、そして厳しく戦って欲しい。降りしきる雨の中、最後まで大声を張り上げたサポーターのためにも。プロサッカー選手としての未来のためにも。
以上
2014.06.22 Reported by 大森一(オフィスひやあつ)
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