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【J2:第16節 岐阜 vs 京都】レポート:格上・京都を相手に掴んだ勝点3!勝ちきったことで大きな成長を証明した岐阜!(14.06.02)

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京都をホームに迎えた岐阜は、フォーメーションを変更してこの試合に臨んだ。岐阜はこれまで【4-4-2】のボックス型で戦っていたが、この試合では宮沢正史をアンカーに置き、右にヘニキ、左に水野泰輔を置く3ボランチにし、前線もナザリトの1トップの下に左に高地系治、右に難波宏明の2シャドーを配置。【4-3-2-1】の布陣を敷いてきた。

結果として、これがハマった。京都はこの試合、これまでの【4-3-3】から【4-4-2】のボックス型にシステムチェンジ。三平和司のケガの影響もあるだろうが、システムチェンジを試みた両指揮官の意図は、「これまでの流れから変化を起こすこと」であった。
その変化の中で、岐阜のクリスマスツリー型の【4-3-2-1】が、京都の【4-4-2】にがっちりとはまった。京都の中盤において、左の駒井善成はドリブラーで、右の山瀬功治はドリブルも出来るが、パスやリズムメークを得意とする。そのため駒井にはファーストディフェンスとしてヘニキを当て、そのカバーを右サイドバックの益山司がこなす。左は左サイドバックの三都主アレサンドロをストーンとして置き、山瀬をけん制。さらにここに運動量のある水野がケアをして挟み込む。
この試合から復帰した木谷公亮と阿部正紀のセンターバックコンビは、アンカーの宮沢とトライアングルを作り、裏への飛び出しが光るアレッサンドロと大黒将志の京都の2トップに対し、マンマーク気味に付く。ここに宮沢が抜群のポジショニングを駆使して、それぞれにプレスバックを仕掛けることで、京都の2トップのストロングポイントを消しにかかった。

さらにこの布陣は単なる守備重視だけではなかった。ヘニキが高い位置でブロックを作ってくれるため、益山がかなり頻繁に攻撃参加できるようになり、さらに高地と難波がボールのレシーバーとなって、高い位置から数的優位を作りながらショートパスをつなぐ攻撃を展開。
7分には高地の左からのクサビをナザリトがさらに右に展開し、フリーだった益山がシュート。22分には高地の縦パスを受けた難波がシュート。GKオ・スンフンが弾いたボールを、ナザリトがシュートを放つが、これは枠の外。さらに41分には、またも高地の浮き球のスルーパスに難波が抜け出し、GKと1対1になるが、放ったシュートはゴール右ポストに直撃。
ゴールには至らなかったが、岐阜が京都の攻撃を分断し、高い連動性の攻撃を展開し、終始リズムを掴んだ。「前半はプラン通り出来ている」と、ハーフタイムにラモス瑠偉監督が語ったように、前半の岐阜はほぼパーフェクトの出来だった。あとは後半に入って、京都が変化を加えてきたときに、冷静に対処し、前半のペースのままで試合が運べるか。岐阜にとっては試される後半となった。

後半、京都は駒井と山瀬のポジションを入れ替えた。岐阜の守備の狙いを外すためだったが、岐阜は冷静に対処した。水野と三都主が連動をして駒井のドリブルコースを消すと、左に回った山瀬に対しては、前半は攻撃的だった益山がストーン役をこなし、ヘニキと連動して山瀬のパスコースを遮断した。
リズムを相手に渡さなかったことで、岐阜に待望の先制点が生まれる。62分、中央左寄りの高い位置で宮沢がボールを受けると、左サイドを駆け上がった三都主へ縦パス。これを三都主がエンドラインぎりぎりの位置からダイレクトで中に折り返して、ファーサイドでヘッドで競った難波が目の前に転がったこぼれ球に右足を強振。強烈なシュートをゴールに突き刺した。
これで勢いに乗った岐阜は73分、中盤でナザリトがボールを持つと、右サイドをオーバーラップしてきた益山に展開。益山はそのまま持ち込んでセンタリングを上げ、これにナザリトがヘッドで合わせる。これはミートしなかったが、こぼれ球に自ら反応して執念でゴールに押し込んだ。

2−0。理想的な形でリードを広げた岐阜だったが、ここで岐阜にとって脅威となる選手が投入されたことで、流れが変わった。78分、京都はMF中山博貴に代えて、MF横谷繁を投入。岐阜がやられたくなかったのは、ミドルレンジでタメを作られ、かつその位置から1つ飛ばした正確なパスが2トップに届くこと。それを出せる選手が横谷だった。岐阜が守備にウェイトを置き始めたこともあり、より横谷の能力を発揮させてしまった。
これに対し、ラモス監督はナザリトに代え、DF田中秀人を投入。阿部、田中秀、木谷の3バックにして、中盤を厚くすることで横谷にプレッシャーを掛けたかったが、ピッチ上の選手はこの交代を「守りきれ」というメッセージに受け取ってしまい、両ウィングバックが完全にDFラインに吸収され、5バック状態に。
こうなると京都の攻め手がさらに強まり、90分にはボランチの工藤浩平のクロスを交代出場のMF宮吉拓実が落とし、同じく交代出場のFW有田光希が決めて、1点差に迫った。さらに後半アディショナルタイムには、山瀬のクロスをDFバヤリッツァにドンピシャヘッドで合わされるが、これは枠の外。岐阜にとって、最後の10分間はひやひやの展開になってしまった。結果として2−1で勝利は手にしたが「選手たちがパニックになってしまっていた。最後の10分を見ると、ウチは大人じゃない。まだまだ成長しないといけないなと思った」とラモス瑠偉監督が語ったように、試合のクロージングという面では、まだまだ課題が残った。
しかし、90分を通してみると、岐阜は明確な狙いの下、非常にクリエイティブなサッカーが出来ていた。これは間違いなくチームの成長を意味する。第12節の千葉戦は同じような展開で2−2の引き分けに終わったが、今回は勝ちきった。今、岐阜は着実に成長している。それをホームのサポーターに示すことができたのは、浮き出た課題以上に収穫だったのかもしれない。

以上

2014.06.02 Reported by 安藤隆人
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