●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:前半にベンチ前でかなり選手に指示を出していましたが、どのような点についての指示でしたか?
「技術の進歩とともに僕が願っているのは、僕が怒鳴らずに何かを選手の耳の中に直接伝えることができるものがないのか、というのが正直な気持ちです。残念ながらそういうものはないので、一生懸命に伝えられる状況を自分が叫ばなければいけません。
相手の24番の選手が体格とジャンプ力を有していて、ベガルタさんが24番の選手をめがけて蹴るのですけれど、実際は24番の選手はうちのセンターバックに対して体を寄せて、先にジャンプをすることもあった。彼はジャマをするような役割をしていて、二列目から19番、11番、14番が進入するかたちをねらっていました。それをやっている時点でボールにいっていなければファウルになるので、それはレフェリーにしっかりアピールしていましたし、それをちゃんと言いなさいと僕は伝えようとしていました。
レフェリーも、ボールを蹴られたタイミングで瞬時に振り向けるタイミングがあればすぐに確認することができますが、それができなければ少しレフェリーに助言して、これはちゃんと見てくださいよと言いたかったのです。それを伝えるために大声を出したということだけです。
また、縦や横のコンパクトさをベガルタさんが意識しているわけであって、ボールサイドにかなり寄っているので、サイドチェンジをする意識、サイドチェンジをしたときに必ずうちがチャンスを作り出すことができるし、サイドで一回ためを作ることができるので、それを要求していました。
あとは、前後半に自分の前にディフェンスラインがいるかたちになって、逆になれば声は通らないと思いますし、一生懸命に注意力を持続させるためにも、いろんなことを言い続けることによって、そして彼らが聞くことによって、集中力を託す意味もあります。センターバックもひとりは19歳、もうひとりは21歳と、そうすると若いとどうしても『疲れた』と一瞬気がゆるむので、ゆるんでしまったら勝負の世界はやられてしまいます。
だから僕は声をかけます。叫びながら、彼らの集中力を持続させるために言い続けています。中盤にも21歳の選手がいますし、今日の2トップも21歳と22歳の選手です。こういう選手は能力があったとしても持続力というもの、特にメンタルの持続力がどうしても自然に、僕らでさえも人生を生きていく中で持続力がない経験をしているので、いかにして彼らが90分間少しでも長い時間、それを継続できるようにするためには、声をかけ続けなければいけません」
以上
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