●手倉森誠監督(仙台):
「今年のシーズンの残りはもう4ヶ月しかない、と。残されたゲーム数は、リーグ戦では『ラスト10』だと。去年も一昨年も希望の光として光を放った。今年はまだ、光の弱まりというものしか自分達は表現できていなかったので、『今シーズンは終盤に対して、その光を解き放とう』という話をしました。
『ここまで、8月まで辛抱させられてきたシーズンの中で、自分達がやればできるんだという、自分たち自身にしっかり自信を持って、期待に応えるべく、チームのパフォーマンスを最大限に発揮していこう。もちろん、残されたリーグ戦を全部勝たないことにははい上がっていけないし、それをやりとげる覚悟で挑もう』という話をしました。
つまり、今日のゲームがラストスパートの一発目だという位置づけで、選手たちは本当にいい入り方をして、90分間を通して点を取り続けてくれました。これまでの勝ったゲームでも2点しか取れていないゲームがあった中で、辛抱させられてきた分も、まいてきた種が、ようやくこの秋に実りとなって収穫を迎えるんだなという勝ち方が、これからの10戦に対して勝負強さを表現して、ここから優勝ということになれば、『何を言っているんだまたあの監督は…』と言われかねないですけど(笑)、何よりも可能性がある限り、奇跡を信じて、奇跡を是非起こしたいと。
おそらく今日集まってくれたサポーターも、その気持ちがあるからこそみんなで勝ち取った6ゴールの大勝と思います。
こういう大勝をしなくても、とにかく勝点3というものを一戦一戦、積み上げて、本当に、(プロ野球)楽天に負けないくらいの盛り上がりをベガルタ仙台はやっていきたいとおもいます」
Q:6得点はJ1・J2を通じてクラブ史上最多得点ですが、その記録のご感想は?
「花火が上がったな、という感じですけれど、こうやって点を重ねるゲームで、(失点)0でおさえたゲームができたことで、選手たちは素晴らしかったと思います。本当に、隙を突いて隙を与えないメンタリティと、状況判断のあるプレーで、ピンチはありましたけれど、シュート数は10本で6点を取れて非常に効率のいい攻撃をしたのだろうな、と思うし、相手に13本のシュートを打てたところを0でしのげたというところは、ものすごく良かったなと思います。
点を取れるんだということを示したことで、これからの戦いで、対戦相手にもいいジャブになっていくと思います」
Q:90分間、精神的な部分でコントロールが効いた試合でしたが、6-0の試合で1点を争うような気迫を感じました。精神的に注意したことは?
「まずは、はい上がるために気迫をもって挑もうというところで、ゲームの入り方、相手のストロング(ポイント)とウィーク(ポイント)をしっかり理解した中で、彼らは攻撃にも守備にも人数を割いてくると。それに対して、前からプレスにいくチャンスは十分あるし、逆に相手が人数をかけてきた時はカウンターを食らわせるチャンスは十分あると。そこに対しては判断を速めないといけないというところで、本当に、相手のストロングを消してウィークを突いたゲームを選手たちは遂行してくれたと思いますから、そういう意味でもリーグ戦を通じて、ここから自分達の強さを示したい、示さなければいけないというものよりも示したいという意欲が選手をそうさせたと思うし、去年も順位が上位で戦えたときは、1点を取った後に追加点が取れていた。こうやって追加点を取ることができると、去年のような強さがよみがえってくるんだなと思いました」
Q:いつもは梁選手がボランチだったのですが、松下選手と(ポジションを)代えるような形で、試合前にもカウンターを防ぐ狙いがあったとうかがいましたが、そのへんの狙いはうまくいきましたか?また、今後のそういうポジションの入れ替えについてはどう考えていますか?
「これからも優秀な選手がそろっているので、相手の特徴を見て、(選手の)コンディションを見て、使い分けようと思います。
梁を今日にサイドに置いたのは、大分がカウンターが得意で、人をかけてくる。取られた瞬間が危険な時間帯なので、そうなれば取られないコントロールというものが非常に大事になってきます。梁が攻撃でボールを持った時にカウンターでやりきるのか、自分達の押し上げを待って作り直すのか。作り直すということは相手のシャドーまで押し下げることができますから、そういったコントロールを彼に託して、十分その役割を彼はやってくれたと思います。
もちろん、カウンターを食らって(林)卓人がボールを持ったときなんかでも、速くしかけてカウンターをしかけようというなかで、卓人から『梁さんにまず預けるので、梁さんにコントロールをしてもらいましょう』と、選手の中でも織り込み済みというか刷り込み済みだったので、そこはうまくいきましたね」
以上
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