●曹貴裁監督(湘南):
「今日は試合の前に選手たちに、僕はこのクラブに10年お世話になっていてトップチームは6年目ですけど、これだけアウェイでたくさんの声量の声援をもらったのは初めてだという話をして『おまえら、そう思わないか』と。彼らは平塚から交通費を往復4,000円かけてゴール裏(スタンド)のチケットは2,100円なのか、もっと安いのか高いのか、そのへんのことはちょっとわかりませんけど、約1,400人か1,500人のサポーターがここに来てくれて、我々の後押しをしてくれていた。その気持ちに絶対応えろという話をしました。
今日は敢えてクラブの新記録(7連勝)がかかっていると、その記録と記憶に残るような試合をしようと言って送り出したんですけど、我々の選手たちは本当にサッカーに真摯に取り組んで自分たちがやれることを100パーセントやるという姿勢に関しては、今日の姿勢に関しては素直に褒めてあげたいし、千葉さんという本当に歴史のあるクラブに対して我々が追いつけ、追い越せをするためには何をしなきゃいけないかと自分なりに考えてきたつもりなんですけども、今日出た選手たち、それからベンチにいた選手、残念ながらここに来なかった選手を含めて、今日、大竹(洋平)とか阿部(伸行)とか怪我にもかかわらず応援に来てくれましたけど、彼らの思いも含めてまだまだやらなければいけないことは多いと思います。ただ、今日の試合の内容に関しては、15分ぐらいだったらザルツブルクといい試合ができるかなっていうふうにちょっと思いました。やってみないと分からないですけど」
Q:前節の岡山戦も内容的には完勝といってもいい内容でしたが、点が取れなくてすごく苦労した。今日は早い時間に、しかも狙いどおりの形で点が取れましたが、何か意識を変えたのでしょうか。
「今週の練習ではやっぱりミスというのは、意図的に起こるミスというのも全部パーフェクトというのはサッカーでは難しいんですけど、ここは敢えてレイジーという言葉を使っているんですけど、要は怠けているミスというか怠けたミスをなくせという話をして、そういうシーンをビデオで出したりして、これはもうやっちゃいけないと。フリーでAとBのパスを浮かしたりとか、コントロールを失敗したりとか、それは今までは自分ではいいとなっていたかもしれないけど、これから上を目指すのであればそんな選手はもう上には行けないし、イージーミスというよりレイジーミスという話をしたんですけど、今日はそういうのは極端に少なかったかなという感じがします。1点目の得点も恐らく(菊池)大介が三竿(雄斗)が上がった時にあれがずれるのがレイジーなんですけど、あれがずれないで2対1をしっかり作って、いいボールを上げれたと。で、ウェリントンも逆から詰めてきたことも含めて、あそこを通すか通さないか。要は成功するかしないかでサッカーってたぶん得点の確率がかなり変わってくると思うんです。その部分に関しては選手が能動的にというか自分たちがこの前、26本シュートを打ったけど2点しか取れなかったという思いに向き合ってやってくれたと思います。それが今日のこの素晴らしい雰囲気のスタジアムで出してくれたかなというふうに思いますが、まだまだそれ(レイジーミス)がまったくゼロではないので、そこのところは来週もしっかり詰めてやっていきたいなと思います」
Q:昨年のJ1の時よりももちろん良くなっていて、マイナスではなくプラスの意味で繰り返している。同じことをやっていて全体的にどんどん伸びていっているのが湘南の姿で、まさに継続は力なりです。一昨年、J1に上がった時に私が同じ質問をして覚えていらっしゃると思いますが、今日は質問を全く変えて、今、改めて湘南スタイルとは何かとお聞きした時に簡単に表現できますか。
「リスクを冒す勇気を持ち続けることですね。リスクというのは本当に失点と隣り合わせで、例えば前線で(相手が)2人残っている時に(湘南が)いつも3人いろと言ったら、間違いなく失点は減ります。でも、(相手が)2人でも(こちらが)2人残って(1人が)行っていい状況があって、今日の1点目は間違いなくそういう形です。リスクを冒す勇気は持てるんですけど、意外に持ち続けることが難しくて、90分通してそれができれば相手はダメージを受けるというふうに僕は思っているので、(記者の方に)継続してと言ってもらったんですけども僕の中ではちょっとずつ変えているんですけども。なかなか伝わらないのがちょっと残念です。