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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第24節 岐阜 vs 富山】レポート:下位対決は選手とサポーターが心をひとつにした激しい攻め合いに。富山2度リードするも岐阜が追い付きドロー。(12.07.16)

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岐阜と富山の「TOP OF北アルプス」第4戦は長良川競技場に今季最多の6313人を集めた。降格制度が導入された中での下位対決というシチュエーションも、選手、サポーターの気持ちを高ぶらせ、最初から最後まで白熱した雰囲気でゲームが進んだ。雨の影響で地面が緩くスリップする選手が続出し、ミスも散見された。しかし、両者のゴールを目指す姿勢からは、それを補って余りある強い意志と執念が感じられた。
富山の安間貴義監督は「勝ちたかった」としながらも、「この順位にいるチーム同士だと堅いゲームになることが多いのに互いによく攻めてゴール前のシーンが多く、勝ちたい気持ちを出していた。面白いゲームだった」と両チームの選手に敬意を表した。

岐阜はリーグ序盤戦以来となる、ボランチに橋本卓が入り佐藤洸一と井上平がツートップを組む[4-4-2]の布陣。対する富山は前節に続き[3-6-1(3-5-1-1)]。MF朝日大輔が今季初出場・初先発を果たした。
立ち上がりから岐阜が勢いよく攻め込んだ。
しかし8分、富山がワンチャンスを生かして先制する。MF木村勝太が中央からの鋭いシュートでゴール左隅を射抜いた。ラストパスを出したのは左サイドの競り合いでボールを奪った朝日。約半年のリハビリを乗り越えて復帰したベテランが早くも存在感を示した。
このゴールが岐阜の闘志をさらに燃え上がらせたのかもしれない。めげることなく攻勢を続けた。佐藤のポストプレーを軸に縦に推進力のある攻めでチャンスを立て続けに創出。観客から手拍子が起こり、この時点でスタジアムのムードは試合終盤のよう。12分にはCKから惜しい場面をつくり、26分には左からのアーリークロスに服部年宏が飛び込んだ。

富山は30分前後からプレスが機能するようになり、カウンターで相手ゴールに迫るシーンが多くなる。39分にMF山瀬幸宏のミドルがクロスバーを直撃。43分には岐阜のシュートのこぼれ球から一気に切り返してMFソ・ヨンドクがシュートを放った。しかし、逆にカウンターから得点を挙げたのは岐阜だった。前掛かりになってがら空きとなった富山の中央を突進して佐藤から左のMF染矢一樹へ。折り返しを佐藤が押し込み追い付いた。

後半は3分に富山がソのミドルシュートが決まって再びリードするが、岐阜も同18分にMF樋口寛規のミドルシュートでまた同点とした。
「富山の中盤が空いていた。そこから決めてくれた」と岐阜の行徳浩二監督。富山は布陣を[3-4-2-1]に変えてマーキングをはっきりさせ、前からのプレスを立て直そうとしていたが、相手に押し込まれて失点した。直前にDFが緩いピッチに足をとられるアンラッキーもあった。MF谷田悠介は「またスローインが起点でやられてしまった。もったいない」と悔しがった。
その後は岐阜ペースで進んだ。富山にも少ないながら好機があり、FW平野甲斐がサポーターに合図して声援での後押しを求める場面もあった。決着はつかなかったが、ピッチとスタンドが一体となって盛り上がったゲームだった。

両チームとも1試合に複数の得点を挙げたのは久しぶり。
岐阜は開幕戦以来で23試合ぶり。行徳監督は「橋本が入ってボールが収まり、ポゼッション率が高まって攻撃する時間が長かった」。ひとつの戦い方として目途がついたことは今後にとってプラスになる。富山は4月22日の第9節以来で15試合ぶり。朝日が復帰してパスワークにリズム感を与え、裏への抜け出しなど彼らしいプレーも随所にみせた。山瀬の調子も上がっているのが確認できた。これで3試合連続の引き分けで8戦勝ちなし。明るい材料を次に生かしたい。
しかし、せっかく2点とっても2失点してしまうのが両チームの弱さ。岐阜、富山、鳥取、町田で形成されている下位グループから抜け出すには、攻守ともに一層の研さんが求められる。

以上

2012.07.16 Reported by 赤壁逸朗
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