●手倉森誠監督(仙台):
「Jリーグ再開、その先陣を切ったカードだった。(午後)1時半(キックオフ)で。ただ、札幌との戦いだけでなく、再開のインパクトをしっかりみんなで示そう、と。6月に入ってのカップ戦で、総合力と強さを示した状況の中で、継続してそれをやり続けることだと。今日のゲームは。『コレクティブに組織力をしっかり発揮することと、バランスを意識した戦いを90分やること、チーム状況で首位と最下位という図式の中で、彼らが持っている危機的な状況からのパワーというものには十分警戒するべきだ』という話をしました。だからこそ、オーガナイズを崩さずに、全員でサッカーをすることが大事だと。選手は90分間を通してそれを表現してくれたと思います。
前半は、本当にあの終了間際まで点を取れなかったのですけれど、今日はいつになくポゼッション、ボールを握るという部分で、相手の間をとるパスも速かったし、準備も早かったし、後半に十分効いてくるな、と。あそこで取れなくてもじれなかった選手達が、ゲームコントロールに対しての意識が相手より高かったな、と。
後半は相手の目の前でサッカーをやっていたところを、『もっとセンターバックを後ろ向きに走らせよう』と指示しました。つまりサイドバックとセンターバックの間をもっともっとはがしていけるように。『その先にはゴールが近づいてくる』という話をして、後半の立ち上がりからそういった攻撃をしてくれて、大量得点に結びついた攻撃ができたな、と思います。ただ、4-1と、1点を取られた、2点目を取った後のあのエアポケットの部分は、『勝って兜の緒を締めよ』という部分だととらえています。
今日は本当に、札幌のサポーターもすごく声が大きくて、逆にこの状況でもサポーターはエールを送っていることに感心したのですが、それ以上にベガルタの声の方が大きかったので心強かったです」
Q:後半に柳沢選手がゴールを決めたときに駆け寄って抱きしめられましたが、そのときには何か声をかけられたのですか?
「『正真正銘のゴールだな』と(笑)。1点目が彼のゴールになるのかはかなり微妙なところだったので、記録は彼のゴールになったので、ホッとしていますけれど、本当に間違いなくヤナギ(柳沢)のゴールだったので、『よかったな』という声をかけました」
Q: 口火を切った柳沢選手が2得点。彼の評価をお願いします。
「彼自身、JリーグヤマザキナビスコカップのC大阪戦では腰痛になって途中で退きましたけれど、その30分間のできというものは、非常にスピード感があって良かったな、と。週初めのトレーニングも、コントロールして入った中で、相手のギャップで受ける動きというものが、非常にトレーニングしながら良かったし、チームにスピード感をもたらしてくれていると思ったので、それをそのまま今日のゲームで発揮してくれたな、と思います。中原とヤナギのどちらかでいくか、というようなところで、まずはヤナギのそういったオフ・ザ・ボールのところで勝負をかけたぶん、『それぞれが点を取ってくれればいい』という話をしましたけれど、二人とも点を取ってくれたので、みんな好調だな、と思いました」
Q: 冒頭に『再開のインパクトを示そう』と言ったとのことですが、それは誰に向けてのものでしょうか。そのサッカーをファン全体に示そうという気持ちだったのか、ライバルたちに『俺たちは好調だよ』ということを示そうということだったのか?
「すべてですね。今、世の中は、ユーロ(ヨーロッパ選手権)と、日本代表とで、かなり盛り上がりました。そのなかでJリーグの首位を走っている我々がJリーグを盛り上げたい、と。ほかのチームはおそらく、ウチがこけてくれて混戦になることが盛り上がりにつなげるだろうと絶対に考えているはずだ、と。自分も、なぜ今日自分たちだけ1時半(キックオフ)だったのかはわかりませんけれども、ほかのチームも我々の結果は絶対に気にしているので、逆に見る時間があると思えば、我々の好調さを示すことで、これから試合するチームは『離されちゃいけない』という変な気負いも生まれるでしょうから、それはもう我々のアドバンテージになるな、と。
逆に今日、札幌だけのことを考えて試合をしてしまうと、我々も隙を与えかねないということで、そういう言い方をしました。本当に、いろいろなところを、視野を広くして戦ってくれた選手達が、本当にインパクトを与えてくれたと思いました」
Q:前半戦に得点のなかった柳沢選手と中原選手が得点したことで、後半戦に向けて意味のある活躍だったのでは?
