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【J1:第10節 C大阪 vs 大宮】レポート:遮二無二勝利を目指したC大阪と大宮。ともに思惑は完遂できず、勝点1を分け合う(14.04.30)

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なりふり構わぬ形で、勝利を目指したC大阪と大宮。ともにリーグ戦5試合勝利なしというトンネルからの脱却を図ったのだが、結果は1-1のドロー。勝点1ずつ、まさに、痛み分けとなり、4月のJ1リーグ戦では、互いに未勝利に終わった。14本のシュートを放つなど、攻勢を仕掛けるも、土壇場の杉本健勇の1ゴールがやっとだったC大阪。後半最初のCKを活かして、ズラタンの今季初得点となるヘッドで先行しながら、守り切れなかった大宮。どちらにとっても、試合中に降りしきる雨のように、結果はすっきりしないものになってしまった。

C大阪にとって、雨の大宮戦には、近年、なかなかいい想い出は見当たらない。2010年、J1復帰直後、まさに開幕戦で対戦したときには、0-3と完敗し、J1の厳しさを痛感させられた。2011年、ACLラウンド16のG大阪との大阪ダービー直後の試合では、一瞬の隙を突かれた失点を跳ね返せず、キンチョウスタジアムでの初黒星を喫した。2012年、勝てばJ1残留を決めることができる試合で、大宮の堅守速攻になすすべなく敗れ、苦しい残留争いを強いられた。そして、今回も、天候は、雨。そのなかで、またも大宮の術中に、C大阪は、はまりかけた。

試合前日練習を異例の完全非公開にしていたという大宮は、前節から先発を4人変更。今季初出場となった富山貴光をはじめ、ボランチの片岡洋介と増田誓志、右サイドバックの中村北斗が、新たに名を連ねた。そのなかで、実践した布陣は、5-4-1。「(C大阪が)中央に枚数をかけるチームということもあって、分析のうえで(新たな布陣を)やりました」と言うのは、大宮の大熊清監督。徳島に次いで、リーグで2番目に失点の多かったオレンジのチームは、「今日に限っては、きちっと守備をやり切ることに主眼を置いてやった試合だった」(大熊監督)。

その分厚い守備網に対して、C大阪は前節に引き続いて3バックの布陣で挑んだが、今節では、右ウイングバックに攻撃力のある酒本憲幸を起用。すると、12分には扇原貴宏の縦へのフィードに、オーバーラップしてゴール前へ飛び出してきた酒本がダイレクトシュート。これはクロスバーに当たって枠外に出てしまったが、この好機をはじめ、桜色のチームは大宮ゴール前に迫るシーンを数多く作っていく。ただ、山口蛍、柿谷曜一朗らが、決定的な場面に顔を出したものの、ギリギリのところで、シュートを決め切れない場面が続いた。

そのなかで、均衡を破るべく、後半途中に両者が動いた。60分にチョ ヨンチョルを投入した大宮に対して、64分、2試合連続ベンチスタートとなった南野拓実を、長谷川アーリアジャスールに代えて送り込み、流れを加速させようとしたC大阪。しかしながら、70分、大宮最初のCKから、ズラタンに今季初得点となるヘディングシュートを叩き込まれ、押し込んでいたC大阪としては、絶対にやってはいけない先制点を献上してしまった。1点を与えれば、そこからさらに大宮が守備を固めてくるのはわかっていたことだったからだ。

73分にはDFの藤本康太に代えて杉本、85分には酒本に代えて楠神順平を加え、攻撃の枚数を多くしたC大阪は、さらには、終盤、DF山下達也が前線に残る形になり、大宮のお株を奪うようなパワープレーを実行して反撃に出る。「いつも、負けていたり引き分けの状況なら、繋ぐ選手もいてパワープレーをするのかどうか気持ちがバラバラになるところもあったのですが、山ちゃん(山下)も上がってきていたし、パワープレーでいこうと全員で話していた」というのは、値千金の同点弾を決めた杉本。チーム一丸となって、遮二無二ゴールを追い求めた姿勢が、最後、結果となって表れた。C大阪としては、最悪の事態からは免れた。
ただし、勝ち切れた試合を2戦連続引き分けたことは、C大阪にとっては痛恨だ。これで首位・鹿島との勝点差は8ポイントにまで開いてしまった。「守備に関してはそんなにやられている部分はなかったし、あのセットプレー(CKからの失点)1本だけだったので、もったいない試合だった」(武田博行)、「正直、勝てた試合だったと思うし、納得はいっていない。本当に悔しい」(藤本)と、桜色のイレブンの表情も晴れることはなかった。「勝点1には、満足はできない」と言うのは、ランコ ポポヴィッチ監督。それでも、「最後の最後まで勝負をあきらめず、ゴールを目指して戦い、そして、実際にゴールを奪ったというところ、そこは評価できる。次の試合はまたすぐ来るので、切り替えて、次の試合に向かっていきたい」と、必死に前を見据えた。

一方の大宮・大熊監督は「自分たちのやることは、非常にできていた」と振り返りつつ、「最後の(失点シーンの)集中力のところは、みんなの集中力(が足りなかった)というのは、非常に残念」と、最後の最後で勝点2を失ったことを悔やんだ。しかし、「(自分たちに)たくさんいいこともあったので、足りないところは積み上げて、勝点1を前向きに、自信をつけることが、今後必要なのかなと思う」と、こちらも連敗を4で止めたことをプラスに捉え、5月戦線からの巻き返しを誓っていた。

以上


2014.04.30 Reported by 前田敏勝
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