●影山雅永監督（岡山）：
「このすごい雨の中、8500人もの方々に背中を押してもらえてことは、我々にとって勇気になりました。ありがとうございました。今日は岡山市民デーだったからというわけではないですが、選手たちがたくましくなってきている。状況に対応して、質を上げて毎週戦えているということは、質の高い練習場で毎日積めていることと切り離して考えられないことですので、改めて岡山の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
ゲームは前半、もっと奪いに出て、そこから前に運ぶことをしたかったんですが、逆に徳島がそういう狙いのサッカーだった。構えて、我々が網にかかってカウンターにさらされるシーンが何度かあり、我々は付き合ってしまわずに、間を置いてしまったようなディフェンスになってしまいましたので、それが膠着といいますか、動きのない前半になってしまった要因じゃないかと思います。後半、自分たちで取りに行くんだぞと、それによってもっともっと前に運んでいくんだぞと選手たちと話しまして、後半始まってからは、そういったことをピッチの上で表現してくれたのではないかと思います。
最初の1点目を取れたことは我々にとって大きかったと思います。徳島はメンバー表を見ても、それぞれのポジションが怖かったですね。能力の高い選手が最後まで点を取りに来たところ、本当に怖かったです。足を滑らせたところから決定的なピンチが1つありましたが、前節に続いて粘り強い守備ができたこと、さらに、粘っていた守備のところから突き放すのが遅かったことは玉にきずですが、2点目を取って突き放すことができたのは今までにない勝ち方なのかなと思います。これをポジティブに捉えて、来週に繋げたいと思います」

Q：前日、迷われていたと言われていた右ワイドで、田中奏一選手が先発の意図は。
「いくつかオプションの中で当然考えていましたが、膠着状態に合わせて彼の良さも2回くらいしか出せなかったかなと思いました。後半に入って、チームと個人のパフォーマンスは切り離して考えられないですよね。後半に入ってからはワイドで受けて、クロスに近い部分、攻撃的な高い位置で取ることができたんじゃないかと思っています。リズムが良かった時にチームとして突き放したい気持ちがあったので、攻撃的カードを早めに切ったということです。彼のパフォーマンスは後半に入って向上したと思っています」

Q：前半はかなり、監督の怒声が聞こえていましたが、この試合にかける思いが強かったのでしょうか。
「毎週、毎週と同じです。1試合1試合が大事なので。もっとやれるだろうという要求はしました」

Q：三村真選手について、采配が当たったことについて。
「半分当たり、半分外れたというのが正しい表現かもしれないですね。彼にとって初得点ですので、これによって色々な、自分の中のもやもやとしたものがスパークした状態に彼自身がなればと思います。ひとつ前の段階でカウンターにすることができたと想います。それを逃した。彼自身が一番よくわかっているところですが、そういったところはもっと向上させることが出来ると思います」

Q：スタメンをとりきれていない１〜2年目の選手たちがたくさんいますが、今日の三村選手のゴールが刺激になるでしょうか。
「スタメンに定着している選手はいないかもしれないですね。チームは生き物、調子がいいと思った瞬間に落ちていく準備が始まっていますし、前の試合は良くなかったと言うとき、危機感を感じて這い上がるパワーが出ているところもありますし、生きものだと思うんですね。その中で活躍できるかどうか。日頃から良い準備をしていて、出た時に、『やってやる』と、ぴたっと合わせられるかどうか、そこも含めてサッカー選手は何度も壁を乗り越えてなんぼだと思うんですよね。だから三村真にとって、昨年はチャンスを生かし切れなかった。今日は最後に生かした。これをどう未来に続けているかは本人次第だと思います。我々はもちろんサポートはしますが、期待して見守りたいと想います」

Q：20周年のＪリーグ、今日も雨の中で8500人が来て、岡山がサッカーのある街になりつつあることについて。
「非常にいい形になって育っているんじゃないかと思います。この中に身を置いていることをうれしく感じられます。みなさんの声援があり、それによっていいパフォーマンスを出し、それによって客席とピッチが一体化して戦えるスタジアム、街。Ｊリーグのクラブは数多くありますが、カンスタほどのものはなかなかないと思っています。もっと活躍、声援がひとつとなって、さらにそれが文化になるような存在になれるよう、我々も努力を続けたいと思っています」

以上