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【J2:第3節 福岡 vs 京都】プレビュー:強豪・京都に真っ向勝負を挑む福岡。我らか聖地レベルファイブスタジアムで勝利の雄たけびを挙げるのは福岡以外にない。(13.03.17)

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「誰もが、どこかで、必ず、初めてのことを経験するもの。我々にとってはチャンスだと言える」。
地元メディアから、福岡が開幕3連勝をしたことがないことを伝えられると、プシュニク監督はニヤリと笑って答えた。そして、選手たちも一様に同じ反応を見せる。口にするのは「じゃあ3連勝しよう」という言葉。考えようによってはネガティブな情報でもあるのだが、チームは過去の歴史を変えることの方に楽しみを感じている。それも、チーム状態に手応えを感じているからなのだろう。対戦相手はJ2では強豪の呼び名の高い京都。だが、臆する気持ちは微塵もない。

開幕2連勝で2013シーズンをスタートさせた福岡だが、その内容が素晴らしかったわけではない。いずれの試合も紙一重の試合。全く違った結果になっていたとしてもおかしくはなかった。しかし、その2試合で勝ちを収めたのは「ハードワークに徹する」というサッカーの原点を貫き通したから。チームがひとつになってボールを追い、カバーし合い、そして体を張っているからに他ならない。戦術のベースになっているのは、高い位置からのプレッシングと、相手を複数で囲い込んでボールを奪う連動性、そして、前への高い意識。特に、意図した形でボールを奪えるシーンが増えてきたことがチーム粘り強さをもたらしている。そういう意味では、2連勝は意図して奪った勝利。その手応えが、チームの勢いをさらに前向きのものにしている。相手がどこであれ、自分たちの状態がどうであれ、目指すサッカーを、監督、コーチ、チームスタッフ、そして25人のメンバー全員で求め続けるだけ。チームはその想いで統一されている。

とはいえ、レベルファイブスタジアムに迎える京都はJ2屈指の強豪。2011年度の天皇杯では、J1の強豪を破って決勝戦に進出。昨シーズンでのJ1昇格はならなかったが、終盤まで昇格レースを牽引していたのも京都だった。そして、大木武監督体制になってから3年目を迎えるチームは、成熟度という点で言えば、福岡を上回っていることは否定しようがない。福岡にとっては、簡単な試合ではないことは確かだ。つけいる隙があるとすれば、昨シーズンのリーグ終盤や、今シーズンのここまでの2戦で見せたように、時折見せる詰めの甘さか。それでも「J2のベストチームのひとつ。間違いなく上位に入ってくるチーム」とプシュニク監督が話すように、京都が今シーズンのリーグ戦の中心にいることは間違いない。
その戦い方には「局地戦」という言葉が似合う。まず高い位置からのプレッシングで相手を狭いエリアへ押し込むと、ボールサイドに人数をかけて密集を作り、高い技術を駆使して、狭いエリアを小気味よいパスワークで抜け出してチャンスを作る。分かっていても止められない。それが京都の強さでもある。

注目を集めるのは、その京都に対して福岡がどのような戦いを挑むかというところだ。前への推進力を最大限に活かして戦うという意味では、福岡と京都は似た者同士。真っ向勝負を挑んでぶつかり合うのか。それとも、京都の攻撃力を警戒して守備重視の戦い方を見せるのか。福岡サポーターならずとも興味深いところだろう。しかしながら、京都にスペースと時間を与えれば好きなようにやられるのは自明。逆に言えば、狭い地域でのパスワークは、プレッシングサッカーを志向する福岡にとって的が絞りやすいという利点もある。おそらく、福岡が選択するのは真っ向勝負だ。「中途半端に行けば相手に打開されてチャンスを作られる。全員で球際をしっかりと戦って、前から自分たちでアクションを起こして戦いたい」(神山竜一)と言うように、自分たちの特長をぶつける構えでいる。その中で「戦術と実践のバランスを取って戦うのが自分のスタイル」と話すプシュニク監督が、どのようなエッセンスをチームに加えるのかが興味深い。

いずれにせよ、「向こうがこちらのプレスを破るのか。こちらが京都の攻撃を阻止するのか」(岡田隆)という試合は、激しいものになることは必至。局面でのあと一歩や、1対1で負けない気持ちの強さなど、僅かなところでの差が試合の行方を大きく左右することになる。そんな試合を、福岡はスタジアム一体となって戦いたい。プシュニク監督が目指すサッカーは、福岡に関わる全ての人たちの力を結集させるというのも大きな要素。苦しい時間帯をスタジアム全体のパワーで乗り切った山形戦と同じ空気を作り出したい。たとえ、どのような強豪チームが乗り込んでこようとも、福岡の聖地・レベルファイブスタジアムで勝利の雄たけびを挙げるのは、福岡以外にはない。

以上

2013.03.16 Reported by 中倉一志
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