◎野見山篤代表取締役社長
「みなさん、こんにちは。ただいま紹介にあずかりました野見山でございます。今後ともよろしくお願いします。先ほど行われました株主総会、取締役会を経て、代表取締役社長に就任することが決まりました。一生懸命頑張っていく所存でございますので、よろしくお願いします。アビスパ福岡は、皆さんに支えていただきながら育っていくクラブだと思っています。やはりJの理念を大事にしながら、地域に根差した市民に愛されるクラブを目指してやっていきたいと思っています。そのためにも経営の安定と信頼関係の構築、それをしっかりと足元を固めながらやっていきたいと思っています。その上で市民の皆様に愛される、子供たちの夢の受け皿になりうるようなチーム作りを一生懸命やっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。またメディアの皆様には、ご協力いただいてありがとうございます。私は鹿島時代に広報をやっておりましたので、メディアの方たちとのお付き合いの仕方につきましては良く知っているつもりです。何なりとおっしゃっていただければ、ご協力は惜しみませんし、是非、アビスパをご支援していただければと思っておりますので、私ともども、高木(広報担当)の方もよろしくお願いします」
Q:改めまして、いま社長に就任した気持ちをお聞かせください。
「まず大変光栄に思っています。150万都市の皆様からご指名いただきまして、また株主の皆様、スポンサー企業の皆様、取締役の皆様からもご承認いただいたことを大変感謝いたしております。私自身も福岡に戻ってこれて、サッカーで育った人間がサッカーを通して福岡の町に貢献できることを本当にうれしく思っています」
Q:アビスパ福岡の社長を引き受けてもいいと思われたきっかけは、どんなことだったのでしょうか?
「まずお話をいただいて、私自身がサッカーマンとして、この福岡に育てていただいたという経緯もございますし、何かのお役に立てればという気持ちで一杯でした。また地元から声がかかるというのは、とても嬉しいことだと思いました。素直に是非ここでやってみたいということでございました」
Q:いま社長として求められていることは、どのようなことだと思っていらっしゃいますか?
「やはり、心配していただいているのはクラブの経営状態のことだと思いますし、早くJ1に戻ってほしいという期待、そして子供たちがアビスパの選手になりたいという夢の受け皿になること、そういうところだと思っています」
Q:経営に関しては待ったなしの状況だと思いますが、いまの段階で考えていらっしゃること事がありましたら教えてください。
「まず経営的のところにおきましては、現在、スポンサードいただいている企業の皆様に、きちんとご挨拶にあがることです。あるいは我々を協賛していただけるような企業のリストアップと、それらの企業様に向けた実戦計画を来週から説明してもらえるように担当の者に伝えています。あとは足で運ぶしかありませんから、ひとつひとつ訪問しながら、アビスパの理想なり、目標なり、理念を共有していただけるように説明にあがりたいと思っています」
Q:残念ながらスポンサー獲得に関して困難な状況が続く中で、この状況を打開するために何が鍵になると考えていらっしゃるでしょうか?
「率直なところ、本当にまわっていたのかなと思っていますし、アビスパが大きく変わるとか、変えるとかいうところを積極的に発信していかなければいけないと思っています。アビスパが何を目指して、何をやっているのかということを真摯に訴えていければと思っています。福岡の方々は人情味もたくさんお持ちですし、アビスパが誠心誠意、お話をさせていただく環境づくりも含めて実践しながら数字につなげていければと思っています」
Q:現状を打開できる環境が福岡にはあるとお感じでいらっしゃいますでしょうか?
「鹿島は6万の町ですから、150万人の町とは違いますし、反対に大都市であるからこそ、なんでもある町だからこそ、アビスパというひとつのクラブに肩入れをされないところもあったのかもしれません。ただやはり大事なのは、Jリーグの理念、アビスパの理念です。福岡市の想い、教育界、サッカー仲間の想いを聞きながら細かく仕事をしていくつもりです」
Q:クラブの強化というところでは今どのような事をお考えでしょうか?
「先ほど監督とも話しましたが、やはり現場とフロント、あるいはそれを取り巻くスポンサーの皆様、サポーターの皆様、そういうところがひとつにならなければいけないと思っています。そういう意味で、クラブの理念を再確認して現場をサポートできればと思っていますし、やはり現場を中心に回るのがプロスポーツのすべてですので、我々フロントがメディアの皆様の協力をいただきながら、現場をサポートしていきたいと思っています」
Q:社長の中ではJ1復帰はどのくらいのところだと考えていらっしゃるのでしょうか?
