既にご存じの通り、城後寿は３月９日のホーム開幕戦・京都戦にペア50組・100名を招待する。招待者全員に城後の直筆サイン入りミニフラッグがプレゼントされるほか、同会場では、城後がモデルを務め、J's GOAL ファン、サポーター投票で圧倒的な人気を誇り堂々の１位の座に輝く「2014シーズン開幕ポスター」200枚も販売される（うち、20枚は城後の直筆サイン入り）。なお、今回の観戦者招待について、城後はクラブを通して次のようにコメントしている。

「いつも熱い応援ありがとうございます。今回、皆さんへの感謝の気持ちを何らかの形でお返ししたいと思い、ホーム開幕戦の1週間前と急ではありますが、100名の方をレベスタへ招待したいと思います。自分にとって今年はプロ10年目の節目のシーズン。これまでこういったことをやっていなかったなぁと思い、今回のプレゼント企画を思い立ちました。
とにかく今シーズンは多くの人に試合を見てもらいたいと思っています。もちろん来ていただいたからには、必ず勝つ試合をお見せします。そして選手みんなで必死に戦う姿を見ていただき、サッカーの楽しさはもちろん、頑張ることの大切さなど、皆さんへ何かを届けられたら嬉しく思います。ぜひレベスタで一緒に戦いましょう！」

本人が自分の分岐点だったと話す左膝前十字靱帯損傷の大怪我（2009年）を乗り越えて、大きく羽ばたいた城後。選手生命さえ危ぶまれかねない大けがだったが、「感謝することの大切さを自分に思い出させてくれた」と語り、以降、プレーの幅を広げ、人間としての幅を広げ、キャリアを積み重ねて来た。そして迎えた10年目のシーズン。「何かを残せるシーズンにしたい」と話す。その根底にあるのは、感謝の気持ちをプレーヤーとして伝えたいという想いであることは想像に難くない。

そんな想いが、昨シーズンのクラブの経営危機を救ってくれた多くのサッカーを愛する人たちへの想いと重なっていることは間違いないだろう。様々な選択が用意されていた中、福岡でのプレーを決断したのは、クラブを支えてくれた人たちへの恩返しをしたいという気持ちが大きな理由のひとつだと話す。そして、今シーズンを様々な人たちに感謝を表すシーズンだと位置づける。今回の招待は、その一環だ。

９日、彼は多くの人たちの前で、感謝の気持ちをプレーで表現する。もちろん、それは９日の試合だけではない。この１年間、そしてプロサッカー選手としてあり続ける限り、城後は感謝の気持ちを胸にボールを追い続ける。そんな城後のプレーからは目が離せない。

以上

2014.03.08 Reported by 中倉一志