待ちに待った、名門G大阪との試合が、北九州のホーム本城陸上競技場で行われた。入場者数は、7,207人と大台には乗らなかったものの、スタジアムの周りはキックオフ前から、まるでお祭りでもあるかの様な、大変な賑わいを見せていた。
それは、昨年同じ様な観客数を集めた福岡とのダービーとは違って、先輩格であるクラブと、それを支えるサポーターに、一種のリスペクトを感じさせた北九州のクラブとサポーターと、それに恥じないG大阪のエンブレムの誇りが、試合の格調を高めてくれ、キックオフが待ち遠しくさえ感じた。
スタメンは、両チームとも前節と同じ。ホームの北九州は出来るだけゼロで抑え、後半勝負。アウェイのG大阪は、どこが相手でも変わらない攻撃的なスタイルで、前半から勝負を決めるという、両極端なチームスタイルでキックオフされたが、G大阪の倉田秋が格の違いを見せつける様なゴールで、開始5分で先制点を上げる。試合開始から、高いポジションに位置していた右SBの加地亮がクロスを上げると、一度はクリアされるが、味方が競り合ったこぼれ球を拾った倉田が、ドリブルで中へ切れ込み左足を振り抜く。ボールは吸い込まれる様に、ゴール左上隅に突き刺さるビューティフルゴールが決まった。
まだ始まったばかりで、本城に詰め掛けた多くの観客も呆気に取られてしまう程の得点だったが、この早過ぎたゴールが、両チームにとって足かせになってしまった。先取点を挙げた倉田も「1点取った後は、チーム全体が安心してしまった」と、前節栃木戦と同様に、早い時間帯に得点を挙げた事で、変に気の緩みが出てしまったのか、レアンドロがその4分後に訪れた決定的なシュートを外すと、ミドルレンジからのシュートは多く放ったが、北九州ゴールを割る事は無かった。
追い掛ける立場のはずの北九州も、これ以上失点をしたく無い姿勢が見え、攻撃に人数を掛ける事が出来ず、淡白な攻撃でG大阪守備陣に怖さを出せなかった。それでもG大阪は、家長昭博が中盤の底まで下がって、余裕のあるボール回しを続ける攻撃と、前線からの早い、そして厳しいチェックで、北九州に攻撃のリズムを作らせる事無かったのは、ここ4試合で2失点と、G大阪の守備陣の安定感が随所に光っていた。
ホームで、4月7日の愛媛戦以来、勝利が遠ざかっている北九州は、後半は前からのプレスを強め、G大阪に圧力を掛ける。ベンチに置いていた攻撃の切り札、内藤洋平、柿本健太、キムドンフィを次々に投入し、同点、さらに逆転を狙ったが同点ゴールが遠く、1−0でG大阪が勝利した。
「危ない場面も何回かあったと思いますが、ディフェンスラインはよく集中して最後まで対応してくれた」と、長谷川健太監督は守備陣を讃え、SBの藤春廣輝も、「今は最後の所で凌いで勝ち切るっていう事が出来ている。こういう所を続けて行ければ勝点は積んでいけると思います」と、一定の評価をチームに示し、次節以降も勝ち切る事が、チームにとって大切だと語っていた。
これでG大阪は5連勝を飾り、神戸が引き分けた事で単独首位に躍り出た。ここからG大阪が独走体制に入るのか、次節以降の戦いに注目が集まる。敗れた北九州は、後半の勢いが少しでも前半に出ていれば、また変わった展開になっていたかもしれない。次節もホームで熊本と対戦。今季ここまで2試合勝利の無い「バトルオブ九州」の一戦だが、2年連続九州の覇者としてのプライドを、次節は見せて貰いたい。
以上
2013.06.09 Reported by 坂本真
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