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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第3節 松本 vs 熊本】レポート:敵地で躍動した熊本が吉田新監督に初勝利贈呈! そして、お互いに齊藤和樹の“覚醒”と、パク・カンイルの“デビュー”という収穫あり。(13.03.18)

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昨季の第29節にアルウィンで齊藤和樹を初めて生で見た時、そのパワフルな動きとポストプレーに活目したことを覚えている。北嶋秀朗の負傷により出番が回ってきた形だが、2トップを組んだ武富孝介との相性は良かった。武富もディフェンスラインの背後を突く動きで度々松本守備陣を苦しめていたが、その活躍の陰には囮役たる齊藤の影働きがあったからこそ、だろう。確かにフィニッシュの精度に欠け、ゴールは遠かった。フォワードの仕事は点をとることで、その部分ではマイナス評価をせざるを得なかったが、前線で良くボールを収めた齊藤の動きは及第点だったことを覚えている。

吉田靖監督も、齊藤には「得点をとる力がある。武富はいなくなりましたが、今年は彼が点を取ってくれれば」と攻撃の軸として大きな期待をかけていた様子がうかがえる。結果、2得点。まず先制点は、左サイドを駆け上がった片山奨典の鋭いクロスに反応してのヘディングゴール。これは松本の守備陣が「あの瞬間だけフリーにさせてしまった」(白井裕人)という部分も大きかったが、90分間に何度も訪れないエアポケットのような隙を突いたことについて賞賛したい。そして79分の追加点は、右サイドの大迫希のクロスにファビオが反応。飯田真輝と川鍋良祐が連れられるがこれは囮の動き。ボールがスルーされた先にいたのは齊藤。右足一閃、ゴールネットに突き刺さった。
先制点でチームを楽にし、追加点で突き放す。フォワードとして文句のつけようのない結果である。さらに前線からの守備やくさび役などもきっちりとこなすなどその他のプレーも悪くなく、まさに今日の殊勲者であった。ひょっとしたら松本は、熊本の今後の躍進を担う大型フォワードを“覚醒”させてしまったのかも――。そんな予感すら頭を過ぎる。ともあれ、敵地で躍動した熊本が吉田監督に『Jリーグ初勝利』を贈呈。しかし、これで終わっては男が廃る。特に齊藤は「次もあるので、コンスタントに点を取ってほしい」と指揮官も期待を寄せているだけに、ここで一皮むけるかどうか。ポテンシャルは十分に見せたが継続して結果を残すことは難しい。この先もそれが出来るようになれば、熊本の上位進出の可能性はアップする。

松本にとってはこの時期特有のアルウィンの強風には悩まされたことは事実。両チームがボールコントロールに苦しみながらも、早い段階でボールが繋がり始めた熊本に対し、松本はボールを簡単に失うなど最後まで流れを掌握出来なかったことが苦戦の要因だった。後半はやや取り戻してCKで得点機を見出すも結局ゴールは遠く、最後の最後で得点の匂いも漂ったが、ここは熊本の決死の守りを崩すことが出来なかった。
待ちに待ったホーム開幕戦。12959人の入場者を記録し、2005シーズンからの累計入場者数も50万人を突破するという記念すべき日だった。ただ、勝負とは残酷なもので勝つこともあれば負けることもある。事実、松本も相手が勝たなければいけない試合の時に限って大差で勝ったりして、「空気読めよ」なんて思われる結果を出したことは幾度かあるが、それはもう恨みっこなしである。誰だって負けようとは思っておらず、熊本の勝利に拍手すると共に、この敗戦を次節以降の糧とするしかない。

そんななかで収穫を見出すなら、80分から投入されたパク・カンイルに一定の目処が立ったところだろう。投入直前に追加点を奪われ、2点ビハインドという厳しい展開。つい下を向きがちになる状況だが、後半アディショナルタイムに、キッカーとして玉林睦実のゴールをアシスト。デビュー戦ながら結果を出した。選手層の底上げこそ、チーム力アップの一番の近道。その意味では「高い授業料を払った」と苦笑いする反町康治監督にも、それだけの見返りはあった負け試合だったと言えるだろう。

以上

2013.03.18 Reported by 多岐太宿
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