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【ヤマザキナビスコカップ 名古屋 vs C大阪】プレビュー:絶好調・C大阪を迎え撃つ一戦で、名古屋が選ぶのは継続か、はたまたローテーションか。3年ぶりのヤマザキナビスコカップ予選リーグはスタメンから注目(13.03.19)

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こなた戦術とシステム、用兵が噛み合わず、リーグ開幕3戦目でようやく初勝利を得た名古屋。
かなた若きタレントたちが組織的に絡み合い、開幕3連勝と最高のスタートを切ったC大阪。
リーグ開幕からの2週間あまり、実に対照的な戦いを展開してきた両チームによるヤマザキナビスコカップ予選リーグ初戦は、名古屋の用兵策がまずは注目点になる。ストイコビッチ監督がチームの現状をどのように捉え、上昇へのきっかけをいかにしてつかもうとしているかが、そこから判断できるからだ。

名古屋がヤマザキナビスコカップの予選リーグを戦うのは、2010年以来となる。前2シーズンはAFCチャンピオンズリーグがあったため、予選は不参加だった。2010年、あるいは2008年の戦いぶりを振り返れば、ストイコビッチ監督はヨーロッパの指揮官らしくカップ戦には若手を積極起用する傾向がある。数名の主力には休養を与え、若手に試合経験を積ませつつ、予選突破をしたたかに狙う采配をふるってきた。このことを前提にし、かつチームが置かれた現状を考えてみる。重要なのは、いまチームは「リーグ3節で昇格組の甲府から辛くも勝利をつかみ、自信を少し取り戻しつつある状態」という点だ。

一つ目の考え方は、名古屋はいいきっかけを作ったメンバーで続けて試合をし、この流れをさらに増幅すべきだということになる。シーズン序盤で体力的には全員が連戦に耐えうるコンディションにあるため、チームに生まれた良い勢いは継続した方が得策に思える。しかしその一方で、次戦は中2日でしかも鳥栖でのアウェイゲームである。ここでは少なからずメンバーを入れ替えざるを得ない。次週のリーグ4節に対して1週間のスパンという理想的な調整期間を作れることを考えれば、C大阪戦はメンバーを入れ替え、鳥栖戦に主力と目される11人を投入することが妥当にも思える。今この瞬間の流れを重視するか、あくまでリーグ戦へのコンディショニングを優先するか。指揮官の勝負師としての判断が、この日のメンバーからは読み取れるはずだ。

悩み多き名古屋に対し、C大阪はシンプルな考えで臨める強みがある。レヴィー クルピ監督はブラジルへ一時帰国しているものの、チームとしては選手のコンディションを見て、試合メンバーを選べばいいからだ。現状でチームは戦術的にもシステム的、そして試合結果的にも理想通りの戦いを重ねてきている。エース柿谷曜一朗が開幕から2試合、今季は3シャドーの一角を務める山口螢が2節から2試合連続ゴールを決め、新戦力の新井場徹もDFラインでさすがの働きを見せている。新外国人エジノを試合でフィットさせつつ、杉本健勇と併用したりと用兵の巧みさも健在。さらにはユース出身の高卒ルーキー南野拓実がスタメンで力を発揮するなどすべてがプラス方向に循環している。この状況ならば、ローテーション策がむしろ有効だと思えるほどだ。まだ見ぬ若い才能に、実戦経験を積ませる場として捉えてくるかもしれない。

さて、名古屋がどのようなメンバーで、どのようなフォーメーションで臨んでくるか全くの未知数なため、試合展開の予想はやや難易度が高いものとなる。田中マルクス闘莉王は欠場が濃厚なため、増川隆洋が回復しなければ前戦のヒーロー・本多勇喜のスタメンはほぼ当確と見ていいが、パートナーに誰をチョイスするか、あるいは3バックに戻るのか。同じく大卒ルーキーの牟田雄祐にチャンスを与えるかどうかでもその選択は変わってくる。若手の積極起用があるとするならば、U−19日本代表にも選ばれた高卒新人の望月嶺臣や、2年目の田鍋陵太あたりがチャンスを得るだろう。そうなれば戦術的な動きはある程度制限されることを覚悟しなければならない。誰が入っても同じシステムを稼働させられるC大阪に対して劣勢となることは必至で、指揮官の決断はそういった意味でも試合展開を左右する重要なファクターとなる。

いずれにせよ名古屋がC大阪に後手を踏むことは想定内として考えておくのが、ここまでの成績からしても妥当といえる。ポゼッションに優れ、機を見たカウンターにも鋭さのある相手に対し、名古屋がどれだけ対抗できるのか。特にダニルソン欠場となった場合には、自陣のボール回収役を誰が受け持つか、またその任務をどこまでこなせるかは勝敗を握るポイントにもなりそうだ。いまだ理想的な形を見いだせない攻撃面については特効薬はない。DFラインとボランチがどれだけうまくビルドアップし、前線の核たる選手に良い形でパスを供給できるか。選手のアイデアを尊重する今のやり方の中では、いかに前線に多くの選択肢を用意し、気持ちよくプレーさせるかが処方箋になる。逆にC大阪は得意のプレッシングで名古屋の中盤を制圧すれば、主導権を確保し優位に立つことができるだろう。

名古屋は今季初の聖地・瑞穂陸上競技場でのホームゲームだけに、勝利は何が何でも欲しいもの。相手が絶好調のC大阪ならば、不振脱出の足掛かりとしても申し分ない。今季2つ目の“開幕戦”を勝利で飾り、2013年シーズン序盤の仕切り直しといきたいところだ。

以上

2013.03.19 Reported by 今井雄一朗
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