●曹貴裁監督(湘南):
「広島の長年の努力が素晴らしい結果を出されていることに、敬意を表したいと思います。広島と横浜FM、どっちに頑張ってくれとはなかなか言えないが、広島はすごくいいチームだと思うし、また頑張っていただきたい。
去年は最終節まで昇格の可能性がある状況だったけれど、今年は2試合を残してもう(残留の)可能性がない中での試合だった。それだけに、今週の入りでは少し重いと感じた。僕自身、本当に切り替えられたかなというところで難しいところもあったんだけど、今日の前半はシステムを変えたり、やり方を変えたりして、少し『広島用』に考えながら臨んだ。
90分プラスアディショナルタイムを振り返ると、広島のストロングポイントを抑えながら、よく戦ってくれたと思います。ただ、選手たちにも話してきたが、広島の選手のボールを扱う技術、判断、やっていいプレー・いけないプレーの質は、残念ながらまだ我々のチームの方が劣っている。それは、広島も今年初めてやったわけではなくて、クラブとして長い時間の積み重ね。平均年齢をみると彼らは28歳で、われわれはまだ23歳くらい。あと3年、4年、5年、どのように積み上げていくか。それが、このクラブ、チームの価値に繋がっていく。いい見本にしながら、やっていかなければいけない。
この一年、去年もそうなんですけど、選手たちはスタイルを貫きながら、頑張ってくれていると思う。最終節の大宮戦に向けて続けていくだけです。
Q:優勝争いをしている広島に対し、前半戦との比較の上で、できたところ・できなかったところは?
「私も選手もそうだけど、浦和と広島との試合では、何もできなかったという印象がある。今回も広島のボールを簡単にロストしないところやサポートは、さすがにレベルが高いと感じた。
ただ、我々もあの時よりは、ボールを持つ時間が長くなった。そういう意味で、少しサッカーができるようになってきたのか、と思う。その中で、縦のアタックをどれだけ仕掛けられるか。いいところまで行ってはいるんだけど、最後のところで踏ん張られてしまった。あのあたりの精度というか、最後は必ずシュートで終わるという部分で言えば、まだまだ課題。
でも前半戦と比較すれば攻撃の時間が長くなり、後ろと前が合わせられるようになったことは収穫だと思う。前半戦は前の3人に自由にボールを持たれて、シュートまで持ち込まれていたが、今日はそこで何とか堪えることもできた。危ない場面も身体を張ってくれた」
Q:中川選手への期待と評価について。
「彼はおそらく、Jの中で最も身長が低い選手だと思う。厳しい言い方をすると、今日は良くなかった。彼のために言わせてもらえば、身長が低い選手であるが故の良さはあるが、簡単にボールをロストする場面もあるし、一発でターンするシーンも、前にボールを出すシーンも少ない。19歳の選手があれだけできたことでよしとするのかもしれないけれど、彼は次のステージに入っている。
ただ、学べたことはマイナスではない。ボールを扱えるし、ボールと共に動くスピード感もある。サッカー選手に必要なスキルやアイディアも持っている。そういうことを、J1のピッチで発揮できるようになってほしい。期待が大きいだけに、もう少しやって欲しかったが、それは成長の過程」
Q:来季続投について。
「いやあ……、言いづらいですね(苦笑)。神奈川に4クラブ存在するという立ち位置、クラブの歴史も含め、足を止めて選手を悪い意味で入れ替えるようなチームづくりをしてしまうと、(湘南に)先はない。自分がやってきたことが正しかったかどうかはよくわからないが……。
最終節が終わった時に、自分の気持ちがどうなっているか。まだ、シーズンは終わっていない。湘南の監督として、来季以降、自分がどういうことができるのか、自分の中で整理できていないと。人に背中を押してもらってやる、そういう責任では済まない。最終節が終わった後、そういうことを話したい。自分の中では、終わった気がしないので」
以上
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