磐田は新戦力・伊野波雅彦、チョン ウヨンが揃って先発。キャンプで取り組んできた新布陣[3-5-2]でこの試合に臨んだ。対する清水もバレー、イ ミンスの2人の新戦力がスターティングメンバーに名を連ね、こちらもキャンプで継続的に行ってきた[4-3-3]を敷いた。
先制したのは清水。試合開始直後の7分、石毛秀樹が右サイドでボールを受け、ドリブル突破。マッチアップした磐田・藤田義明を巧みにかわし、いい位置でFKを得る。キッカーは李記帝。得意の左足でライナー性のボールを入れると、これをニアサイドのバレーが頭で合わせる。このシュートを一度は磐田・川口能活に防がれたものの、こぼれ球に反応したボランチ・村松大輔が右足で落ち着いて押し込み、先制。
村松の先制弾につながるヘディングシュートを放ったバレーは1トップを担当。結果的にゴールこそ決められなかったが、この試合で両チーム通じて最多のシュート4本を打ち、積極的にゴールを狙った。決定機にも絡んだ。39分には石毛、高木俊幸とつないだボールをゴール正面で受けてシュートを打ち、53分、さらに試合終了間際の88分にはクロスボールに体ごと飛び込むなど要所でパワフルなプレーを見せた。
また、先制点につながるFKを獲得した石毛も随所に光るプレーを見せた。右ウイングで先発。磐田の守りの前にコンスタントにボールに絡むことはできなかったが、39分には敵陣でボールを奪取してチャンスを作り、後半も50分、53分、60分と立て続けにゴール前で決定機に絡んだ。昨季高校生ながら清水とプロ契約を締結しており、その意味では“ルーキー”ではないが、フレッシュなパワーをチームに与えうる期待の若手選手であることは間違いない。
3ボランチの一角を担ったイミンスも及第点の出来。終盤には石毛に代えて大卒ルーキー・瀬沼優司を投入し、バレーとの2トップにシフト。追加点を奪うことはできなかったが、アフシンゴトビ監督に「システム面で様々試した。瀬沼は常にエネルギーをしっかりと出してくれる選手。努力してさらによくなっていくと思う」と期待を寄せられている。
対する磐田の新戦力である伊野波、チョンは「チームとしての戦い方をさらに深めていかなければいけない」(駒野友一)というチーム事情もあり、連係面も含めまだ完全にフィットしきれていない印象。共に献身的なプレーで守備の安定には貢献したが、ビルドアップのコンビネーションなど攻撃面はさらに向上させることができるはず。「今日課題が出たし、さらに話し合いながらやっていきたい」とポジティブにゲームを振り返ったのは伊野波。「スタートダッシュをするためには開幕までの残りの期間が大事。得点が取れていないので、そのあたりも修正していいスタートが切れればと思う」と来月の開幕に備える。
以上
2013.02.17 Reported by 南間健治
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