4月に入って2試合連続完封(公式戦)と良い流れが見え始めてきた清水が、リーグ戦での今季ホーム初勝利を目指す戦い。14位・清水と13位・大宮と順位も近く、この試合に勝てば五分の成績に戻せるチーム同士。今後の明暗を分けるという意味でも、両チームにとって非常に重要な戦いとなる。
ヤマザキナビスコカップ予選のG大阪戦から本来センターバックのヤコヴィッチを右サイドバックに起用し始めて2試合連続無失点の清水。第5節のF東京戦(ホーム)で敗れた後、「守備を強固にすることに取り組む必要があった」(アフシン ゴトビ監督)という狙いで試みた変更だが、それまでは右サイドバックの裏を突かれてピンチを招くシーンが目立ったのが、目に見えて改善されたことも大きい。さらに「中盤もハードワークしていて、1人1人が身体を張れているからシュートも良い体勢で打たせていない」(平岡康裕)という部分で、ゴール前の粘り強さが増していることも、失点の減少につながっている。
今は、ボランチが六平光成と竹内涼という攻撃的なコンビになっている分、両サイドバックには右にヤコヴィッチ、左に吉田豊と守備に長けた選手を配置してバランスをとっている面もある。また、ヤコヴィッチが入ることでセットプレーの高さが攻守ともに増しており、それで結果が出ているだけに、この守備は継続していきたいところだろう。今週の練習でも、後ろの6人の攻守における連携という部分を重点的に練習していた。
それを踏まえた今の課題は、自分たちのサッカーができる時間帯を伸ばし、終盤まで試合をコントロールし続けること。最近の試合では、前半は主導権を握って良いサッカーができているが、後半はボールを保持する時間を思うように作れなくなってしまうというパターンが続いている。そこを改善するのが、チームとして次のステップに進むためには欠かせないので、「試合を落ち着かせるパス回しも、そこからもう1点取るカウンターも、両方をバランス良くやっていきたい」(竹内)といった部分が注目される。
もうひとつ、この試合で大きな注目点は、結果的に交換トレードのようになった清水のノヴァコヴィッチと大宮のラドンチッチの“イッチ対決”だ。ここまでのチームへの貢献度ではノヴァコヴィッチが上回っているが、未だ今季無得点のラドンチッチは、ひとつ波に乗れば爆発力を発揮できる選手。大宮自体も点を取り始めたら固め取りができるチームなので、清水としてはラドンチッチを筆頭に、相手を乗せてしまうようなスキを見せないことが重要になる。
そのラドンチッチへの対応に関しては、「DFに身体を預けてくるのがうまいし、強さがあるので、そこの駆け引きをうまくやりたい」(平岡)と、昨年一緒にやっていた分、特徴はよくわかっている。もちろん大宮のDF陣も、ノヴァコヴィッチの特徴がよくわかっているのは同じ。そんな中で、どちらのストライカーが爆発し、どちらのDF陣が抑えきるのか、そこも勝負を分ける大きなポイントになってくる。
それに加えて、公式戦5試合連続得点と絶好調の長沢駿は、大宮の守備陣にとっては未知の選手。長沢がこの試合でも点を決めればクラブタイ記録になり、本人も「もっともっとチームに貢献したい」と強い意欲を見せる。逆に大宮の側から見れば、清水のツインタワーを抑えきるのは非常にやりがいのあるミッションと言える。
大宮は、前節はホームで神戸に完敗(0−3)したが、3月末に韓国の蔚山現代から期限付き移籍で加入した増田誓志が74分から初出場し、良い流れを作ったのは大きなプラス要素。「増田は(ボールの)落ち着きどころになっているし、コンディションも上がってきている」と大熊清監督も期待を寄せている。
また大宮は、家長昭博(3得点)以外の攻撃陣の得点が少ないが、高橋祥平が3点、菊地光将が2点とセンターバック2人で5点取っており、セットプレーやその二次攻撃からの攻めは非常に恐い部分。清水も今はセットプレーでJ有数の高さを誇っているので、この対決も注目に値する。
というわけで、見どころにはまったく事欠かないオレンジ対決。早くリーグ戦で今季初の“勝ちロコ”をやりたくてウズウズしている清水ファンにとっても、絶対に見逃せない試合になるはずだ。
以上
2014.04.11 Reported by 前島芳雄
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