●伊東輝悦選手(甲府)
「いずれは辞めないといけないと分かっているけど、今は辞めたくない。もっとプレーしたい。それだけ。年齢はどうしようもないので、とにかくプレーできればいい。若くてもプレーできないヤツもいれば、ベテランでもプレーできるヤツもいる。できると思ってるから今日はここに来た。(即席チームで)多少とも難しさはあるけど、プレーを細かく調整するのはそんなに苦手じゃない。ゲームの中で味方と敵を見て、判断して、やることをやればいいと思ってプレーした」
Q:アメリカやアジアのチーム関係者もきているが、海外も視野に?
「そんなに優先順位としては上の方ではなくて、できれば日本のほうがいいけど、希望も何も言ってる場合じゃない。話があれば、日本のクラブでなくて海外でもそのとき考える」
Q:何歳まで現役続行を?
「想像できないし、考えてもいない。もちろん、そんなに長くはないと思うけど。カズさんは別格(笑)。チームが勝つこと、勝利することに少しでも貢献できるようにやりたい。応援してくれる人もいるし、自分の中でもう少しプレーしたい。チームが決まれば、ベストのプレーを見せられるように準備していきたい」
●松下年宏選手(仙台)
「即席チームだけど、その中で自分の良さを出すことを意識した。若い選手も多くて、球際の激しいゲームになった。難しい部分もあったが、アグレッシブさを出すこと、時間がたっても落ちない運動量、ボールに多くかかわって基本技術の高さを発揮することを、60分の中で表現できたと思う。フリーキックやプレースキックで良い部分を出せたし、ゲームを組み立てる仕事もやれたと思う。もっと守備で激しさを見せられたら良かった。なるべく高いレベルでやれたらと思っているが、カテゴリーを問わずオファーをもらえればありがたいし、前向きに考える。海外まで全部含めてトータルで考えたい」
●村井慎二選手(大分)
「34歳になるので、そうたくさんの可能性はないかもしれない。ただ、今年はケガで試合に出られなかった。ケガが良くなって、プレーできる状態になって、新しいことにチャレンジしたいという気持ちでここに来た。トライアウトの雰囲気というのは何回やっても慣れるものじゃないけど、体が動くことは証明できたし、激しいプレーが多かった中でもベテランの色を出せたと思う。今日はボランチだったけど、FWの位置まで行ったりサイドに出たり、中盤ならどこでもできることをアピールしようと思った。まだまだできることを僕個人が一番知っているし、来年からJ3が始まるし、いろんな可能性がある。必要としてくれるところでやりたい。日本だけじゃなく、いろんな可能性を探りたい。チームはまだ天皇杯が残っているので、メンバー入りして、すべてをかけてプレーしたい」
●下村東美選手(湘南)
「国内外含めて少しでも可能性を広げるために参加した。4年前にも参加したけど、各クラブの強化担当の前でプレーできることに感謝してます。声で周りを動かすこと、ボールを奪うこと、サイドチェンジをアピールしたいと思っていたけど、同じチームの選手たちとは短い時間だけどせっかくの出会いなので、年齢関係なく楽しんでやろうと話した。自分の良いところを出そうとしすぎると良いことはないので、チームとして上手くいくように心がけた。できることはすべてやったと言える。あとは待つだけ」
Q:現役への思いは強そうですね。
「湘南でお別れパーティみたいなのをやってくれたけど、そのときもやめる気持ちなんて1ミリもなかった。サッカーが大好きだから、続けたい。それだけです」
●橋本早十選手(大宮)
「やる気を見せるのと、まだまだできるところを見せたかった。力みすぎてもダメだし、アピールもしないとダメだし、初めての経験で難しさを感じた。ほしいときになかなかボールがもらえないし。でもこの雰囲気は面白かった。手応えは50パーセントくらいですかね。いつも通りのプレーができたけど、こういう場所だとそれだけではダメだと思う。特に1本目はなかなかボールが来なくて、中に中に入ってやらないとボールに触れなかった。それもまたトライアウトの難しさだと思う。2本目はしっかり割り切って、出てこなくてもあまり中へ入らないようにワイドに張っていた。ボランチの柳崎が後輩で、ボールも出たのでやりやすかった。マッチアップはムラチョ(村山祐介)で、面白かった(笑)。お互い頑張ろうって話はしていました」
Q:初参加してみてどうでしたか?
「正直受けたくなかったし、俺は絶対受けないと思っていた。でも実際に来て、異様な雰囲気でプレーするのはものすごくいい経験になったと思う。今後は、カテゴリーはそんなこだわってないし、必要としてくれるやりがいあるチームが見つかれば。国内外問わず。そういう話をもらえればうれしい」
●村山祐介選手(タイ・Saraburi FC)
「いろいろ模索していて、長くやり抜いた中で取った契約だったけど、タイでやることの難しさも分かっていて、これ以上タイに残っても難しいと判断した。それで選手協会の方に相談したところ、『東南アジアの選手も参加するから一緒にどうか?』ということで参加できることになりました。タイのチームでやっていたので、今日はやりにくさとかもなかった。ディフェンダーなので、無理せずしっかりつなぐことと、簡単に預けてさばくことを意識しました」
Q:できれば国内でやりたい?
