柏が決勝戦へ進むためには4点以上を奪い、3点差以上をつけなければならない。しかも連戦の疲労に加えてJ1第27節新潟戦では工藤壮人、大谷秀和、増嶋竜也の主力3選手が負傷。すでに攻撃の核であるレアンドロ ドミンゲスも怪我で長期欠場中であり、今の柏は満身創痍という状態だ。
だが、モチベーションは非常に高い。上記したように工藤は新潟戦で負傷した選手の1人だ。彼は、プロキャリアはおろかユース時代から負傷欠場のない“鉄人”。おそらく明日の広州戦も強行出場する見込みである。第1戦のリベンジに燃える柏のエースは「4点以上を取って勝つ」という強いメンタリティーに満ち溢れ、その熱い気持ちはチーム全体に伝播している。
また、菅野孝憲は1−4で敗れた試合を今一度振り返り、失点するまでの試合内容などを考え、「ひっくり返す自信はある」と涼しげな表情で答えた。崖っぷちに追い込まれ「諦めたら終わり」と、あえて気持ちを奮い立たせるのではなく、第1戦を戦ったことを踏まえ、根拠があった上での「自信」だという。
確かに第1戦は、失点するまでは完全に柏のペースだった。コンパクトな守備ブロックが広州のアタッカーにスペースを与えず、広州の外国籍トリオが「前残りする」というウィークポイントを生かしてボールを奪った後は素早くカウンターを仕掛けた。前半だけで3、4点は奪ってもおかしくはない展開だった。田中順也が「前半の内容を90分続けること」と逆転のポイントを挙げており、あの前半のクオリティーを攻守両面で維持できれば4−0という結果は不可能ではないだろう。
それに今回の第2戦、柏が前半で先制すれば、広州は間違いなく焦るはず。もし広州の選手たちが「もう決勝進出は決まった」と油断してくれるようであれば、なおのこと柏は戦いやすい。“試合巧者”と呼ばれるような戦いを得意とし、老獪に勝ち切れるチームならともかく、広州は高い個の力や勢いというものを前面に押し出すチームである。現時点では広州天河体育中心という圧倒的なホームスタジアムで戦う広州が大きなアドバンテージを握っていることは疑いようのない事実だ。しかし、そのアドバンテージを計算しながら相手をいなす戦い方は広州のスタイルではない。柏が冷静に戦い、1点ずつ返していくことによって、その彼らの持つ“油断”を“焦り”に変えることはできる。
グループリーグ第3戦で、韓国の強豪・水原を相手に、いったい誰がアウェイの地で6点を奪うと予想しただろうか。広州を相手に4点以上を奪い、3点差をつけることは非常に困難なミッションではある。だが、この圧倒的不利と言われる試合をひっくり返した時、おそらく今回の試合は「天河体育中心の大逆転」や「広州の奇跡」と扱われ、柏のクラブ史に残る伝説として語り継がれていくことになる。
その歴史的な瞬間を見逃してはならない。
以上
2013.10.01 Reported by 鈴木潤
J’s GOALニュース
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