冷静な戦術眼と熱い闘志を併せ持ち、選手たちの気持ちを汲むことにも長けた北野誠監督。そんな北野監督が出身である高松のカマタマーレ讃岐の指揮を執ることになったのは２０１０年。「地元をサッカーで盛り上げたい」という一心からだった。
当時はまだ四国リーグに所属していた讃岐を、就任１年目でＪＦＬに昇格させ、就任４年でクラブをＪリーグへと導く。「Ｊ２にするまでが自分の仕事だと思っていた」と言い、Ｊリーグ参入後も監督を続ける気持ちは正直あまりなかったそうだ。しかし周囲がそれを許すはずがない。北野監督の中には大きな地元愛もある。今季も監督を引き受けるにあたり、様々な葛藤もあったようだが（このあたりの詳細は讃岐イヤーブックの監督インタビューをご覧ください）、期待に応え就任５年目を迎えることとなった。

そんな北野監督、一見、強面（？）ながら実は気さくでフレンドリー。取材中には冗談を言って記者たちを笑わせ、取材後には雑談に花が咲くことも珍しくない。この時期、そんな雑談中に出るのは、もちろんワールドカップの話題。北野監督の注目する選手は 「ネイマール（ブラジル代表）かなあ。彼が地元のワールドカップで活躍したら世界に誇る選手になる。あと、香川真司が気になる。やっぱり日本代表に注目したい」そうだ。
国でいうと「ドイツは固く決勝くらいまでいく力は持っていると思う。でも、やっぱりブラジルに勝ってほしい。地元で勝てば盛り上がるじゃないですか。だからブラジル…、でもドイツなのかなあ」と戦術眼と地元愛の狭間に揺れつつ、最後には「やっぱりドイツに一番注目しますね」とキッパリ。
「ドイツのサッカーが最近おもしろい。今の流れはドルトムントみたいなサッカーで、それに似た形がアトレティコ・マドリードであったり…。今回のワールドカップで、また世界のサッカーシーンが変わると思うから、そこを注目したいよね」。試合の勝敗だけでなく、今後のサッカーシーンにまで思いを馳せているのはさすが！
気になる日本代表については「日本が決勝トーナメントに行かないと盛り上がらないでしょう。行けると思うけどなあ」。ちなみに日本のグループリーグ第１戦・コートジボワール戦のキックオフ、日本時間ではアウェイ・湘南戦の翌朝（６月15日10時）。「後泊ではなくて、14日のうちに帰る予定だから見られると思うよ。ブラジルと日本は時差が12時間。平日の試合もあるし、会社に行かれている方は試合を見るだけでも大変だよね」と言ったあとで「僕の場合は、チームの練習時間を変えればいいだけだから（笑）」と最後にいつもの茶目っ気をのぞかせた。

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2014.06.12 Reported by 中條さくら（オフィスひやあつ）