第16節・岐阜戦の試合前に、恒例の「クリーンアップレベルファイブスタジアム」が行われた。「アビスパ福岡が福岡にあることが当たり前じゃなく、感謝の気持ちを表現する一つの手段」として、ホームスタジアムであるレベルファイブスタジアム清掃活動を行うもので、アビスパ福岡サポーター有志で作るクリーンアップレベスタ企画運営事務局が主催し、アビスパ福岡共催、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに町の清掃活動を行っているNPOグリーンバード協力のもと行われるもので、今年で11回目を迎えた。
参加は自由。試合前に、レプリカユニフォームやチームカラーであるネイビーブルーのシャツを着たサポーターが、三々五々集まってきては、軍手・ビニール袋(レジ袋やゴミ袋など)・火ばさみを受け取って、レベルファイブスタジアム周辺の住宅街へ向かう。中には、アビスパ福岡・大塚唯史社長や下田功専務の顔も見える。時間は約1時間。集めてきたゴミを分別して作業を終えた。
それにしても、毎回思うのは、どこにこれだけのものがあるのだろうと思うほどのゴミが集まること。一見、きれいに見える街並みも、駐車場の隅や生垣の中などに、いろんなものが落ちている。集めてきたものの中には「なんでこんなものが」と思うようなものもあり、改めてモラルを考えさせられる。そして、喫煙者として恥ずかしいのがタバコの吸い殻の多いこと。禁煙活動の広がりから喫煙ルールが問われて久しいが、あいも変わらずポイ捨ての多い現実に悲しくもなる。
同時に、清掃活動は自分たちが住む街をきれいにしようという啓蒙活動だけではなく、自分自身を見つめ直す機会にもなるのだなとも思う。誰もが自分自身の常識に沿って普段の生活を営んでいる。しかし、ふと自分の行動を振り返れば、それが他人にとっては迷惑な行為につながることもあるということに気づく。ゴミのポイ捨てを肯定する気などさらさらないが、1人1人が、自分以外の人を、ほんの少しだけ気遣うことの大切さを改めて知らされる。
そして、アビスパ福岡が町にあるのは、単にスポーツが持つすばらしさを伝えることだけにあるのではないことも考える。Jリーグが目指すものは幸せな町づくり。それをサッカーというスポーツをツールにして行っているに過ぎない。そういう観点で見れば、もっと、もっと、多くの場所にアビスパ福岡が出ていくことができるし、もっと、もっと多くの場所に出ていかなければいけないとも感じる。もちろん活動の主戦場がサッカーにあることに変わりはないが、同時に自分たちが住む町を幸せなものにするために何ができるのかを考える必要が、もっとあるのではないかと考えた1日だった。
以上
2013.06.10 Reported by 中倉一志
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