「そうですね。ナビスコカップを並行して戦いながら『総合力を高めよう』と言っていて、それぞれがカップ戦で結果を残してきた。そしてヤナギがまた点を取った、ということで、今は誰が出ても、というところがチーム力だと思いますから。
我々もけが人が出ていますけれど、ほかのチームにもけが人は出ていますから。やり繰りの効いているチームが優勝争いには残っていくものだと思っていますし、そういう意味では、我々のチームの選手達の日頃からの自覚というものが結果になって現れて、報われていると思います。チーム内には正しい競争が発生しているし、一人ひとりの成長がチーム力の成長につながるというところだと思いますから、彼らの活躍がまたこのチームを高めてくれていると確信しています」
Q:柳沢選手に評価が集まると中原選手がかわいそうかとも思うのですが、彼の膝にメスを入れるときに「しっかり治せ」と言ったことは彼の復活にとって正しい判断だったといえるでしょうか?
「正しかったですね。やはり手術が前チームではあまり思わしくなくて、仙台に加入して期待に応えなければという焦りと、パフォーマンスが低下した部分もあったのですが、彼は日本サッカーを背負ってきた選手で、やはり日本の宝だな、と思っています。
彼のこれからのサッカー選手人生を考えたときに、僕はやはり花を咲かせたい、と。そうなったときに万全の体を準備させるべきだと思っていましたし、そうさせることで安心してプレーさせる環境が整えば彼はまた活躍すると思っていました。今は練習していても膝の痛みが全然出ないでやれているところに、彼の往年の切れが戻りつつあると思います。キャプテンでもありますし、彼の落ち着きがチームに限りなく落ち着きを与えているな、と感じています。
中原もそういったところで手術をして、去年はキャンプの期間をトレーニングできない歯痒さがありながら、それでも彼はルーキーで仙台に来て、J1のステージに這い上がってきたときに、J2でたくさん重要なゴールを決めてくれていたし、それがやはりフォア・ザ・チームというか、育ててもらったチームに恩を返したいという彼の気持ち、あとは新しく家族を持って守らなければいけないという状況で彼を成長させているし、彼は本当に落ち着いていて、出られなくても落ち着いて日々努力してくれていたし、そういった姿勢がナビスコカップでの2ゴールにつながって、今日のゴールにもつながっているんだなと思うし、今は本当にメンタルも充実しているし、彼もスタメンの一員だとあらためて思います」
Q:今日はポゼッションできていたということで、前半途中の30分過ぎからすごくそれで相手の足が止まりだしてきたように思います。相手を動かせるということは今後の夏場の戦いに向けてもかなり手ごたえになったんじゃないかと思いますがその点はいかがですか?
「本当に、動かして、札幌がディフェンディングサードに人数をかけたときに、若干ひるんだな、という感じがしました。やはりそれくらい自分たちのポゼッションも精度が上がってきているし、ただし、今日は本当に握った中でも点を取れなかった時間帯でじれずにバランスを意識して、取られたときのリスクマネジメントも取りながら、サッカーができたことが成長だったと思いますけれど、本当にその中でも、たまに長いボールとかダイナミックな展開も織りまぜていかなければいけないと感じています。ただし、今は高めているところで、そこにこだわってサッカーを選手達がやってくれたと思います。今日は夏場に向けていいシミュレーションができたと思います。あとは涼しかったことも良かったですね(笑)」
以上
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