●奥野僚右監督（山形）：
「今日は前半立ち上がりから、とにかくトップギアで入っていこうと、そういう話をしました。相手も本当にトップギアで入ってきたなかで、それ以上にこちらが球際のところであったり、ルーズボールであったり、セカンドボールも含めたところで自分たちの気持ちをプレーで見せることができた。攻める姿勢というものも今日はひとつ強調したわけですけれども、それは攻めるというのはどういうことかと言うと、姿勢であったり、心の態度であったり、それとともにそういう気持ちを持ちながら行動に移していくということを選手たちにやってもらいたいという思いを選手たちに伝えました。ですから、立ち上がりから、笛が鳴った瞬間から非常に緊迫したゲームにはなりましたけれども、とてもひとつひとつのプレーに思いがこもっている、意思があるというプレーができたのがとてもよかったんじゃないかなと思っております。そして1点取ったあと、またその攻める姿勢というものを継続した結果、追加点が生まれている。追加点が生まれて、あまり時間は記憶してないんですけれども、相手に1点取られたシーンがありました。後半11分ぐらいですかね。得点をした直後にまた取られるということもありましたけれども、非常に評価したい部分というのは、3点取った後でも自分たちの勢いを止めることなくボールを追いかけた。ただ少し、その追いかけることによって、少し予測で動き過ぎたというシーンから相手にスペースを与えて失点につながったと。どんなレベルであれ、どんなカテゴリーであれ、相手に隙をつくってはいけない。これからはそういうところも修正すると同時に、その勢いを消すことなく、バランスと勢いとアグレッシブさというものを平行して出せるようにしていきたいなと思います。

残念と言いますか、何と言いますか、相手選手に退場が出ました。出たことによってまた僕たちが初めて今年、公式戦で遭遇する形になりました。相手が一人少ない状態でのプレーを強いられる。そういう予行練習みたいなことはキャンプから少しずつやっておりましたけれども、実際、本番のシーンでそういうふうになったというところ、そして相手が一人少ない状態でも、自分たちがバランスを崩すことなく、相手に攻撃の機会を与える回数も少なく追加点を奪えたというところが、非常に評価できる部分であり、よかったなと思う点であります。そして結果として、本当に数多くシュートを打てたことは、自分たちがそういった人数のアドバンテージを得ながらも、ある一定のいい部分を表現できたんじゃないかなと思います。

またこれを機に、今日は今日でこの喜びというものを、本当につかの間ですが喜んで、そしてまた次の試合に向かって、明日からいい準備をして、次のゲームへ向けた取り組みをしていきたいなと思っております」

Q:今日、「トップギアで」という指示を出されたのは、先週の試合に敗れた流れでということですか?
「今日思いついたって感じなんですけれども、いつもミーティングではどういう話をしようかと考えるわけですけれども、今朝……昨日の夜ですかね。かけてあげられる言葉で、いったいどういう言葉が最適かというのをいつも考えてます。そういったなかで、そのセリフが出てきたと。ただそれだけなんですけどね(笑)。それは結局、今までの流れであったり、選手たちを日々、様子をうかがうなかでそう思ったというところです」

Q:その流れのなかで、今日はこれが最適だと思ったわけですね。
「それが言いたいことでしたね。伝えたいことでありました」

Q:特に先週負けたことを受けてということはありましたか?
「それはないですね。家族同様、いつも一緒にいるというか、長い時間をともに過ごしているわけですから、そういったときに改まってミーティングっていうのは声をかけたり、話をする場なんですけれども、改まって言うときには、やはりできる限りいいものを伝えたいなと思っています」

Q:前節負けてしまったわけですけれども、そういったところで意識したことはあったのか、こんなところが活かされたから今日の大量得点につながったというところはありますか?
「前節、負けた云々っていうのは、あまり何も僕たちはとらえてません。あくまでも、結果というものはしっかりと受け止めなきゃいけないわけですけれども、そこに至る過程の準備と今までの継続という部分がやっぱり重要なことであって、前節が終わった後に選手たちにも話しましたけれども、90分のホイッスルが鳴り終わったときの君たちの態度は、恥じることなく自分たちの力を出しきったうえでの結果だった。堂々と退場してきてくれたんですね。ですから、それに対しては何も、負けたから云々という結果によって何か左右されることなく、今週、この週末の試合に向かってきました。ですから、そのなかで当然、僕とかスタッフが思うこともありますし、サポーターが思うこともあります。選手それぞれ、一人一人が思うことっていうのは違うとは思いますけれども、方向っていうのは同じなんですね。ですから、自分たちが勝点3を目指すにあたって今日も最初から取り組んできたものを、今日の公式戦というところで表現したかったというのがすべてです」

Q:宮阪選手のフリーキックから2得点でしたが、過去にああいうような光景に出くわしたことがあったのかと、率直にあのフリーキックに関してどう思いましたか?

「本当に彼が日々努力してきた結果、それに尽きると思うんですね。自分が話せることというのは、彼がそのように本番でも使えるような技というものを日々磨いてきて、それをまたこういった公式戦で表現できたと。そこにとてもすばらしさを感じますし、僕自身、喜びを感じてます。本当に心から『おめでとう』と言いたいですね。それともう一点、こういうシーン、2点取ったのを見たことがあるかというと、多分……僕はディフェンスの選手だったものであまり憶えてないんですけれども、あったと記憶してますね。その時は、僕は後ろで守ってるだけなので、『すげーな』と、『ありがとう』と心から思ってましたね。やはり、1点の重みはどういう形であれ、1点というものを取るためにみんなが日々トレーニングしたり、努力しているわけですから、それをそういった形で表現してくれたというのは、チームにとってとても心強いことですし、よろこびであります」

以上