J1復帰後、初勝利を目指す大分は出足から快調だった。この試合で「素早い攻守の切り替え」がポイントであった大分は、GKからビルドアップする浦和の攻撃に対し、立ち上がりから激しくプレスをかける。前線では高松大樹、西弘則が追い回し、中盤に入ってくるパスを丸谷拓也と木村祐志がチェック。タイトな寄せでミスを誘い、こぼれ球をアンカーの宮沢正史が拾って浦和を自陣に押し込んでいった。
そして迎えた開始早々の3分、宮沢からペナルティエリア内に走り込む西にパスが渡り、相手を引きつけバックパス。それを木村がファーサイドにクロスを上げ、高松が頭で合わせバーに当たるも、跳ね返りを丸谷が押し込み先制する。開幕から3試合連続で先制した大分にとって、ここからどう追加点を奪うかが課題であった。しかし、この日は難問を軽々とクリアした。2分後に、GK加藤順大にプレッシャーをかけ、丸谷のパスカットから高松が、一度フェイクを入れる落ち着いたプレーでゴールに流し込み2点のリードを奪った。
誰も予想できなかったこの展開に、面食らったのは大分であった。「2点取ってから流れが悪くなった」と高松が感じたように、浦和の柏木陽介も「相手が守りに入ったので攻撃的なプレーができた」と流れを読み取り、エンジンをかける。すると8分に森脇良太のフィードに原口元気が抜け、しっかりゴールを揺らし1点差とする。完全に流れは浦和へと移り、「チャンスを作り、相手を圧倒し、上回った」(ペトロヴィッチ監督)。
「今日は後ろから質の高い攻撃参加がポイントだった」と槙野智章が明かしたように、最後尾から攻撃参加する浦和の攻撃は、大分より全て一枚上手だった。「技術、パワー、スピードについていくのが、いっぱいいっぱいだった」と田坂監督が認めざるを得なかった。42分には、柏木のスルーパスから左サイドを駆け上がった宇賀神友弥がマイナスのクロスを上げると、ゴール前に複数人が駆け上がり、原口元気の絶妙なスルーでボールを受けた阿部勇樹が、しっかりゴール右下にコントロールしたシュートを決め同点に追いついた。
振り出しに戻った後半は、浦和の独壇場だった。多彩な攻撃で大分を翻弄する。ただ、自陣ゴール前でブロックを作った大分の懸命な守備と、開幕から2戦で幾度となくスーパーセーブで窮地を救った大分の守護神・丹野研太の神がかりな好セーブもあり、逆転ゴールは生まれなかった。
両指揮官は、「試合展開からいえば勝点3は欲しかったが、勝点1をよく取った」(田坂監督)、「リードされて、試合を立ち直らせ、同点に追いつけた。多くの決定的シーンもつくれた。引き分けはネガティブなことではない」(ペトロヴィッチ監督)と選手を称え、勝点1を得たことに満足の様子だった。
大分は先制してからの試合運び、浦和は試合の入りと互いに課題がくっきり浮かび上がった一戦でもあった。
以上
2013.03.17 Reported by 柚野真也
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