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【J1:第29節 F東京 vs 新潟】レポート:“あきらめない”F東京が新潟に2−0で快勝(13.10.20)

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新潟の柳下正明監督は、ハーフタイムに選手たちへ「どちらに転ぶか分からない」と伝えた。それほど、前半は一進一退のゲームだった。そして、「チャンスは何度かある、そこを決めた方が勝点3を取れる」と続けた。終わってみれば、その見解どおりの展開となった。先制点を奪ったF東京が2点差を付けて新潟を下した。

F東京は、この新潟戦にマイナーチェンジをして臨んでいた。新潟の激しいプレッシャーを回避するために前半から普段以上に少ない本数のパスで前線へと預けたり、ときには意図的にプレーを切る場面も多かった。リスクは最小限に抑える、F東京らしくない戦い方だったかもしれない。その結果、前半はゲームが動かず。0−0で後半へと折り返した。

F東京は53分、ゴール前でFKを奪うと、それをモノにした。ボールの前には、太田宏介と東慶悟が並んだ。先に東が動くと、それに相手GKがつられた。重心を置いた逆方向に、太田が蹴り込む。ボールはネットへと吸い込まれてゲームを左右する先制点を奪った。
先制したF東京は前半からのリスク管理を続け、重心をやや後ろに置いて攻撃の機会をうかがうようになった。新潟は、終盤に掛けて次々と攻撃のカードを切っていった。それによってチームのバランスが崩れたところでミスが出た。そこをF東京が見逃さず、79分に高い位置でボールを奪うと、ルーカスが長谷川アーリアジャスールとのワンツーで崩して追加点を奪った。効果的に点差を広げたF東京が新潟を破り、勝点を47へと伸ばした。

F東京が新潟に勝利できた理由がいくつかある。1つは、前半から続けたリスク管理だろう。新潟の攻撃は、迫力があった。中盤の2列目の選手が相手DFと中盤の間に顔を出し、2トップは前半から最終ラインと駆け引きを続けていた。忠実にそれを繰り返す新潟に、一瞬の隙を与えることは大きなリスクをはらんでいた。ミスを最小限に留めたことで相手に決定機を多く与えなかった。

先制点は時間帯も含め、大きな価値を持っていた。結果的に、新潟は追いつくために攻撃的なカードを切って守備のバランスを崩さなければいけなくなったからだ。そして、新潟と同様にタフに戦ったことがF東京を勝利へと近づけた。米本拓司は「攻め込まれても無失点で抑えた。相手に主導権があった時間帯も耐えられたことは大きい」と振り返った。加賀健一は「今日の勝因はシンプルに戦えたこと。ボランチの2枚も気合いが入っていたし、今週は練習からずっと球際を意識してきた。それが出せた試合だったと思う」と続いた。
新潟のストロングポイントである運動量でも、球際でも、相手に負けなかった。柳下監督は試合後、敗因の1つに細かなパスの質を挙げた。それは、1本のパスにこだわって取り組み続けているF東京が、自分たちの土俵に新潟を引きずり込んだ何よりの証だ。
アーリアを始め、多くの選手が「まだ誰もあきらめていない」と口にしたのは自分たちのサッカーに確信を持ち始めているからでもある。ポポヴィッチ監督は「このクラブには今まで重要な試合に勝てていない歴史がある。その歴史は自分たちで変えていかなければならない。私たちはまさにそこにチャレンジしている最中です」と言葉にする。“あきらめの悪い”F東京が、勝負弱さとお別れする日は近づいてきている。

以上

2013.10.20 Reported by 馬場康平
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