●松田浩監督（栃木）：
「最後に追い付いて良かったなというところはありますけど、それは選手が最後まで諦めず、応援していただいたサポーターの皆さんも最後まで諦めない気持ちで応援してくれたことが、同点ゴールに繋がったのかなと。その点は非常によく頑張ったなという気がしています。
ただ、全体を見ると２つのミスが２失点というのはいただけないし、そういう試合をしていると勝てないという反省が残る。そういう意味では非常に残念な試合をしてしまったなという気がしている。その２失点以外のところは、うちらしい準備してきたことがある程度できていたのに、というところが悔やまれる。ただ、最後の頑張り、あとはサポーターの皆さんの頑張りには感謝しています」

Ｑ：１失点目はバックパスミスからでしたが、ミスをした選手個人の問題なのか、それともチームとして改善すべき問題なのか。どちらでしょうか？
「ハーフタイムに當間は皆に謝っていました。自分のせいで失点してしまってと。切り替えて頑張りますと。僕等もそれは忘れて１−１ですから仕切り直して、もう１点取ればいいだけの話ではないのかと言いました。もう全然、気にしていないというかね。もう１回頑張ればいいだけの試合だと。そういう試合が出来ていたのでね。
チームのやり方が拙いということはないと思う。責任はすべて僕にありますから。ただ、あそこでバックパスすること自体は悪くないし、もう少し強く蹴っていればいいだけでね。レベルの高いサッカーになるにはありうることというか、でもあってはならないことですけどね。そのへんは當間本人が一番わかっていると思いますけど。そういうことにトライしないと今のサンフレッチェ広島はないんじゃないですかね。それだけの話だと思います」

Ｑ：後半、劣勢の展開の中、選手交代で流れを取り戻したが、途中出場の選手の評価はいかがですか？
「２失点目も集中力の切れたミスなので、劣勢だったとは思っていません。押し込まれて守備の時間が増えたことが体力というか集中力を奪ったとしたら、辛抱する時間帯だったとは思います。失点する前には同点だったので、今度は同点から勝ちに行く布陣でアレックス（三都主アレサンドロ）をボランチに入れ、クリスティアーノを上げることを考えていました。点が入ってしまったので今度は１点を取って同点にするための選手交代になりました。その点に関してはよくやってくれた。今日は暑くてかなり選手が消耗していて、代えた近藤と杉本は一番疲弊していた。どっちみち１点追い付かないといけない状況だったので久木野と湯澤を入れました。彼等はフレッシュな足を持って、積極的な姿勢も見せてくれました。いいメンタル状態でかなり挽回してくれたと思います。いい働きをしてくれたと思います」

Ｑ：試合前に神戸戦に向けて気持ちを上げていかないといけないと仰っていたが、実際に試合を迎えて監督自身の気持ちはいかがでしたか？
「普通の試合と全く変わらないです。なんとなく煽られていたような気がしたんですけど、僕にとってはただ目の前の１試合であって、他の試合と変わりなく準備しました。それ以上に何かしてないといけないんですかと、もうちょっと上げないといけないんですか、とは言いましたけどね。神戸だから勝ちたいということでもなく、目の前の試合には勝ちたいので、それだけの話ですね」

Ｑ：ガンバ戦で露呈したメンタル面のミスへのアプローチが、この試合のひとつの焦点だったと思います。非常にいい入り方をして先制できたことで、少しメンタル面が改善されたと思われますか？
「どうですかね。ガンバとか神戸とかいう相手に先制されると相当難しくなるという意味では、最低でも無失点でゲームを進めることが大事だと考えていたので、そういう意味では先制できたのはやっぱりすごく大事なことだったし、立ち上がりはかなり改善されたと思います。ただし、チームのメンタルの体力として９０分の中でどこかで抜けてしまうと。ガンバ戦ではそれが前に来た。前に来てやられてしまうとかなり難しいけど、途中で来ると巻き返せるということはあるかもしれないですね。そういう意味では今日は引き分けという形になりましたけど、９０分の中で改善されたかはわからないですね。ああいう時間帯が前半、後半に出てしまうというのは、前に出なかった分だけ後に出たとしたら、チーム全体としてメンタルの体力というのは、タフネスはまだまだだなという感じがしますね」

以上