一滴、一滴が海になる。
イタリアのお洒落な格言を引いたのは、日本代表を率いるアルベルト・ザッケローニ監督。要約すれば、こうなる。たとえ小さなことでも積み重ねれば、それがやがて大きな成果になる。海なし県の栃木でその言葉が最も相応しいのは、プロ4年目の生え抜き杉本真である。
昨日の福岡戦では先制弾となるヘディングシュートを豪快に突き刺し、早くも今季3ゴール目をマーク。キャリアハイの4ゴールを更新する日も、そう遠くはないだろう。
164cmの小柄な体格を利したペナルティエリア内でのポジショニングは抜群で、シュートセンスにも光るものがある。動き出しの質や嗅覚などは多分に生まれ持ったものだろうが、そこに胡坐をかくことなく、常に己の感覚を磨いていることが杉本の支えとなっている。全体練習後には必ずシュート練習を行う。その姿は、栃木の練習場では日常の風景だ。どんなことに重点を置いて居残り練習に取り組んでいるのか。そう問うと、「ゴールを決めることです(笑)」とおどけた後に、杉本はこう語った。
「試合と同じシチュエーションは作れないと思うんですよ。ですから、自分がイメージした所に止めて、蹴ることを心掛けていています。試合では相手がいるし、緊張感もあるし、プレッシャーも練習とは違います。その状況で自分がイメージしたプレーを、自然とやるための練習だと捉えています。意識しているのは、やっぱり自分のイメージですね」
基本を疎かにせず、常に試合を想定し、感覚を研ぎ澄ましてイメージを膨らませる。それらが、ここ数試合の好調の要因であると言うのだ。練習で杉本がシュートを外す場面はほとんどない。高い集中力と冷静さが、決定力を高めてもいる。
結果を出しても驕ることなく、サッカーに対して真摯に向き合う姿勢が、杉本の原動力となっている。これからも努力を惜しまず、杉本は“小さな巨人”であり続ける。
以上
2013.06.09 Reported by 大塚秀毅
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