リーグ戦３試合を終え、今週水曜日からＪリーグヤマザキナビスコカップの予選リーグがスタートする。その初戦をホームで迎えるガンバ大阪は、ベガルタ仙台、鹿島アントラーズ、FC東京、清水エスパルス、ヴィッセル神戸、サガン鳥栖とＡグループに所属。
まずは、決勝トーナメントに進出するための上位２位以内を目指した戦いをスタートさせる。
ガンバ大阪が同大会にグループリーグから参戦するのは、07年以来、実に７年ぶり。その07年は決勝戦で川崎フロンターレを1-0で破り、同大会で初優勝を飾っている。当時とは大会形式も変わったが、当時、グループリーグ２位で決勝トーナメントに進出し、苦しみながらつかみ取った栄冠の再現といきたいところだ。

だが、チーム状況は厳しい。開幕前にエースのFW宇佐美貴史が左足首を痛めて離脱しているのは周知の通りだが、それに加え、ここにきてケガ人が増えている状況。17日に行われた非公開練習では、主軸のMF遠藤保仁をはじめ、DF岩下敬輔やMF大森晃太郎がケガのため、また、前日の16日に行われたＪ３リーグにU-22選抜の一員としてフル出場したDF内田裕斗やMF小川直毅もコンディションを考慮して別メニュー調整に。基本的には試合直前まで選手の状態を見極めた上で、神戸戦のメンバーを決めることになりそうだが、直近のＪ１リーグから中３日、しかも神戸戦から中３日でＪ１リーグの第4節・サンフレッチェ広島戦を戦うというハードスケジュールを考えても無理をさせない可能性も考えられるだろう。

ただ、この状況をプラスに捉えるならば、欠場選手が出ることによって、フレッシュな戦力の台頭が期待できること。直近のＪ１リーグ・仙台戦で思うように攻撃の形を作れず、無得点に終わったチーム状況がある中で、神戸戦で現状を打ち破るような、つまりは停滞している攻撃を加速できるような選手の台頭がみられれば、それはチームとしても今後の戦いを進めていく上で大きな財産になる。その部分については、既存の選手の爆発とあわせて、この試合の大きな注目ポイントになりそうだ。
「ここ３試合で示している安定した守備は継続しながら、チームとしてシュートを打てる形を増やすことを考えたいし、その中で、試合を重ねるごとに、また練習の中でもコンディションの高まりが感じられるFWリンスあたりが点を獲ってくれればチームの雰囲気もまたガラリと変わってくる。そこは期待したいことの１つですね。仙台戦でとった勝点１を…内容はダメな中でもアウェイで勝点１をとれたということをプラスに考えてチーム全体でタフに戦いたい（長谷川健太監督）」
　
対する神戸は直近のＪ１リーグ、ホームでのＦ東京戦で今季初白星。開幕から２試合、手応えの感じられる内容ながらも勝ちきれない試合が続いた中で、チームに弾みをつける白星を手にした。
その『内容』の手応えを語る上で欠かせないのがカウンターサッカーから脱却を図りつつある攻撃の迫力アップだ。FWマルキーニョス、FWペドロ ジュニオール、MFシンプリシオ、MFチョン ウヨンら、パスサッカーを実現できる、高い攻撃力を備えた新外国籍選手が加わったことによって、MF森岡亮太やFW小川慶治朗、FW松村亮といった既存の日本人選手の能力も引き出され、例年にはない攻撃の勢いを示している。そのFWマルキーニョスはＦ東京戦でふくらはぎを痛めて途中交代となったが、安達亮監督によれば「大事にはいたらない状態」とのこと。ただ、メンバーについては「中３日というハードスケジュールでも同じメンバーで戦うのがいいのか、フレッシュな違うメンバーを起用することも考えるのかはぎりぎりまで悩みたい」と話しており、仮に後者の選択になれば、今季の公式戦では初出場となる選手の起用も考えられる。ただし「いずれにせよ、組み合わせは考えつつもチーム力は落ちないようにしなければいけない」と安達監督。リーグ戦で示している勢いを継続させるためにも、選手にはそこに重点を置いた戦いを求めることになりそうだ。

思えば、昨年はともにＪ２リーグでの戦いを強いられた両者。結果的にＧ大阪が首位で、神戸が２位で昇格を決め、Ｇ大阪が神戸を上回る結果となった。だがここまでのチーム状態を見る限り、攻撃力に停滞が感じられるＧ大阪に対して神戸は近年には見られなかった勢いの感じられる攻撃力を示している。それが今対戦にどんな結果として表れるのか。注目の関西ダービーは19時、万博記念競技場でキックオフを迎える。

以上

2014.03.18 Reported by 高村美砂