よく言われますけど、本質的なものは変えちゃいけないけど、その上に乗っかっているものは、窓はどんな窓なのか、ドアはどこに付けるのか、屋根は何色なのかというのはたぶん選手とか嗜好によって変えていいものだと思うので、そこは今年新しく来た選手、残った選手の一番いい最大値の中でどういう家を建てようかというのは、僕なりには変えたつもりなんですけども。ただ、土台の部分は全く変えていなくて、例えば(ボールを)取られたら追いかけない選手は僕の中では何があってもダメなんですよね。取られたらおっかけろと。ファウルをもらうために倒れるなと。レフェリーに何かそれを言ってそれが一番、何ていうのかな、くだらないというかみっともないことだとずーっと言っているので。その土台は僕は変えちゃいけないと思っていて、それは勝とうが負けようが。変えちゃいけないところなんですけど、上の部分は選手の力量とか特徴によって変えて行かなきゃいけない部分もあるので、その繰り返しをやっている感じですね」
Q:ザルツブルクの監督は私はよく知っていて、彼が何か話をしていて最後によく言うことで、彼は攻守にわたって常に数的に優位な形を作るということを意識するというふうに発言していました。どうですか。
「いや、本当にもう全く賛同します。よく日本のサッカーとか、僕は日本のサッカーを全部分からないですけど、彼らのそういうサッカーに対する姿勢というのは間違いなく有言実行というかそういうサッカーだったし、我々は走るとか数的優位を作ることもできなければ、そういうレベルに追いつかないと思うので。数的優位は走らなければ作れないですよね。ボールが動かないと数的優位ってたぶん作れなくて、ボンボン蹴っているだけじゃ。そのダブルが必要なところを彼らにずっと要求していて、僕は厳しいところにボールを入れること、ホルダーを欲していくこと、逆に取られたら取り返すこと。その基本的なことをずっと続けていくことが今のところは大事かなと思います。ただ、もうそれは分からないです。監督はまだ始めたばかりといったら怒られますけど、それが正しいかどうかというのは僕の中ではそれはすごく大事だなと。だから、ザルツブルクのサッカーは共感を持てます。当たり前ですけど」
Q:2年前にここで対戦した時はスコアが1−1で、とても拮抗した、見ていておもしろい試合でした。今日はこれだけの差をつけたゲームができたのは、どういうことがあってでしょうか。
「いつも言うんですけど、もう選手がどう思っていたかが全てだと思います。2年前は千葉さんに対していい意味でのチャレンジ精神だけでやっていて、それこそ相手に向かって行くことよりもどっちかといったらもう必死で頑張ってプレーするという90分だったと思うんです。でも、今日は選手の感じが、まあ、言ったら何というか、迎え撃つことも仕掛けることもやれるメンタリティになったというか、それは僕が何かしたというのは全くないと思うんです。本当に選手がそういうふうに思えるようになったというのが答えの全てで、ここで何か偉そうに言いたいんですけど、ほとんど偉そうに言えることはないので。僕の分析では彼らが勝手にそういうふうに思えているだけだと思います。答えになっているかどうか分からないけれど。自分でそれを言うのは難しいですね」
Q:同じスタイルを貫かれていますが、昨年はJ1で結果が残らなくてJ2に落ちて、それでもまたもう一回同じスタイルを貫くことに関して何が必要になって来たのでしょうか。
「さっき言ったんですけど、僕、ちょっと変えたんですけど(笑)。そう言われると困るんですけど。(Q:J2でやり直すにあたって考えたことは?)本当に継続と深めるという深化に全部入っているんですけど、変えなきゃいけないものと変えてはいけないものがあるというふうに思っていました。全部変えちゃいけないし、逆に全然変わらないのもいけない。変わらないでそのまやるということも思っていませんでした。だから、僕自身がどう感じるか、僕自身が選手たちに何を提示できるかということがそういう意味では全てだと思っていたし、去年負けたのにそれでいいよと言うつもりもなかったし、逆に降格して『おまえら、全然ダメだ』と言うつもりもなかった。僕なりの感じは彼らに伝えてきたので、それを彼らがどう感じているかというのが全てだと思います。(Q:それに伴った選手の入れ替えはされたんですね)まあ、僕がしたわけではないですけど、そうやってその思いに応えようときてくれた選手たちと、僕が言ったのはここに残ろうと思ってくれた選手が多かったのが我々にとっては最大の補強だと、要は最初のミーティングでそういう言い方をしました」
以上
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