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【J1:第3節 湘南 vs 清水】レポート:ともに“初ゴール”が刻まれた両者。勝点1は次への足がかり(13.03.17)

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先に相手ゴールに迫ったのは、アウェイの清水だった。「ミスマッチを有効に使いたかった」とアフシン ゴトビ監督が明かしたとおり、過去2戦からシステムを4−2−3−1に変更し、ロングボールを多用して左サイドに入ったバレーと湘南DF宇佐美宏和とのマッチアップを数多くつくる。押し込んだ先でセットプレーも重ね、10分過ぎにはゴール前に攻め残っていた村松大輔が決定機を迎えもした。「守備は悪くなかったと思うが、村松選手に持ち込まれたシーンはその前のポジショニングがよくなかった。まだ隙があると思うので、さらにコミュニケーションを図っていきたい」宇佐美はのちに振り返っている。

予想以上に長いボールを蹴ってきたと、相手の印象を口々に語った湘南だが、前節の鳥栖戦の経験も活きていよう、総じて冷静に対処していた。そしてすかさず、反撃に出る。21分、GK阿部伸行のゴールキックからキリノが前線で競り勝ち、菊池大介が巧みに収める。前を向いた菊池のクロスを引き出したのは、今季初先発の武富孝介だ。「前を向いたときにちょうどいいタイミングでタケくんが動き出していた」と菊池が語れば、殊勲の武富は「大介からいいボールが来た。振り切ったのがよかったと思う」と振り返る。武富は敵の裏を盗るや右足を一閃、強烈なシュートがニア上を捉えた。

ファーストシュートで先制した湘南は、単調にも映る清水の攻撃に対してチャレンジとカバーを徹底し、時を追うごとに安定感を強めた。前半アディショナルタイムにはクリアのこぼれ球から清水が決定機を迎えるも、瀬沼優司のシュートは枠を捉えきれない。
後半に入っても湘南が前向きにリズムをつくるなかで、しかし清水の前線からの圧力が風向きを変え始める。再び敵陣へと押し込み、さらに高木俊幸を投入してバレーと瀬沼の2トップにシステムを変えたことで、重心はより前へと傾いた。八反田康平の得点シーンは、ゴール前での攻防が増して間もない。「こぼれたところは狙っていくという指示があった。かたちは違ったが、ペナルティーエリアのなかにこぼれてくると信じて走るようにはしていた」。63分、吉田豊のフィードにGK阿部が反応するも、八反田が言葉通りこぼれ球を押し込む。

同点になって以後、湘南はクォン ハンジンの投入とともにシステムを4バックに変更し、相手の2トップに対処した。加えてアンカーのハン グギョンがセカンドボールをケアし、守備の安定から反撃を目指す。終盤には梶川諒太と古橋達弥がパスを繋ぐなど途中出場の2人が決定機をお膳立てもした。島村毅の退場により10人となってもなお追加点を奪うべく前に出た。かたや清水もクロスからゴール前の勝負に再三持ち込み、途中出場の伊藤翔が強烈なヘッドを叩き込む。だがともに2度目のゴールは割れず、ドローで決着した。

湘南の先制点の折、まるで懐の刃を抜くかのように瞬時に敵の背後を奪った武富の動きと決定力は、先発の理由をしかと裏付けていた。加えてニアサイドへダイアゴナルに駆け抜けた永木亮太の動き、また別のシーンでも同様に、それぞれがボールに係わり動き出すことでパスの選択肢は増していた。ゴール前に4人がなだれ込んだシーンとあわせて、決定機の創出という鯉口を切るための日々の研鑽は、3試合連続得点という結果にも表れている。

その湘南は武富のJ1初得点によって、清水もまた八反田のJ初得点によりゴールを奪い、ともに勝点1を分け合った。勝利には届かぬも、両者ともに前向きな内容をピッチに示す。来週開幕するヤマザキナビスコカップを経て、戦いのさらなる充実を図りたい。

以上

2013.03.17 Reported by 隈元大吾
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