◆東京ヴェルディU-16　3-0　Senrab Lions（イングランド）

2連勝で迎えたグループリーグ最終戦。グループ1の首位をほほ手中に収めた状態だったが、「この試合も相手に合わせることなく、あくまで自分たちがファイナルまで行くことをイメージして戦うことを意識させた」と菅原智コーチが語った様に、これまでの2戦と同じスタメンで、緊張感を持ってこの一戦に臨んだ。
しかし、立ち上がりは相手のブロックディフェンスに手を焼き、思うようにパスを繋げない。全体的にテンポが落ち、足元へのパスが多くなり、トラップミスや相手の守備網に引っかかる場面が多く見られた。10分にはカウンターから相手MFをフリーにしてしまい、スルーパスを通され、相手FWにシュートを打たれた。これはオフサイドに助けられたが、今大会で初めてのピンチだった。

だが、これで目が覚めたのか、ようやくチームのエンジンがかかり出す。14分にMF三竿健斗のパスからMF田代蓮太、FW室町仁紀とつなぎ、室町が思い切りよくシュート。これはGKのファインセーブに阻まれるが、流れるようなパスワークによる崩しだった。そして17分、FW安在達弥の右からの折り返しを受けたMF神山泰一が、強烈なミドルシュートを放つ。これはバーを叩くが、こぼれ球をMF井上潮音が拾い、再び神山へ。神山の放ったシュートは、今度はネットに突き刺さり、東京ヴェルディU-16が先制に成功する。
1-0で迎えた32分に田代に代えてFW太田伶を投入。すると直後の35分、井上から神山へとつなぎ、神山が右サイドの安在に展開。安在のグラウンダーのセンタリングを、太田がニアで合わせて追加点を奪う。終了間際の48分には、神山の突破がPKを誘い、これを神山自らが冷静に決めて3-0。試合を決定づけた。

3-0と3試合連続の完封勝利で、堂々のグループ1の首位通過を決めた東京ヴェルディU-16。すべて点差をつけての勝利だったが、選手たちに慢心はない。
「相手がボールを持っていた時に、DFラインで誰がチャレンジしに行くのか、一瞬曖昧になってしまった。それで自分が行ったら、簡単に裏を取られてしまった。オフサイドに助けられましたが、あれはたまたまオフサイドだったので、そこは反省です」（DF小田島怜）。
「これからはもっと判断スピード、プレーのスピードを高めて行かないと、きつい戦いになってきます。なので、早くもっと慣れて、チームに貢献したい」（井上）。

明日からいよいよ決勝トーナメント。試合後、次なる戦いに気を引き締める、頼もしき選手たちの姿が印象的であった。

以上


2012.07.18 Reported by 安藤隆人