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【J2:第6節 東京V vs 岐阜】レポート:初の複数ゴールで東京Vが待望の今季初白星。1点が遠かった岐阜は、またしても初得点&初勝利はお預けに。(13.04.01)

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勝ち星数だけみれば「開幕5戦未勝利」と、同じ状況で迎えたこの試合だったが、終わってみれば、東京Vと岐阜それぞれの現時点でのチーム状況の差が色濃く表れることとなった。

東京Vは、三浦泰年監督の“準備”が試合開始早々から結実した。前半3分、福井諒司からのクロスを相手DFが跳ね返した高めのこぼれ球を、高原直泰が豪快に左足で叩き込んだ。「チームとして前半でこのゲームを決めようという気持ちで入っていた。そういう気持ちの面で、自分もそういうシュートを打てたと思います」実は、高原が語った言葉には、さまざまな要素が凝縮されていたようだ。
前節、前半のみで交代を言い渡した高原に対し、水曜日に行われた練習試合(3月27日)の前に指揮官は「FWというのは、『自分が最初から決めてやるぞ』という気持ちやスプリントの数などは必要なんじゃないか。極端に言えば、前半で『もうやれない』というぐらいで初めて、後半も必要だと思えるもの。『後半もまだできたのに』という言葉が出るようであれば、やはり前半で交代だ」と、伝えたという。すると、その後の練習試合からエースは即実行し、2得点。そしてこの試合でも、試合開始から出し惜しむことなく躍動し、貴重な先制ゴールへとつながった。

また、チーム全体に対しても、三浦監督は「この試合の重要性、立ち上がりが重要なポイントであるということを、この1週間の準備期間では一切選手には伝えないで、ここへ来る前のミーティングで初めてその話をした」と、最重要ポイントを伝えるタイミングに変化をつけたという。そこには、これまでの5試合は「『そういうことが大事』、ということを(トレーニングの段階から)意識づけてやってきた。でもひとつ、もしかしたら本番で薄れる可能性があるのかな?と思ったので、今週はそれを言わないでトレーニングを続けてきた」との意図があったことを明かす。

試合前、戦闘スイッチの入ったところで「立ち上がりが重要」だと伝えられた選手たちは、高原の先制点で気持ちがより高まると、1点では決して満足せず、前半17分常盤聡が左サイドのペナルティエリアぎりぎりの位置から「狙ってました」。技ありのループシュートで右横ネットを揺らした。さらに同35分には、飯尾一慶が1対1で相手DFをフェイントで完全に交わし超絶クロス。それを西紀寛がダイレクトで見事に合わせ、岐阜の戦意を奪った。「どういう言葉を使うと彼らが頭の中でしっかり整理して、私と選手間でできている“目指すサッカー観”が体現できるのかを、自分はすごく意識してここまでやってきました」。新チーム始動日から、キャンプを経て、開幕6試合目。監督、選手たちがそれぞれ懸命に積み上げてきたものが、ようやくリンクし“勝利”という結果として表すことができた。

それでも、「もっと自分の形でゴールがしたかった。2点目、3点目と取れなかったことが反省です」(常盤)、「あれだけチャンスがくるという試合はそう何回もあるわけではないので、しっかりと決めたかったです」(小池純輝)と、攻撃陣の満足度はまだまだ低い。また、三浦監督も「1点ですからね、今日。彼であれば、きっとこれで満足しているわけがない。もっとチームを楽に、または、終盤戦に向けて必要な得点が取れたと考えていると思います」と、高原に対する高い要求を口にしている。当の高原も、「後半ももっと良いサッカーをして、来てくれているサポーターに楽しんで帰ってもらわないと、自分たちがサッカーをしている意味がない」と、チームとしても個人としても無得点に終わった後半の拙攻を、今後へ向け重く受け止めていた。

それでも、やはり『1勝』した後のミックスゾーンに流れる雰囲気は、これまでと比にならないぐらい和やかだった。次節はアウェイでのG大阪戦。優勝候補との一戦を前に、発展途上の自分たちのサッカーに自信が持てたことは大きな収穫となった。

一方、岐阜は服部年宏の復帰によって3ボランチという新しい試みで挑んだが、残念ながら思うように機能しなかった。「15分まで0−0でいけていれば、苦しみながらでも何とか対処の仕方はあったかもしれないけど、立ち上がりの失点、そして2点目が痛かった。それ以前の問題という感じです」さすがの服部も、「実力差がはっきり出た試合」と、完敗を認めざるを得なかった。
また、この試合も得点を奪うことができなかったことについて、攻撃陣を代表して美尾敦は「チーム的な問題というよりも、個々の部分をそれぞれ追求していく必要がある。何かを変えなければ」と、危機感と一人一人の意識改革の必要性を強く強調した。結果こそ出ていないが、「徐々にできてきたこともあった。それを、“偶然”ではなく、自分たちの力で意図した形としてできるようにしたい」(美尾)。

試合後、気温8度という寒さの中、声援を送り続けた岐阜のゴール裏からは「絶対に諦めるな!」「ガンバレ〜!!」という、温かく心強い声がしきりに選手たちに送られていた。「支えてくれる人たちのためにも、最後、笑えるようにあきらめないで続けていくしかない」。そんな選手たちの顔を見て、「また気持ちを引き締めてみんなでやろうという気持ちになりました」(行徳浩二監督)。次節こそ、初勝利を目指す。

以上

2013.04.01 Reported by 上岡真里江
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