●曹貴裁監督（湘南）：
「遠い大阪にもかかわらず、雨のなか、たくさんの声援をいただいたサポーターには、本当に敬意の念を持って、感謝の言葉を述べたいと思います。最後、逆転されたあとも、本当に声を枯らさず、ポジティブな応援を続けてくれて、彼らのためにも、勝点1、勝点3というものを届けたかったのですが、本当にそれができず、残念に思っています。
セレッソさんとは、前期、平塚（BMW）でやったときの後半、本当に大人と子供のような試合になってしまいました。そこから、我々もそこに向き合って、約半年ぶりの試合で、それこそ、ここの（キンチョウ）スタジアムにお客さんが増えているという話しも聞いていますが、そのなかで、攻撃的なサッカーをしつつ、失点も少ないというチームという彼らセレッソとやらせてもらえるなかで、『我々のよさを出していこう』と。『相手は攻撃力はあるけれど、我々の攻撃力もそれに負けていないはずだ』ということで、選手たちを送り出しました。本当にいい形で得点が入って、2点目、3点目を取れるチャンスがもう少しあるかなというところで、2点目を相手に食らってしまい、それも注意していたセットプレーでやられたのは、本当に反省しなければいけない。やられたくてやられる選手は誰もいないと思いますが、我々の選手たちがこれから成長していくために、そういう勝負のアヤというか、勝負の際のところで、まだまだやってはいけないプレーをしてしまって、勝点を取れないのが、今のチームの現状かなと思います。ただ、それは、どの選手も、どのチームも、1つ、通らなければいけない道だと思うので。我々がJ1でプレーする最初の前期の試合では、そこにも至らなかった試合も多かったのですが、本当に最後の最後の部分で、どちらに勝負が転がるか分からないというところで、我々のスタイルを貫きながらやってくれた選手たちは、本当によくやってくれたと思います。これで、最終戦で、もう残り可能性がないところならば、違ったコメントにはなりますが、まだまだファイティングポーズをとって、残り5試合、次には出られない選手もいますが、勝点15を取るべく、勝点3を積み上げて、前向きにやっていきたいと思います。
ここセレッソ大阪のホームであるキンチョウスタジアムでは、僕も初めて指揮をとらせてもらいましたが、非常にサポーターと選手が近くて、一体感があって、本当に素晴らしい雰囲気だと思いました。また、こういうところで試合ができるよう、チームを作って、チャレンジしていきたいと思います」

Ｑ：やってはいけないプレーというお話がありましたが、具体的にどういう点が物足りなかったのでしょうか？
「『やってはいけない』というのは、別に、ミスをしているからダメだというのではなくて、たとえば最後、GKを上げて、コーナーキックを競らしたときに、やっぱり僕は、あそこは、勝負に勝つためであれば、シンプルに最初に入れるべきで。それを、彼らの判断で、短いショートコーナーをしたのですが、なかなかGKが入ったときにショートコーナーというのは、リズムが合わないときがあるので。もちろん、彼らの判断自体は尊重しますし、やってはいけないというのは、それをしたことがダメだというのではなく、本当にそのプレーが点を取るために必要だったかというのを、彼らがあの時間に感じていることが大事。結果的にそれで、短いコーナーキックをやるとか、それは構わないのですが、あの機運で、最後、ワンプレーのところで、やっぱり、相手に圧力をかけたあとのプレーでは、僕は（そのままゴール前に）入れた方がいいんじゃないかなと思って、今、ロッカールームでもそれは伝えてきました。ただ、それじゃ、彼らの判断でやったプレーに関して、責めるつもりはまったくないのですが、そういったセットプレーの今日の守備とか、最後のところとかというのが、より浮き彫りになってくる時期なので。そこを自分たちで、ちょっと冷静になってだとか、ちょっと自分を客観視して見る判断が、あそこでできれば、さらにいいチームになってくるんじゃないかなと思います。すみません、答えになっているかどうか分からないのですが……」

Ｑ：ステボ選手が先発し、ゴールも決め、見事に期待に応えたと思いますが、ステボ選手起用の意図は？　セレッソ戦に向けて、何か対策を立てたところもあったのでは？
「いや、もう、シンプルに、ウチのチームで1週間のうち3日間、20分だけ走って、前の日だけ練習して、試合に出られる選手は1人もいないので。そういう意味で、練習で決めたというのが、まず最大の理由です。それ以外何もないというか。要は、試合が終わったあとに、次の準備が始まっていて、その練習のなかで何を見せるか、何ができるか、それも、チームは忘れないで何をやっているかというところで、僕も最終的に選手を選んでいるので。今日、出なかった選手が、決して悪いとか、向こう（地元の湘南）に残っているやつらが力がないだとか、そういう話しではないです。選手は、自分が試合に出ることを選べないのは、当たり前のことですが、選手は100％持っている力をピッチで出す。それを、僕が、正当にかどうかは分かりませんが、僕の役割、仕事として、しっかり選手たちを見て、選手を選ぶ。その繰り返しだと思うので。そのなかで、ステボが先発だったということだけであり、別に僕のなかでは驚きも何もなかったし、ゴールを決めたことは『おめでとう』と言ってあげたいですが、みんなで取ったゴールなので。これを、彼も自信にしてやってもらいたいし、我々も、他に今日出られなかった選手たちも、『自分がやってやるんだ』という気持ちを、さらに持ってもらいたいと思います」

以上