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【J1:第9節 広島 vs 柏】プレビュー:この2年間、常に点を取り合い、諦めずに闘い抜いて名勝負を演じてきた広島と柏。名勝負必至。(13.05.28)

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柏レイソルというチームが、どれほど脅威なのか。当然、誰もが分かっているはずである。
第13節の浦和戦2−6第12節C大阪戦1−3という結果を見て、そして11位という現状を見ているだけでは、本質はわからない。レアンドロ・ドミンゲス不在?彼らはかつて、こういった危機を何度も乗り越えてきた。それは対広島戦だけを見ても、2011年10月22日の闘いでは3−1と逆転勝利。2012年10月20日の試合でも、柏はアディショナルタイムに放った増嶋竜也のゴールで広島を2−1と突き放した。レアンドロ・ドミンゲスの欠場をチーム全体でカバーし、なおかつネルシーニョ監督の局地戦を乗り切る好采配。実際、ACLの対全北現代戦では、全員の奮闘で攻撃のエース不在を乗り越え、勝利を飾っている。
ACLを含めたハードな6連戦の最後が中2日、エディオンスタジアム広島でのアウェイ戦。しかし「柏の疲れはピークだろう」という考えは甘い。広島・森保一監督は言う。
「例えば今季の大宮戦は、我々の方が有利な日程でしたが敗戦。昨年、アウェイの柏戦では逆に我々が中2日で柏が中4日という状況だったにも関わらず、勝利できたのはこちらだった。体力的に不利な状況だったり、あるいは前節に大敗したチームは、そのネガティブな状況を跳ね返そうと大きなエネルギーを発散してくるものです」

一方の広島は、ポジティブな材料が多い。難しい昇格組との対戦で3連勝。得点も取れている上に相手にチャンスもほとんど与えていない。怪我人も次々と戦線復帰を果たし、例えば開幕時のレギュラーだった清水航平が負傷から戻ってきたにも関わらず、なかなかチャンスを得られないほど戦力も充実してきた。エース・佐藤寿人は12試合9得点と得点王を獲得した昨年とペースが変わらない。塩谷司や水本裕貴など最終ラインの攻撃参加も輝きを見せ、ここに来て広島らしい「全員攻撃」ぶりがピッチの中で表現できるようになってきた。
だが「好事魔多し」ということわざは、いつも広島にまとわりつく。優勝した昨年も、広島は一度も4連勝ができなかった。鹿島・F東京・G大阪と強豪相手に快勝劇を続けながら、昇格1年目の鳥栖に敗戦。神戸・札幌・C大阪と3試合で10得点を爆発させながら、3連敗中だった大宮にホームで0-0。仙台の首位決戦に競り勝ち、名古屋・鳥栖と上位対決を制したのに、横浜FMに0-0。広島の4連勝は2009年第22節大分戦〜25節横浜FM戦まで遡らなければならない。
昨年の例を考えてみれば、全て徹底した広島対策を講じてきた相手に連勝を止められている。森崎和幸と千葉和彦という最後尾の選手にマンマークをつけた鳥栖。1トップ2シャドーだけでなく、ボランチやストッパーにまで監視役を付けた大宮。そして横浜FMも自陣に引いてスペースを与えない闘いを表現した。
柏・ネルシーニョ監督もまた、昨年の広島ビッグアーチ(現エディオンスタジアム広島)での闘いでは、広島用の特別な策を講じてきた。森脇良太(現浦和)にジョルジ・ワグネル、水本裕貴に工藤壮人を付ける。攻撃の切り札を広島のストッパーにマンマークさせるという徹底ぶり。守備優先の闘い方であってもカウンターの切っ先を鋭く持てる自信があるからこその戦術構成で、実際にその策は見事にはまって広島を打ち破った。

今節は果たして、どういう闘いを見せるのか。前節の大敗を受け、まず守備から入って広島の良さを徹底して消しにくるのか。それとも、敢えて攻撃的に出て先制点を奪いに出るのか。「彼らの出方はわからない。ネルシーニョ監督の頭の中にのみ、答えはある」とは佐藤寿人の言葉。これまで何度も、広島は知将の采配に煮え湯を飲まされてきた。柏がJ1に戻ってきた2011年以降、広島は1勝3敗。ホームでは2連敗を喫している。4試合中3試合で先制しているのに、2度は逆転負け。唯一の勝利も0-2から一度は同点に追いつかれた。ペースを握りかけても、そこでいつも、主導権を奪い返されている。今季のFUJI XEROX SUPER CUPでは勝利したが、「あの時とは全く違うチーム」と塩谷は警戒する。
ただ、10年連続二桁得点まであと1点。Jリーグ史上に燦然とその名前を残す偉大な11番=佐藤寿人は「相手がどうくるかを考えるより大切なのは、自分たちがどう闘うかということ」と語る。為すべきことはただ一つ、広島のサッカーをやりきることのみ。柏とネルシーニョ監督の存在に臆することなく、堂々たる決意の下に闘うことのみだ。
この2年間、両者が相見えたリーグ戦4試合において、広島は9得点、柏は10得点を記録。どちらかが先制しても必ず同点に追いつき、さらに必ず決着がつく。名勝負必至の好カード、見逃す手はない。

以上

2013.05.28 Reported by 中野和也
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