先日、天皇杯3回戦の川崎F対東京Vの試合前に、シンガポールからやってきたという女の子2人を撮影させてもらいました。日本人の友達に会うという目的による来日ではあるにせよ、埼玉スタジアム2002で行われたヤマザキナビスコカップ浦和対川崎Fも観戦しており、Jリーグへの関心の高さを感じました。また、この2人は東京V戦の翌日の17日に川崎Fの練習場を訪れていました。ファンだと話していた井川祐輔がクラブハウスから出てきた時のキャサリンちゃんの嬉しそうな顔が印象的でした。
ヤマザキナビスコカップ準決勝浦和対川崎Fの試合会場には、香港からのツアー客も訪れており、意外とアジアにJリーグのファンの裾野が広がっているという印象を受けています。そもそもアジアでの日本人気はそれなりに高く、広め方次第ではマーケットは広がるんじゃないかと思っています。
アジアでのファン獲得のためJリーグがいろいろな手法を用いて種を撒いていることは知っていますが、同じようなことを日本国内でやれないものかといつも思ってしまいます。Jリーグではアカデミーの設置を義務付け、普及育成に力を注いでいますが、同じようにJリーグのファンを増やすべくJリーグの普及活動を戦略的に行う必要があると思っています。最近tvk(テレビ神奈川)で放送されている川崎Fの応援番組に2回、それぞれ1分程度出演させてもらったのですが、その結果川崎Fのホームゲーム時によく声を掛けられるようになりました。地上波恐るべしです。神奈川県内でそうなのだから、地方での放送が普及に貢献するのは確実でしょう。
Jリーグにとって放送権料収入などの権利ビジネスが大事なのは理解しています。ただ、20年間続いたデフレのため、特に地方経済は疲弊してしまっています。Jリーグというコンテンツの売上が大事なのは理解できますが、それを買いたいと思う人を育成する必要も感じます。鶏が先か、卵が先か、という事にはなるんですが、リーグチャンピオンを決める方式を大転換する決断をしたのだから、Jリーグというコンテンツの売り方も考えてみてはどうかと思います。地方の放送局が買いやすい値段に設定するのもいいでしょうし、放送権料にtotoが補助金を出すというやり方もあるかもしれません。Jリーグが広まればtotoは安定するでしょうし、将来的にtotoを購入してくれる人を増やすわけで、無駄遣いではないですよね。
いずれにしても、100年の歴史がある欧州と同じビジネスモデルはまだ日本には早いのではないかと危惧してますし、いろんな人が智恵を出し合う時期に来ているんだと思います。
以上
2013.10.18 Reported by 江藤高志(川崎F担当)
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