●安間貴義監督（富山）：

「まずはじめに、この熊本の地まで応援に駆けつけてくださったサポーターの皆さん、ありがとうございました。なんとか、皆さんの後押しで勝点を取って帰ることができたこと、たいへん感謝しています。
試合の方ですが、今年ボールを動かすことにトライしていて、すごくいろんなものが見え始めてきています。その中で、初めから変化を求めて１テンポ変えてみたりとか、ノールックでやってみたりとか、奪った後の次のパスでどうしてもミスが起きて、前半苦しい展開になってしまったことが課題かなと思います。ただ、今年のチームは、それをハーフタイムに指摘した時に、しっかりとリズムを変えてもう一回ゲームに入って行けるところ、すごく成長しているんじゃないかと思います。
ディフェンスに関しても、やはり高さがないので、向こうが大きい選手を揃えてきても、エリア内に入れさせないように前線からしっかりとコンパクトに、前と後ろが意思疎通しながらディフェンスできたことも良かったと思います。
ただ、もう1点追加点を取っていかないとこのチームは勝てないと思いますので、そこはもっとトライしていきたいですし、同点にされたあと、もう一回行く時に、しっかりと決定機を、朝日もそうですし（木本）敬介もそうだし（木村）勝太もそうだし、しっかりと決められるチャンスがある時は、決めるだけのトレーニングをしていかなくてはいけないかなと思います。
ただ、本当に選手に感謝したいのは、ここ最近は（富山を）出てくる時は６℃くらいしかなかったんですが、どんどん気温が上がって20℃近くなっても、そういう気候のことを何も言わずに、最後までゴールを目指してくれた姿は、次の試合につながっていくのかなと思います。
昨年、このＪリーグでやれる喜びをしっかりと味わっているので、そういう部分を知った彼らの今後が楽しみだと思います」

Q：得点シーンはカウンターからでしたが、攻撃に関しては裏を狙うというのがあったんでしょうか？
「僕らは、『ゲームを尊重しろ』という言い方をしています。実際に、熊本が前からくる時はディフェンスラインにギャップが生まれるわけですし、ディフェンスラインが高くなります。そしたら、ディフェンスラインが上がったということはそこがアタッキングエリアになるわけで、『ディフェンスラインは常に生き物だ』という話をしています。それを見ながらサッカーをしろと。なので、来るんだったらそこを使いながら、狙って実際に点を取ってきてますし、これは何回も形で表しています。ただ、向こうが足が止まってゴール前に張った時、例えば最後のところは細かく細かくつなぎながら、しっかりと決定機を作ってます。それは両方できるように準備しているので、両方対応できるように見れているんじゃないかと思います。それは日頃から彼らが、どこがチャンスでどこがピンチだというトレーニングを積んでいるからこそ、そうなっているわけで、それもひとつの彼らの成長かなと思っています」

Q：先ほど、奪った後の次のパスでミスが多かったという話で、前半と後半で攻守ともに良くなったかと思いますが、具体的にハーフタイムで修正されたことは何でしょうか？
「前半を見て、いろいろ言いたいこともありますけど、１つを修正すると３つぐらい直ることがあって、僕はそこを見つけながら、最初に失った瞬間を修正したら、しっかりとアタッキングエリアまでつながっていくので、まずそこだけを言いました。ただ、攻めのことを言うとどうしてもイケイケになってしまうので、向こうもディフェンスラインに対してダイレクトでまず狙ってましたし、アーリークロスが抜けてくるだけの片山君の技術もあります。よく、『一発を狙ってくる』とか『これだけ』とかディフェンスは言いますけど、僕らは『それを狙われてるんだぞ』と。その考え方ですごく変わってくると思うので、本当に１歩１歩の修正までしてくれたから、攻めにも行けたんだなと思います」

Q：御厨選手が前半で替えざるを得なくなってことの影響は何かあったでしょうか？
「もちろん、ミク（御厨）に関しては京都戦もそうですし、すごくディフェンスラインをコントロールできますし、スピードもあり高さもあって、彼がいなくなるのは痛いです。ですが吉井が入ったことによってさらにポゼッションも上がってきますし、僕らのようなチームはあるもので答を出さなきゃいけないので、ないものを嘆いてもしょうがないのかなと思います。今も黒部もいないし足助もいないし、（キム）ヨングンも今日はいなかったし、それをネガティブに考える選手はいないし、そういうチームではないので、大丈夫です」

以上