「ほしいと言ってくれるチームがあれば。選択肢が多いほうが良いので。海外だけでやるのも一つの手だけど、やってみて自信みたいなのも出てきて、国内でどういう反応があるのか試したい部分があった。J3もできるし、Jという名の付くもので誇りあるものだと思うから、話があればチャレンジしてみたい。年齢的にベテランなので、引っ張って行くところを求められると思うし、そこら辺と自分の経験が合致すればと思います」
●近藤岳登選手(水戸)
「今年も選ばれし者たちが(笑)、諦めの悪い男たちが集まってサッカーをして、楽しかったですね。今日は、守備ももちろん大事だけど、攻撃的にどれだけやれるかというところをアピールしようと思いました。2本目は右足でドリブルして攻撃できるポジションだったので、ガンガンいきました。足がつってしまって交代しちゃったので、そこはマイナスアピールになっちゃいましたけど(笑)。まだまだベテランと言われたくないし、カズさんもまだ現役だし、自分自身も伸びしろはあると思っているので。カテゴリー問わず、サッカーができる喜びをまだまだ続けられるなら。年俸が安くてもバイトすればいいし、僕はサッカーで人生を創ってきたし、一人でも多くの人に情熱と希望を感じてもらえるように、続けられる限りはサッカーを続けたい」
Q:最後の1本は海外選手と同じチームになりましたし、海外のスカウトも来ていましたが?
「たぶんチーム分けした人が顔で選んだでしょ(笑)。一緒にプレーして、みんな単純にがんばるし、一所懸命にコミュニケーションも取ろうとするし、やってて楽しかった。今日のトライアウトで、一つ選択肢として海外でというのも良いかなという気になりました。自分の成長のためにも。今タイのチョンブリにいる和田さんが呼んでくれないかなと思ってるんですけど(笑)」
●安間貴義監督(富山)
「今季はある程度よくゲームになっていたが、勝負は残り15分で、そこがチームの課題。その勝負所で、攻めでも守りでも、経験のある、またはプラスになるような選手がほしい。選手層が薄くて、ケガ人が出ると成績が落ちてしまっていたので、そこを補える選手がいればと。特にアタッカーを探しています。気になる選手はいました。金額とか、上位のチーム(の選手構成)が決まっていかないと、僕らも決まっていかないところもあるので、その動向を見ながら動こうと思っています」
●高木琢也監督(長崎)
「良い選手がいれば、我々のチームに足りないものを補える選手がいればという気持ちで見に来ました。今年やったサッカーを何割増しかにしなければいけないので、ポジション関係なく、今年のチームパフォーマンス以上のものをできる選手がいればと。走れて、チームのためにプレーできる選手という基準があるけど、今日だけではそこまで見えないので、個人のスキルを、ボールを止めて蹴るというところで判断するしかない。
何人か興味のある選手はいたが、条件面などあるし、どこまで実現するかは分からないですね」
●美濃部直彦監督(長野パルセイロ)
「今までJ2の監督として来たことはあったが、そのときは取ろうと思うような選手はそう多くなかった。でも今日、J3の監督として来ると、持っているもの(予算)が少ないこともあって、我々のようなクラブには非常にありがたい場だと感じた。(獲得の)対象となりそうな選手は多い。キャリアのある選手であっても、金額を落としてでも現役続行したいわけで、予算に見合った補強ができる可能性があり、J3のチームには重要なイベントになる。ただ、我々の補強はこのトライアウトがすべてではないし、現状でかなり埋まってきた。2つのポジションについては、ここで取ると決めている。最終的には10人くらいの入れ替えを考えている」
Q:東南アジアからもスカウトが視察に来ていますね。
「J3は衝撃的な予算でやっているので(笑)、今や東南アジアのほうが稼げる選手がいるかもしれない。海外クラブ関係者が、もっと見に来て選手を取っていっていいと思う。パルセイロはスタジアムができればすぐにJ2に上がれるが、J2に上がれないような小さなクラブがアジアと交流してチームを作っていっても面白いかもしれない」
Q:獲得はベテランとか若手関係なく?
「今日も伊東テルみたいに実力もキャリアもある選手が参加しているし、彼らにプロ意識や経験を伝えてほしいと思う。昔みたいなキレがなくても、経験や統率力は若いころより高まっているはず。選手の寿命は伸びていると思うし、大事なのは、カテゴリーが低くなっても、環境や年俸が悪くなっても続けたいという意欲。クラブに良い影響を与えてくれれば、それが財産になるはずだから」
以上
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