前節(第18節)の神戸戦で第9節・水戸戦以来のスタメン出場を果たした高橋峻希選手。昨季の7月15日に浦和から千葉へ期限付き移籍し、右サイドバックでJ2リーグ14試合、J1昇格プレーオフ2試合に出場したが、千葉はJ1昇格プレーオフ決勝で大分に0−1で敗れてJ2に残留。今季は浦和に復帰する道もあったが、期限付き移籍期間延長という形で千葉に残ってプレーする道を選んだ。それはJ1昇格プレーオフ決勝で味わった悔しさを千葉のJ1昇格という歓喜に変えていかないといけないという使命感からだ。今年の1月19日に千葉のオフィシャル誌でインタビュー取材をした際、こんなふうに話していた。
「かなり迷ったんですけど、(J1昇格プレーオフ決勝の試合会場の)国立での悔しさが今でも忘れられないことが一番の決め手でした。本当にこのままでいいのかっていう気持ちで、悔いだけが残る形で浦和に戻るのもよくないというか、選手としても成長できないかなぁと感じていたので。その悔しさを歓喜に変えないといけないというか、今季はそれが僕の使命なのかなと思います。国立でのあんな思いは二度としたくないので。人生で一番悔しかったんじゃないかっていうくらい本当に悔しくて、その日はサッカーから離れたいなっていう気持ちでしたね。あの悔しい思いを笑顔に変えて、千葉サポーターと一緒に喜び合えればいいかなぁと思います」
初の移籍を決断した時以上の強い想いを抱いて臨んだ今季は、開幕から5試合は右サイドバックでスタメン出場したが、負傷で戦列を離れている間に右サイドバックを務めた米倉恒貴選手が活躍。ベンチ入りした第8節・岡山戦は右サイドバックで交代出場し、米倉選手が欠場した翌節の水戸戦では右サイドバックでスタメン出場したものの、第10節・福岡戦ではスタメンから外れ、左サイドバックで2試合連続交代出場後は5試合出場なしだった。
だが、千葉が完敗した第16節・山形戦で鈴木淳監督にサイドバックの位置で起点となることを求められて左サイドバックで交代出場。その際のプレーを評価されての神戸戦でのスタメン出場だったが、6月13日に高橋選手がまず口にしたのは守備面の反省だった。
「攻撃よりも2失点したのが問題です。昨季の千葉は失点が少なかったのに今季は失点が多くなっているので、そこに目を向けていかないといけないと思います」
とはいえ、今季の千葉は前線からの連動した守備が機能せず、相手にゴール前まで攻め込まれることが多い。その点に関しても高橋選手は自分がやるべきことに目を向けていた。
「でも、それは前の選手だけの問題ではないので。後ろの選手の声かけも重要で、プレスに行く時はしっかり行くというようにやっていかないといけないと思います」。
前半は苦戦した神戸戦は後半に二度のビハインドを追いついて2−2の引き分けだった。
「後半は全体的にスペースができていたので。前半はシュートが少なかった(公式記録ではゼロ)というのがあって、そういう時に1本打つだけでも変わってくると思います」
そう話した高橋選手は以前、昨季からの課題としてアシストや得点などの攻撃面で結果を残すことをあげていた。攻撃への意識をたずねると、高橋選手はキッパリとこう言った。
「ゴールは狙っています。結果を求めていくためにも、横浜FC戦に出ることがあったら狙っていきたいと思います」
ちなみに高橋選手のプロ初ゴールは2009年のJ1リーグ戦の第28節・千葉戦で、1月19日には「他の人からも言われて『ああ、そうだった』という感じだったんですけど、僕は千葉と縁があるのかなぁと思います(笑)」と言っていた。現在は不慣れな左サイドバックでの出場が続いているが、攻守に奮闘して結果を出すことで使命を果たせるはずだ。
以上
2013.06.14 Reported by 赤沼圭子
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