船山貴之から長沢駿へ。最後のワンプレーで無常にもボールがバーの上を超えていった直後、試合終了のホイッスルが鳴った。互いに昇格プレーオフ圏内への浮上のために落とせない一戦は、2-2の“痛み分け”となった。
開始直後こそ攻撃の形が出来ていた松本だったが、ゲームが動いたのは想定外の形だった。7分、「詳細は言えないが意図のあるプレーだったが、私のミス」(反町康治監督)という松本のスローインをクリスティアーノが奪うと、そのまま迷いなく左サイドを独走。ボールを受けた近藤祐介がクロスを上げると、その先に待っていたのはサビア。犬飼智也との競り合いにも負けずに頭で押し込み、栃木が労せずして先制点をあげると、この後は前半終了まで栃木の時間が続いた。特に近藤は力強さあふれるドリブルで左サイドを幾度となく突破するなど大きな存在感を発揮した。またボランチの相次ぐ負傷という台所事情を鑑み、第16節以来の試合出場となったパウリーニョもファイトあふれるプレーを見せ、中盤の掃除役として約4ヶ月の“隙間”を埋める活躍を見せた。
明らかに流れはアウェイチーム。「このままではこのままゲームが終わってしまう」(反町監督)と、1点ビハインドの松本は主導権を引き寄せるために攻撃モードへとシフト。飯尾竜太朗を前半一杯で諦め、ホドリゴ・カベッサを投入。シャドーの鐡戸裕史を左ワイド、船山貴之をトップ下に配置する3-4-1-2にフォーメーションを変えると、カベッサのボールタッチからリズムが生まれ、相手エリア内で展開する時間が増えた。68分には村山智彦がクリスティアーノとの1対1をビッグセーブで封じ、流れを渡すことなく耐えると、73分にカベッサが魅せる。岩上祐三のアーリークロスにニアへ走り込んで頭で合わせ、ついに同点へと追いついた。
しかし、栃木も沈黙することはなかった。カベッサのゴールから僅か6分後、松本が前がかりになったところを栃木はカウンターで進攻。近藤のクロスに途中出場の久木野聡が頭で折り返し、最後はクリスティアーノ。これで再び栃木がリードに成功。しかしその僅か4分後、松本は岩上のロングスローの落下する瞬間、「飯田が『チェンジ』と言ってくれたので、ニアとファーを変えた」と立ち位置を変えていたカベッサが直接頭でゴールネットを揺らし、再度同点に追いつく。
10分間で3ゴールが飛び出し、後半アディショナルタイムまで全く試合の読めない、まさしくシーソーゲームとなったが、勝点1ずつの結末に落胆の表情がより濃いのは2度のリードを守り切れなかった松本育夫監督。「センターバック2人が疲労していたので5バックにしたが…」と試合後の会見で悔いを見せたが、パウリーニョの復活については「合格点をあげたい」と敬意を表した。一方の反町監督は苦笑を浮かべながらも「苦しいゲームでも追いつくことが出来たことはポジティブに捉えたい」と前を向いた。相変わらず団子状態が続くなか、この引き分けにより6位との勝点差を1縮める形で激闘の9月を終えた。
以上
2013.09.30 Reported by 多岐太宿
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