●ペトロヴィッチ監督（浦和）：

「鳥栖はこれまで全ての試合で際どい試合をしてきた。コンパクトで激しいサッカーをするチームなので、今日も厳しい試合になると思っていた。60分過ぎまでは我々のサッカーができるピッチだった。相手を上回っていたし、４−０のリードに値する内容だったと思うし、マルシオのパスから陽介が決めていれば５点リードの流れだった。残りの30分は天候の影響でピッチに水がたまり、サッカーをする環境ではなくなった。相手は高さを生かしてロングボールを蹴る、そういうサッカーに優位なコンディションになった。そういう機会をあまり与えてこなかったが、ああいう状況で相手の強さが出てしまって３失点となった。ベンチからボールを相手の裏に蹴れと、声が枯れるほど怒鳴っていたが、選手たちは後ろでつなぐことを続けていた。ただ、選手がそれを続けたことは十分理解できる。ここ６カ月間ずっと縦に蹴るなと言ってきたし、後ろからのポゼッションをやってきたので、私の指示はショックだったかもしれない。鳥栖戦を振り返ってみると、鳥栖にこれほど上回ったチームはなかったと思う。60分までですが。ああいったコンディションでどういう風に戦わないといけないか。それは今日の教訓を生かして、今後そういう試合がまたあれば、前に蹴り出すサッカーに切り替えないといけないということをやっていきたい。17節を振り返ると選手たちはよく戦ってくれている。今日は60分まで本当に素晴らしい戦いをしてくれた。我々の積み上げきたものが正しかったと示してくれた60分だった。サポーターにも感謝している。途中まではゲームを楽しんでくれたと思う」

Q:これまでは追加点が取れずに苦しんだが、今日はそれを乗り越えた感じがするか？
「だからこそ今日のゲームを喜んでいる。私の記憶に間違いがなければ、鳥栖は最も失点の少ないチーム。守備の堅い相手にムスーズな攻撃で得点を重ねることができた。これまでは２点目を取りにいく勇気が足りなかったが、今日は乗り越えることができた。ただ、それはプロセス。積み重ねてきたなかで、ようやく選手が乗り越えてくれた。サッカーは今日、明日で劇的に進歩することはない。積み重ねてここまできた。試合前に伝えたのは、今日のゲームがどうなろうと、まだまだやらないといけないことがあり、まだまだ厳しいゲームが続くと。今日勝っても、まだまだやっていかないといけないことはたくさんあると。今日の勝利でほんの少しだけ気持ちに余裕はできた。でも、それは火曜の練習前まで。２部練習でハードトレーニングをしないといけない。勝者のメンタリティーを少しずつ自分たちのものにしてくれている。このリーグは力が拮抗している。そのなかで８試合負けていないのは、我々がいい位置にある証だと思う。

Q:結果を出しながら成長させないといけないと話していたが、ここまでの成果には満足しているか？
「満足はしていない。サッカーでは決して満足してはいけない。ただ、やる方も見る方も現実を見失ってはいけない。去年、34節のポイントと今年の17節のポイントを比べて、満足していない、不満だというなら、それはチームに対して正しくないと言える。満足はしていないが、17節まではOKだったと思う。18節からのスタートに向けていいポジションにいる。ただ、改善しなければいけない点があるのは確かだ」

以上