●西野朗監督（神戸）：
「全体的には守備的な戦いにならざるを得なかったゲームだったですけれど。全員が執着心を持って、集中して、一つのボール、一人の選手に対してハードワークして戦えたなというのはあります。前節５失点して、まずそこは真摯にディフェンスの修正はしなくてはいけない。その中で一人一人の力は限られているし、全体をコンパクトな距離感をもちながらその中でハードワークしていく、ハードワークできる力はヴィッセルにはある。それを大きな力にしていく、一人の力を生かしていく、そういう意識の中では準備はできていたと思う。ただ、それからどう攻撃に、単調なカウンターではなくて、コレクティブな人を掛けた中での速い攻めが有効、動きだし、勇気を出して飛び出していく、いいディフェンスの中に、いい攻撃がある。そこをつなげていく意識は、多少カウンター気味になりましたけれど、今のヴィッセルでやれる最高のパフォーマンスだと思います。本当に選手がこのコンディションで、あのレッズが相手。ポゼッションの非常に高いチームなので、必要にボールにアプローチしていく中でのディフェンスが勝因かなと思っています」

Q:小川選手のポジションがDFラインに吸収されていたシーンがあったが、浦和への対応だったのでしょうか？
「前半からレッズは右サイドの平川にロングフィードが入って相馬と１対１になったり、左よりも右サイドにそういう展開が多かったので、あまり前に前にディフェンス掛かるよりは、後ろの平川に対して２対１の形を作る、相馬が対応した時にサポートに入れる距離を少し意識して。どうしてもあいつの場合は直線的なディフェンスしかできないので、前にいる選手に対して行きがちなので、少し後ろを見ろという中で、ああいうポジショニングになってしまったんですけれど、ハーフタイムには言いましたけれど、極端にDFラインに吸収してディフェンスする必要はないと。逆にやっぱりボールサイドに人をかけたり、平川をそのままポジションさせておいてボールサイドに入っていく、まぁでもまだその辺は起用ではないので（笑）。でも、それでロングボールが少なくなったり、レッズのショートパスが多くなってディフェンスがしやすくなったのも、あいつのポジショニングが良かったのかなと思いますけれど。でも、攻撃にはどうしても遠くなってしまいますので。あそこまで深くポジショニングしろとは言ってないんですけれど、相馬にも少しコーチングされて、落ちていたのかも知れませんし。やっぱりあそこのサイドからのロングボールから起点を作られてという形が多かったので、あの辺をケアしたのはしたんですけど、少しズレがあったようにも思います」

Q:平川選手のところを空けて、相馬選手を柏木選手につけてというのを意図的にやっているように見えましたが？
「そんな意図的なことはできないですよね。やっぱり相馬も中に対してのディフェンス、少し人に付き過ぎているので、まぁ途中でもラインをコントロールしてオフサイド取れる時は取ったりだとか。中間守備で中をケアしながら外にアプローチ行ける距離を取らないといけないし、決して空けていいということでは無いんですけれど。どうしても前の小川と野沢のポジショニングが変わってスムーズになっていなかったりだとか、小川自体も少し前目に入っているところもあったので。あの辺、慌てないでいいポジションから出て来たところに対する数的優位をもう少し距離感を短くしながら取れればいいなとは思っていました。ああいうワイドな攻撃はケアしていたことなので、中が崩されていないので、あそこにサイドからクロスが入ってもそう怖くはないと思っていたので。中がつり出されて、センターバックがそれに対応していく形ではなかったので、それは少し時間が掛かったけれど２列目が対応できたのは良かったと思います」

Q:得点シーンのように相手３バックの裏を効果的に狙ったのか？
「意図は、３バックというよりは時間を掛けてしまえば５バックになったり、なかなかスペースが見つからないので、その前に守備から攻撃に移った時に、そういうスペースをもう少し早めに使って起点を作るのは一つの狙いだった。大久保にはそういうフリーランで抜けてポイントを作るということを言いました。時間が掛かったらサイドからクロスボールも色々と工夫したり、慌てずにポゼッションしたり。あの場面は少しショートカウンター気味になったんですが、野沢とのアイコンタクトでいいプレーだったと思いますけれど。大久保も今日はああいうプレーを考えていたと思います」

以上