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【2012Jユースカップ G大阪 vs 札幌】レポート:中原彰吾がハットでJユース制覇に花を添える。札幌、そして北海道にとって初の全国制覇!(12.12.25)

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「すーすきのへ行こう♪みんなで行こう♪」と、札幌サポーターが喜びの歌を唄い、選手と喜びを分かち合う。ここ大阪長居スタジアムから札幌まで、1,000キロ以上の距離がある。高校生がすすきのへ遊びに行くのも、教育的にはよろしくない。しかしこの際そんなことはどうでもいい。コンサドーレ札幌U-18が勝ったのだ!
サポーターたちは「カンピオーネ♪」のチャントに移る。“カンピオーネ”はチャンピオンを意味するイタリア語で、この曲は優勝を祝う歌として定番だ。ただ道産子が全国舞台でこの歌を唄うのは、初めてのことだったに違いない。札幌ユースにとって初優勝となるJユースカップだが、そもそも小中高と年代を問わず、北海道勢がサッカーで全国を制したのはこの大会が初めてだ。昨年の札幌U-18、3年前の札幌U-15など決勝には何度も進んでいるが、“あと1勝”の壁を突破できていない。選手を一つにした「歴史を変える」という言葉は、決して大げさなモノでなかった。コンサドーレ札幌U-18が、北海道の歴史にその名を刻んだ。

決して楽な戦いではなかった。札幌はトップ昇格の決まっている大型CB・永坂勇人が、警告の累積により決勝戦は不在。また同じく昇格の決まっているMF深井一希も、今大会の決勝トーナメントは膝のボルトを外す手術を優先して一度も出場していない。更に2日前の広島戦で、札幌は高円宮杯を3連覇している強敵と、110分間の死闘を繰り広げた。地元・札幌は降雪の影響があり、1ヶ月近く外でボールを蹴れない状況というハンデもある。

札幌にとってそれ以上のピンチは、ガンバ大阪ユースの先制点だった。今日の札幌は序盤から果敢なプレッシングを見せ、ボールを奪えば持ち味の技巧を発揮。4分、7分とシュートを放ち、19分にCKから中原彰吾のヘッドがバーを叩くなど、押し気味に試合を運んでいた。しかし31分、G大阪は徳永裕大の左CKから、出岡大輝がDFのクリアを拾って左足でミドルを打ち込む。札幌は相手の初シュートで先制を許してしまった。

しかしその10分後、G大阪に痛恨のプレーが出る。G大阪のDFは堀米悠斗の右CKを弾き、前寛之のミドルもGKがブロック。更に内山裕貴がこぼれ球から狙ったシュートは、DFがギリギリの枠内カバーで凌ぐ。しかし“その次”のルーズボールを堀米と競り合った内田裕斗のタックルが、ファウルとなり、札幌にペナルティキックが与えられる。内田は一発レッドで退場し、G大阪は10人の戦いを強いられることとなった。札幌は42分、中原がこのPKを決めて同点に追いつく。スコアこそ1−1だが、札幌は数的優位の状態で前半を折り返すことになった。

札幌は後半に入ると、更なる攻勢に出る。主役は中原だった。まず48分、堀米のラストパスから枠を捉える決定的シュート。更に50分、中原は相手のパスをカットするとボールを運んで縦に当て、足を止めずにFW國分将をサポートする。「将が足元で詰まりそうだった。こぼれてくればいいと思って…」という狙いが奏功し、足元に絶好のチャンスボールが入ってくる。中原は右足のミドルを流し込み、札幌が2−1と勝ち越した。

今大会は際立っていたG大阪の堅守だが、10人で札幌を封じるのは難しい。札幌はボールを存分に運び、仕掛けた。札幌は後半だけで14本のシュートを放っている。札幌は46分から起用されていた今大会の“スーパーサブ”下田康太が67分、中原の右クロスからボレーを合わせ、4試合連続となるゴールを決める。69分にも、下田のスルーパスから國分が抜け出し“トドメ”に近い4点目が入った。
更に85分、札幌は右サイドバック小野能寛の攻撃参加から、クロスボールを下田がエリア右に落とす。中原がこれを決め、20度目となるJユースカップ決勝で初のハットトリックを達成。そして5−1で、試合は終了の笛を迎えた。

選手だけの力ではなかった。「全国各地にいつも足を運んで応援してくれて、トップチームで戦うような環境を作り出してくれる」(四方田修平監督)というサポーターは、今日も地元・G大阪を凌ぐほどの人数、声だった。
ただしサポーターが札幌の優勝を称えるコールを送り、決勝の前には練習場を札幌に提供したG大阪も“グッド・ルーザー”に違いない。夏のクラブユース選手権以降は、Jユースカップの準決勝まで公式戦無敗。来季の高円宮杯U-18プレミアリーグウエスト昇格を決め、この大会は準優勝という成果も出した。G大阪のユースは昇格者こそゼロだったが、収穫の少なくない1年だったはずである。

コンサドーレ札幌U-18は今年の5名に続いて、来年も6名がトップに昇格する。堀米悠斗主将が「これからが本当の勝負」と語るとおり、彼らの次の目標はトップチーム出場とJ1復帰だ。

以上
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