J1への生き残りを懸けたサバイバルマッチが大分銀行ドームで行われる。ホームの大分は勝点10で18位。対する湘南は勝点20の16位。そして残留圏内の15位甲府は勝点28。互いに残り9試合で落とせる試合は一つもない状況なだけに、この一戦は非常に重要となる。昨季までJ2で凌ぎを削り、手の内を知り尽くした両者の対戦は、意地とプライドがぶつかり合う熱戦となりそうだ。
前節の仙台戦で6−0と大敗した大分は、選手、監督、そしてサポーターも忸怩たる思いで1週間を過ごした。高松大樹は渋い表情で「情けない。大事な時期に無様な試合をしてしまった。反省するところは反省し、気持ちを切り替えて死に物狂いで湘南戦に挑む」と振り返り、「あきらめたら終わり、望みをつなぎたい」と悲痛の声が漏れた。
沈む空気が流れるチームに、田坂和昭監督は木曜日の練習前のミーティングで敢えて厳しい口調で選手を叱咤した。そして、仙台戦でサポーターが掲げていたゲートフラッグの言葉を用いて、「0.1%でも残留の可能性がある限りプロとして戦わなければいけない」と話したという。不甲斐ない結果が続いてもゴール裏から声援を送り続けるサポーターの声は、指揮官だけでなく選手にも十分届いている。あとは結果。チームに関わる全ての人々の思いである。
それは湘南とて同じ。「来年J1で戦うチャンスが残されている。そこに向かってやるだけ。あと9試合で勝点27が取れるのだから」と鳥栖戦に敗れた後、曹貴裁監督は語った。「他のチームがどうこうではなく、自分たちのサッカーをシンプルに」とも。
大分と湘南の共通点。それは頑に昨季J2で戦ってきたスタイルを、今季も貫いた点である。選手が変わり、多少のマイナーチェンジもあっただろうが、大分は最終ラインからボールを動かし、サイドを経由して、ゴールを目指し、湘南はハイプレスから、縦に鋭く早い攻撃のスタイルは変わらない。このブレない指針が、良いか悪いかはここで言及するつもりはないが、「自分たちのやってきたサッカーを追求し、継続しないといけない」(田坂監督)と、J1残留という目標がはっきりしていても、残り試合も自らのスタイルは変わることはない。
となれば、同じ3−4−3のシステムを採るチームにとって、勝負の分かれ目も実にシンプルなものになる。1対1の争いだ。球際やセカンド、ルーズボールをいかに奪い、攻守の切り替えで有利に戦えるかというサッカーの原点での勝負となるだろう。
両者に迷いはない。真っ向勝負を挑み、斬るか、斬られるかの戦いだ。願わくば、自分たちのサッカーを信じてシーズンに挑んできた両者のどちらかには、来季もJ1で戦ってほしい。そのためにも引き分けなんていらない。勝つか負けるか、白黒はっきりつけてほしいものだ。
以上
2013.09.20 Reported by 柚野真也
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