いつもの仲間と挙げる歓声とため息。いつもの仲間と分かち合う喜びと悔しさ。勝利の時は高揚した思いのままに次の試合までの1週間を過ごし、敗戦の時は、その悔しさを勝利で晴らすべく1週間を過ごす。待ちに待ったサッカーの日常がレベルファイブスタジアムに帰ってくる。
その日を、ファン、サポーターをはじめ、福岡に関わるすべての人たちは、いつもとは少し違った気持ちで迎える。昨シーズン10月に明らかになった経営危機。その危機を救うために全国から届けられた支援の数々。当たり前に迎えるホーム開幕戦が、全国のサッカー仲間に支えられてのものであることを強く胸に意識する。「支えてくれた多くの人たちへの感謝の気持ちをピッチの上で表現したい」と話すのは城後寿。それは、福岡に関わるすべての人たちの気持ちを代弁するものだ。3月9日、福岡に関わるすべての人たちは、感謝の気持ちを胸にスタジアムに集う。
その初戦に迎えるのは京都サンガだ。2年連続で3位になりながら、2年連続でプレーオフで敗れて昇格を逃した京都は、J1昇格を至上命題に2014シーズンに臨む。新たにチームを率いるバドゥ監督は「昇格への道筋を付けるのが私の仕事。100ゴール、勝点100を目指す」と宣言する。目指すサッカーは攻撃的なサッカー。そして、それにふさわしい豪華なメンバーが先発に名前を連ねる。
ゴール前に構えて虎視眈々とゴールを狙う大黒将志。自由に動いてチャンスを作り、チャンスを決めるアレッサンドロ。その2人に右サイドから正確なクロスを供給する石櫃洋祐。中央で相手の自由を奪うジャイロ。そしてゲームを作る工藤浩平等々、その他のメンバーも含めて、J2優勝候補筆頭に上げられるのも当然だ。アウェイで北九州と戦った開幕戦では、まだチームとして出来上がっていない印象を持ったが、それでも結果は3−1の勝利。それはチームの持つポテンシャルの高さを示すものだった。
一方、迎え撃つ福岡は、アウェイで迎えた開幕戦では、アビスパのリズムを崩すべく、徹底してロングボールを放り込む熊本の戦術にはめられ、らしくない戦い方で敗戦。チームとしての成熟度の低さが露呈し、今後に不安を残す立ち上がりだった。しかし、監督、コーチ、選手、それぞれが話し合い、問題点を修正し、この日に備えて来た。プシュニク監督が徹底したのは「個の責任」をそれぞれが果たすこと。そして「「この1週間で、頭の中で整理できつつある。あとは試合を迎えるだけ」と話すのは堤俊輔。中原秀人は「キャンプの練習試合でも、去年はなかった形でチャンスを作れた。まだ1試合しかしていないが、試合を重ねていく中で、もっと、もっとチームは良くなっていく確信がある」と自信をのぞかせる。
福岡の戦いのベースが「アグレッシブ」にあるのは昨シーズンと同じ。マリヤン・プシュニク監督がチームを率いて2年目を迎える今シーズンは、去年1年間で積み上げた物をベースにして、よりアグレッシブにプレーすることを目指す。自由奔放にポジションチェンジを繰り返してゴールへ迫る攻撃はダイナミックそのもの。3年目を迎える石津大介と、2年目を迎える中原秀人が大きく羽ばたく気配を漂わせているのも心強い。熊本戦では自分たち本来の姿を見せることができなかったが、ホーム開幕戦で、大勢のファン、サポーターの前で2014型福岡を表現しようという気持ちは強い。
ともに攻撃的なスタイルを目指す両チームにとってポイントは、相手の特長を消すことではなく、いかに自分たちのサッカーを表現して相手を破るかということ。互いに譲らす、真っ向からぶつかり合う展開が予想される。総合力を比較すれば、京都に軍配が上がることは認めざるを得ないが、勝負はそれだけで決まるものではない。1対1の局面で負けないこと。相手よりも多く走ること。相手よりもアグレッシブにボールにチャレンジすること。福岡が生命線とする部分を余すことなく表現できれば十分に勝機はある。まして、戦いの場所はレベルファイブスタジアム。どこよりも熱い声援を送るファン、サポーターがいる。それらをひとつにして戦うのが福岡のスタイル。「アグレッシブにプレーして、自分たちが勝てるというところをみせたい」と三島勇太は力強く宣言する。
キックオフは3月9日(日)16:00。福岡は勝利の2文字だけを目指して戦う。
以上
2014.03.08 Reported by 中倉一志
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