リーグ開幕2連勝を目指して今季ホーム初戦で名古屋を迎え撃つ浦和だが、選手たちは自信を漲らせている。名古屋は組織的に守るというよりも突出した個の能力で相手を抑えにいく傾向が強く、コンパクトにしてスペースを消すという意識も高くないので、浦和の選手たちが共通理解として持っている“三人目の動き”をうまく使えばパスは回るという手応えがある。
昨季はホームとアウェイで連勝。特にリーグ最終戦のホームゲームでは内容的にも納得できるパフォーマンスを示した。「ボール回していく中でスペースが空いてくる。自分たちがやりたいサッカーができる印象があるし、いいイメージしかない」と槙野智章が話せば、柏木陽介も「うちにとってはやりやすいタイプのチーム。負ける気はしていない」と胸を張る。
浦和は2月26日に行われたACLでは広州恒大に0−3と完敗を喫したが、4日後に迎えた広島戦は2─1で勝利。悔しい敗戦から素早く気持ちを切り替え、内容的にも手応えのある出来を見せた。ただ、昨年の浦和はいい試合をした次の試合でコロッとやられてしまうケースが何度かあっただけに、快勝の後こそ気を引き締める必要がある。槙野も「それは自分たちも受け止めている。でも去年までのレッズの話。今までのレッズの不名誉な記録、結果、内容はすべてなくして新しい歴史を刻もうと話をしている」と語気を強める。昨年の嫌なパターンを繰り返す気はない。
ホーム開幕戦を人一倍楽しみにしている男もいる。「アウェイのチームだったけど楽しみに乗り込んできていた。これだけの素晴らしいスタジアムが日本にあるのは幸せなこと。早くピッチに立ちたい」。広島から今季新加入した森脇良太は埼スタデビューを心待ちにしている。森脇にとって今回の名古屋戦は34分の1ではない。「長いシーズンの1試合という捉え方もあるけど、ホーム開幕は大事な試合。一発目の試合で勝ってたくさんの人と喜びを分かち合いたい」と意気込んだ。
対戦相手となる名古屋はシーズンスタートから苦しいやり繰りを強いられている。腰の手術を受けた攻撃の大黒柱ケネディは開幕に間に合わず、けがを抱えながら強行出場していたという田中マルクス闘莉王も試合途中に負傷退場。浦和戦では攻守のキーマンを欠く可能性が出ている。
キャンプから取り組んできたという3−4−2−1の布陣も開幕戦ではうまく機能しなかった。サイドのスペースやバイタルエリアを磐田に突かれ、同じく3バックの新布陣で臨んできた相手に主導権を握られていた。途中から4バックに変更した名古屋だったが、パフォーマンスが改善したという印象はなかった。開幕戦のレポートにもあるように苦しい内容の試合だった。
ただ、名古屋の強さはチームとしていい流れをうまく作り出せない時でも個の力でチャンスを生み出せるところにある。クロスからヘッドというシンプルな攻撃の形でもフィニッシュまで持っていける高さと強さを備えており、相手は「分かっていても止められない」という問題に直面する。新加入の矢野貴章が高さで存在感を示していただけに、浦和は警戒を怠るべきではない。
一発で状況を変えられるセットプレーの破壊力も名古屋の武器だ。磐田戦でもシンプルな攻撃とセットプレーからチャンスを作っていただけに、槙野も「セットプレーとクロスは強い」と警鐘を鳴らす。浦和としては森脇が「デカくて強くて外国人選手が何人もいるのか思うくらい」と驚くフィジカルの差から競り合いで劣勢を強いられたとしても、自由には飛ばせないといったような工夫が求められる。
浦和は試行錯誤の段階にある名古屋を叩いて、3日後にホームで行われるACLのムアントン戦に向けて弾みを付けたいところ。名古屋は昨年の借りを返す意味でも浦和に勝って、仕切り直しといきたいはずだ。
以上
2013.03.08 Reported by 神谷正明
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