●手倉森誠監督(仙台):
「今日は両チームにとって何が何でも勝点3が欲しい試合でした。自分たちも上位に食い込むためには今日はどうしても勝点3が欲しかったです。ジュビロも残留争いに巻き込まれていますが、残留のためには(勝点)3が欲しいと。『その思いがぶつかれば、自然と激しいゲームになることを覚悟するべきだ』という話をしました。
本当に立ち上がりから激しかったですし、ゲームが落ち着くにつれてこのゲームを取るための狙いというものが駆け引きとして現れたゲームだったと思います。ジュビロはブロックを組んでのカウンターというところに勝機を見出したし、我々はブロックを組んでいる相手に対して工夫が必要なゲームでしたしし、その中で1点を取る前に富田晋伍のあの決定的なチャンスで仕留め、あの先制点が2点目になれれば、捉えられたゲームだったのかなと思います。しかし、1-0で進んでいれば、ジュビロも勝点3への可能性というものに対して、またエネルギーが出てくると。失点というものは、まさにそのエネルギーから我々が与えたものだと思っています。
やはりこれが磐田対仙台のゲームだなと思います。いつもがっぷり四つで、いつもドラマティックで。今回に関しては本当にセキさん(関塚監督)やテツ(長澤コーチ)やベンチの面々、森下さん(GKコーチ)も仲間同士の戦いで、誰も譲るわけにはいかないという思いが、本当にピッチに現れたゲームだったと思います。『これぐらいのゲームができるんだ』というものを、残り6試合でまた継続して表現していきたいと思いますし、自分たちが上位争いをするにはジュビロにもこれからの試合で勝ってもらわないといけないので、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。
2008年のJ1・J2入れ替え戦を戦った雰囲気とはサポーターの位置が変わったりして様変わりしましたが、遠く仙台から来てくれたサポーターに勝点3を届けられなかったのは残念ですが、来てもらったことに非常に感謝しています」
Q:先制点を取った後のゲームプランは?また、2試合連続引き分けということで、勝点を1から3にするために足りなかったものは?
「1点を取れば2点目を取りに行くし、勝つためのプランはそのまま遂行していたと思います。そのために1つ、ゲームの分かれ道というものがあり、その前に奪いきれるか。あとは相手がパワーを持ったときにしのぎきれるかというところが大事になってきます。
やりたいことをやらせないということがサッカーのゲームなので、菅井のところでの交代が失点してからになりましたが、1-0でリードしている間に我々があのカードを切ると3枚目になってしまいます。その状況の中で、1-0でいきなり守備意識を高めるのはチームにとってどうなんだろうと考えました。だからこそ、なるべくもう少し、あと5分くらいしのぎきりたかった時間帯もその失点の時間帯と重なったところだと思います。
(勝点)3を取るためには、2点目が必要だということです。今日は取れなかっただけです。そういう意味で前半のあのウイルソンの交代は、自分としてはこの激しいゲームをアウェイで、75分から失点の多いジュビロに対して、そこが勝負どころだと思っていましたからそこにもう一枚カードが切れなかったアクシデントが今日は最後まで響いたなと思います」
Q:ウイルソン選手の状態は?次の試合には出られるでしょうか?
「次節には影響ありません。『病院に行かなくていいのか?』と言ったら、本人も『大丈夫』ということでした。やっているうちにピッチ上でめまいがして倒れ込んでしまったということです。前半のうちに控え室で安静にしていたら回復も見えたので、そのまま休ませておけばいいということでした。精密検査は必要だと思うので、帰ってから処置をしたいと思います」
Q:最近先発が続いている柳沢選手に期待していることは?また、今日の交代の理由を教えてください。
「今、チームが非常にボールを握れるようになってきた中でオフ・ザ・ボールの動きを何度でも繰り返せる選手が機能し出しています。その一人が柳沢だと思っています。去年、一昨年と堅守速攻ということを考えれば、まずはボールを奪いに行くところが我々のスタイルだったのですが、ボールを握れるようになった時に、チームでボールを動かしている時の間のポジション取りは柳沢の真骨頂です。それをチームに落とし込めることを期待しています。
途中で交代したのは、ちょっと守備も頑張ってくれているので足にきたところも見えました。そこは1つ武藤にスイッチするところでした。本来であれば、ウイルソンとの交代の部分でウイルソン、柳沢、赤嶺とうまくローテーションしていければというところはありましたが、柳沢の交代はそういう意味で、武藤と交代することで、少し前線を活性化しようとしました」
以上
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