「率直なところ、時間はかかると思います。監督は2年目のシーズンに突入しますが、9人の選手が入ってきますし、それによってメンバーの構成の入れ替えも生じています。そういう意味では、また新しいチーム作りになるので、監督が目指すサッカーの浸透をまた1からやらなくてはいけないような状態になっていると思います。でも監督の情熱なり、選手に対する愛情がチームを変えていくものだと思っていますし、そういうことを理解できる選手を神野チーム統括部長が取ってきてくれたと思いますので、何とかJ1昇格の競争の中に入りながら、緊張感のある試合を続けながら、サポーターの皆様も、スポンサーの皆様も、市民の皆様も、みんなが緊張したり、ワクワクしたり、残念がったり、一緒に喜んだり、悲しんだりする時が過ごせればと思っています。その中で何とか1年でも早くJ1に上がれればいいと思いますし、もちろん今年もJ1を目指していることは事実です」
Q:社長はチーム作りに関与されてきた経験もおありですが、アビスパでも積極的に関与されていくおつもりでしょうか?
「基本的には神野部長が中心になっていきます。その中で私の経験で彼をサポートするところも出てくると思いますが、仕事というのはそれぞれの担当がプロとしての責任を持ってやっていくべきだと思っていますし、神野部長も監督もプロですから、その辺は基本的にお任せします。その中で自分の考えも伝えながら、一緒になってやっていければと思います」
Q:子供たちの夢の受け皿というお話もありましたが、チームの長期的な強化策と言うところでは、どのようにお考えですか?
「基本的にアビスパのチーム強化の指針というかプライオリティから言えば、福岡、九州、日本という位置づけになります。まずは福岡の選手を中心にチーム作りを進めていきます。たとえば、福岡は高校でいえば、東福岡、東海大学付属第五、筑陽学園、福岡大学附属大濠、九州国際大学付属等々、数えればキリがないほどの優秀な選手を育てられた指導者の方々がいらっしゃいます。大学で言えば福岡大学、九州産業大学をはじめ、たくさんの選手育成に長けた指導者の方々がいらっしゃいます。その指導者の方々と連携を取りながら、アビスパに選手を送りたい、アビスパで最終的にプロとして輝いてもらいたいというようなクラブ、あるいは指導者の方々が安心して選手をアビスパに預けたい、アビスパに行けば必ず成功する、そしてみんなで福岡のサッカーの熱を高め、サッカーの力を誇示するというようなクラブになれればと思っています。また併せてアビスパのジュニアユース、ユースでアビスパの理念に沿った選手を数多く育てていきたいと思っています。育成のところでは教育がすべてだと思っています。選手がサッカーだけで終わるようではいけませんし、学校に戻った時、地域に出て行った時、そういう時にアビスパの育成の選手たちが何ができるか、何を発信できるのか、人間としてどうなのかが問われると思いますので、そこで高い評価が得られるような選手を育てるように、現場には訴えていきたいと思っています」
Q:来年度の事業計画でポイントとなるところはどのようなところでしょえか?
「収入の大きな柱は、広告料収入と入場料収入だと思っています。広告料収入に関しては、既に決まっている部分もありますが、そこをさらに拡大していかなければチーム強化費に回っていかない現状にありますので、その辺はしっかりと立て直していきたいと思います。収入目標として実態の数字はありますけれども、それに数字を上乗せして二桁に乗せられるように、フロントで協力して10億という数字を目指していければと思っています。そこまで数字をあげようとフロントでは目標設定をしています。実際の予算と目標予算があると思いますが、選手たちにも目標を掲げさせているわけで、そこに向かっての達成努力という意味ではフロントも同じですから、目標を立てながら取り組んでいきたいと思います」
Q:冒頭に、社長に就任された時のお気持ちをお話いただきましたが、声がかかった時の率直な心境を教えてください。
「『えっ本当かよ?』という感じでした(笑)。福岡に戻ってきたいというのはずっと思っていたことでした。そういう意味でお話をいただいた時は『本当かよ?』という想いと、ジワリ、ジワリと実感がわいてきて、やりたいことが山のように頭の中にイメージされてきたという感じでした」
Q:最後にサポーターにメッセージをお願いします。
「サポーターの皆様には、いつも応援いただき本当にありがとうございます。熱のある応援だと思っていますし、これからも引き続き応援をお願いします。そして何よりも、選手は見られて育っていくものだと思っています。皆様が練習場に、レベルファイブスタジアムに足を運んでいただき、大勢の観客の皆さんの前でプレーすることで選手たちが育っていけばと思っていますので、是非、ご協力をお願いいたします」
●神野卓哉チーム統括部長:
「補強のポイントは、まずはスピーディにそしてアグレッシブに戦える若い選手、そして昨年からいる選手といろいろな形や組み合わせが出来る選手を選びました」
>>(2)へ続く
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