清水のクラブ史上もっとも長い6年間指揮を執った長谷川健太監督(2005〜2010年)が、退任してから初めて清水と戦う試合。その意味でも非常に注目度が高い一戦だが、清水にとっては、予選リーグ突破のためにもっとも重要な試合の1つ。さまざまな感情がピッチ内で交錯する中、清水としてはリーグ戦で勝てていないホームで結果を出すことが、何より重要な戦いとなる。
ヤマザキナビスコカップ予選リーグの6試合で、まずホームで2試合を消化する清水。今季は、G大阪や鹿島、F東京といった優勝経験のあるライバルがひしめく7チーム中、上位2チームだけが決勝トーナメントに進めるという厳しい予選リーグを勝ち抜かなければならない。5月以降はホーム1試合、アウェイ3試合という厳しい日程になるため、このホーム2連戦で連勝することが、予選リーグ突破のためには欠かせない。
今回も連戦になるが、「どの試合でも、勝つために誰を使うのがいちばん良いかを考えている」(アフシン ゴトビ監督)ということで、選手層の拡大や主力のコンディション維持という要素を加味しながらも、結果を重視するメンバーになる可能性が高い。たとえば、プロ入りから2年間、長谷川監督の指導を受けた竹内涼は、「自分としては連戦でもぜひ出場したいし、健太さんに成長しているなと思ってもらえるようなプレーを見せたいです」と意気込みを口にする。その他にも、杉山浩太、平岡康裕、高木純平、本田拓也、大前元紀、長沢駿といった主力選手たちも長谷川監督の影響を大きく受けており、多くの選手が「成長した姿を見せたい」と口にする。選手個々のモチベーションも非常に高いゲームとなっている。
サッカーの内容に関しても、予選リーグ第1節の仙台戦は、ゲームを支配しながら、決めるべきところを決め、守るべきところを守るという非常に手応えのある4−0の完勝だった。土曜日のF東京戦(J1第5節)も、結果は1−3の敗戦だったが、前半は攻撃の流れが非常に良く、目指すサッカーの一端が見えた試合でもあった。F東京戦からしっかりと気持ちを切り替えることさえできれば、仙台戦のようなサッカーを見せることはできるはずだ。
中でも仙台戦から公式戦3試合連続ゴール中の長沢駿や、ボランチの定位置を確保しつつある六平光成など、今もっともノッている選手たちに出番があれば、ぜひ注目したい。
対するG大阪は、リーグ戦では1勝2分2敗(14位)と、清水と同様に結果が出ていないが、ヤマザキナビスコカップの初戦はホームで神戸に2−0と快勝。今の状況は清水とよく似ており、自分たちのサッカーができていないわけではないが、わずかなところで結果を逃している。
また2009年以降リーグ戦ではアイスタで4連勝しており、ボールがよく走るアイスタの美しいピッチは、G大阪のパスサッカーにとっても非常にやりやすい環境だと言えそうだ。したがって、メンバーがどれだけ代わるかはわからないが、先制点を奪うなどしてひとつ流れをつかめば、G大阪らしい落ち着いた試合運びでゲームを支配し続ける可能性もある。
逆に清水としては、そうした展開には持ち込ませたくない。ただ、だからといって今の清水は、守りを固めてG大阪のミスを待つという戦い方はしない。球際で優位に立ち、セカンドボールを拾って、自分たちのボールはしっかりとキープする。それによって、どちらがゲームを支配するかという部分が、まず最初の見どころとなるだろう。また清水は、このところ前半は良い内容だが、それが後半まで続かないというゲームが続いているため、そこも清水サポーターにとっては大事なチェックポイントになる。
また、試合が拮抗した場合は、セットプレー対決も大きな見どころ。大前元紀や遠藤保仁といったメインのキッカーが出場するかどうかは微妙だが、セットプレーの高さでは清水が優位に立てるだろう。しかしG大阪のほうは、元清水の岩下敬輔が出場すれば、持ち前の強い闘志で得意のセットプレーからのゴールを狙ってくるはず。同期のライバルである平岡康裕との対決が実現すれば、それも大きな楽しみの1つだ。
長谷川監督から指揮を受け継いだゴトビ監督の下、メンバーが若返った清水はどんな進化を見せているのか。それを証明するためにも、選手たちが前監督に恩返しするためにも、清水は何としても結果という形で、今の力を示さなければならない。
以上
2014.04.01 Reported by 前島芳雄
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