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【J1:第32節 C大阪 vs 広島】レポート:金鳥スタ最多の観衆が熱狂! C大阪がシンプリシオのゴールで広島に勝利!(13.11.24)

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初冠へとにかく勝利が必要だった5位C大阪と、逆転優勝に向けて首位・横浜FMを追走したい3位広島。キンチョウスタジアム今季4度目の完売、そして、その桜の新たな聖地に史上最高の17,489人を集めた注目の上位対決は、C大阪がシンプリシオのゴールを最後まで守りきり、1-0で広島を下した。この結果、C大阪は鹿島を抜いて、4位に浮上。同日勝利した横浜FMとの差は詰め切れなかったものの、優勝の可能性をわずかに残しただけでなく、自力での3位以内、ACL出場権確保ができるところまでやってきた。一方の広島は、3位こそキープするも、横浜FMとの差は5に開き、連覇の夢が遠のいた。

試合後、レヴィークルピ監督はこう述べた。「広島は、本当に経験値の高いチームだと思うので、だからこそ、今日の勝利というものは、より一層価値を高めるものであった。サポーターの皆さんとこうして喜びを分かち合えることを、本当にうれしく思う」と。スターティングメンバーの平均年齢が広島の28.18歳に比べ、25.55歳と、約3歳も若いC大阪。その桜色の戦士たちが、成熟した昨シーズンの王者を無失点で抑え込み、価値ある白星をもぎ取った。

「堅い試合になることは分かっていたし、どっちに転んでもおかしくなかったし、どっちにもシュートチャンス、ゴールチャンスはあった」とC大阪DF山下達也も振り返るように、試合は予想通り、一瞬たりとも目の離せない、緊迫した一進一退の攻防が続いた。その展開を導いたのは、両者の素早い攻守の切り替え。特に、C大阪は今週のトレーニングで、「広島は特殊なチーム」(レヴィークルピ監督)という認識のもと、守備意識を強くし、入念に対策を施していた。「我々はマイボールのときに隙のないプレーをしなければ、逆に、奪われて失点につながる」、その思いから、無理な攻めはなく、前半、決定機らしい決定機は、16分のCKからの山下のヘディングシュートのみ。一方で、常に裏を狙う佐藤寿人、石原直樹をはじめ、一瞬の隙を突こうとする広島も、前半はゴールに迫る回数が決して多くなかった。

前半終了間際にC大阪DF藤本康太が負傷交代を強いられるアクシデントがあったとはいえ、決め手なく、前半をスコアレスで折り返した両者。しかし、後半になると、にわかにピッチが活気づく。その火蓋を切ったのは、広島のエース、佐藤。50分、高萩洋次郎のラストパスを受け、ゴール前で左足を振り抜いたが、C大阪DF山下の身体を張ったスライディングが目に入ったのか、シュートは枠を外れてしまう。結果的に、このあと、C大阪に得意の中央でのコンビネーションプレーからゴールが生まれたことを鑑みれば、「自分自身のチャンスを決められなかったことが、このゲームのなかで大きなウエイトを占めていたように思う」(佐藤)。まさに、ターニングポイントは、このシーンだった。

ゴールは52分、柿谷曜一朗のスルーパスから生まれた。密集のなか、オフサイドラインをしっかり確認してポジションをとったシンプリシオに、絶妙のボールがグラウンダーで届けられた。そして、それを経験豊富なブラジリアンが、冷静に押し込んだ。決してフロックではない、ラッキーでもない、自らの形を存分に活かした先制点。決まった瞬間、スタジアムは割れんばかりの大歓声に包まれた。

しかし、その後は広島の猛反撃の前に、何度かC大阪にもカウンターチャンスはあったとはいえ、耐える展開が続いた。それでも、そこで踏ん張ったのが、C大阪守備陣。高萩に、青山敏弘に、途中出場の山岸智に、幾度となくゴールチャンスを作られるも、最後のところでは茂庭が、扇原貴宏が、山下が、そして、柿谷とともに日本代表欧州遠征から帰国したばかりの山口螢が、身体を張ってディフェンス。GKキム ジンヒョンも落ち着いたセービングで、広島にゴールを割らせない。そして、約40分間のリードを、最後まで耐え抜いた。C大阪関係者も試合後は疲れ切るくらい、精神的にもタフな戦いをスタジアム全体で繰り広げられたなか、見事に勝ち名乗りをあげたのは、ホームチームだった。

「大人のゲームができるようになったなと。今日の一戦で、さらにセレッソが成長できたんじゃないかなと思う」。ベテランDF茂庭は、この勝利に明らかな手応えをつかんでいた。また、「サポーターとチームが一体となって戦えた、本当にいい試合だと思う」というのは、南野拓実。試合前からフラッグを振ったり、大きな声援をおくっていたサポーターの後押しも、大きな力になっていた。「残り2つ、全員でしっかりモノにして、最高のシーズンにしたい」、茂庭の言葉は、いま、C大阪全体の思いでもある。

以上

2013.11.24 Reported by 前田敏勝
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