●小林伸二監督(徳島):
「まず守備で、個人ではなくグループで連動してボールを奪うことが今日は出来ました。攻撃においてもそういうことが出来つつあったというのがすごくよかったと思います。次に、いいタイミングで点が取れたということ。失点の前に点を取るというのが久しぶりだったなということ、追加点が取れたということはすごくよかったと思います。
いろいろなプレッシャーの中で、少し形になってきたゲームだったのではないかと、そう感じるゲームでした」
Q:ゴールシーンは意図を持ちながら3人目が動いた、常々言っておられることが結実したように見えたが?
「前半、ボールをグループで奪えているというのが何回か出ていましたが、アタッキングエリアで個人のミスがあり、シュートまでの形になりませんでした。慣れてくるともう少し違ってくるのかなと思いますが、受け手と3人目との意識が出てきたときに、個人のひとつのパスだったりコントロールミスがあると崩れてしまいます。そういうところの精度を上げなければいけません。ただ、意図としてボールを奪ったあとに攻撃していることだったり、ビルドアップで落ち着いて上手くサイドにボールを散らせたり、そこからもう一度サイドをスピードアップして破りたい、もう少し際のところにつけられれば相手DFが動くのですが、まだそこまではいっていませんでした。出し手、受け手、絡みでサッカーが速くなります。単純に走るだけではなくて、攻撃が連動して速くなるということが少し出来そうな感じになってきたなと。精度が上がるとスーっと抜けていくというか。そういう場面がちょっと出てきたので、そこで点を取りたいです。ダイナミックなランニングとかをずいぶんやってくれたと思います。5月に入って、前回は京都に負けましたが、決して悪いわけではありません。ずいぶん変わってきた手応えを感じています。1/3は終わったので、切り替えて第15節からは負けないということを打ち出している。球際やハードワークをこだわって、ベンチサイドも厳しく言っていますが、それが当たり前になっていけばいいなと。厳しく言わなければ燃えないとかではなく、自分で理解していかなければ。やっぱり、行くと取れるんだよ。結局動いたものが実になって返ってくるじゃないですか、取れたという事実で。何人かの選手を褒めましたが、行けば取れていましたし、そこは感じてほしいなと思います。
いい形で勝ててるというところですよね。みんなで意識したことで奪えたり、みんなでボールを運んだりというところ。すごく今日は前に進むことの出来るゲームだったなと、自分自身すごくそう思っています。すごくよかったなと思っています」
Q:平島選手をあの位置(サイドハーフ)に起用した狙いは?
「通常でしたらサイドハーフの選手を入れますが、オープンに出たときにクロスを平島が上げる、オーバーラップして西嶋が上げる。テイクオーバーして平島がサイドバックをして西嶋が前にいる。縦のゾーンの関係でサイドを破らせたかったという意図です。しっかり守備も出来るし、飛び出しも出来る。ただ、鳥取の攻撃が左で作って右へ持ってきていたので、衛藤が頑張って足をつったりしていた。そのポジションに途中で代えました。よりサイドを破ってクロスを上げるというところ。クロスを上げるとチャンスになっていますので。前半からずいぶんと、いつもよりクロスは上がっていました。ただそれが短かったり質という部分では別として、クロスを上げるとチャンスになるという意識は出てきています。3人目が絡んで、そこからスルーパスというのも出てきました。また広げて、また破るという3つのところがもう少しつながってくればと思います。あとコンディションも上がってきていましたので使ってみました」
Q:今日の得点は流れの中から生まれたが、監督はどう感じていらっしゃるのか?
「前で押し込もうとすると、質が高くなければいけませんよね。いい形でお互いが攻守にバランスを取ったというところ。まず怖いのは何だというと、スペースへ出る、スペースへ走る、スペースを見つけて降りてくるということ。そこで受けてそこへ絡んでいくというところがあって、ボールを回すということですね。回しながら隙を見ておく。シンプルなのはゴールを目指すわけですから、持ってそのままゴール前までボールを蹴れればいいんですけど、それをボールを回すことでそのための手を作っていくわけです。でもそこのイメージがなくて回すと取られてしまいます。そこで、まず裏なんだよと。動きの優先順位としてまず裏を取るということがやっと出てきました。そう理解してそこへ入れる。では次にその動きに対して相手がどうだからそこが空くと。そんなことが整理されてきたように思います。この前のホームゲームでは、広げるのですが個人のドリブルでの持ち上がりなのでどうしても時間がかかっていました。ボールが動いている間に人が絡むと予測出来ないし枚数がサイドに必要になってきます。そういうことが少し出来てきて、走ること、縦パスが入ったときにスピードアップして絡むということができれば、縦パスが入ってきて後ろ向きで受けてバックパスで終わりというのと、前向きの選手がボールに絡んでいくのとでは後者の方ならば前に行くんですよね。そこが少し少なかったなと。あとスピードアップ出来なかった。ボールが広がった状態でサイドチェンジされたときに、後方の選手がスピードアップして出て行けない、ウエイティングしてしまう。ですから動きがないという場面があったと思います。その点が今日は改善されてきていたと思います。私自身もその要求が少なかったのかなと、まずはそこだということ。要求も強くなったし、そういう選手が出られるようになったので、シンプルにストロングなところを生かしながらチームのバランスを取っていくというのが私自身も出来てきたかなという感じがします。実際今日はすごくいいゲームが出来たなと思っています」
Q:今日の勝利や3得点で、チームが少し変わっていくように感じる試合だったが?
「間違いなく変わっていくと思います。京都のゲームも、相手の戦い方であのようなゲームになりましたが、もう少し球際が強かったら負けるような相手ではないと思っています。でもそういうところをやられてしまったのは残念だし、ワンチャンスをモノにできればもう少し得点できると思います。相手がどうこうじゃなくて、自分達でやれるようになれば違うと思います。何故ボランチの選手があそこまで入っていけるのかというと、サイドを突破したらクロスだということに対して、はっきりしていると中も準備しますよね。それに対してセカンドボールを取りに行きますよね。そこをはっきりしたということ。ワンタッチで蹴ることもあれば、付けてまた自分が走ることもあります。でもある程度行ったらクロスで点が入るんだということが少しずつ分かってほしいと思います。クロスの守備が一番難しいということもわかれば、まずクロスをいれればいい。そして次はもう少し深いところを破るということも出てくると思うんですよね。競る、セカンドボールというところで言うと、前半6本くらいクロスが上がっています。今までで一番上がっているということは外側の意識があるということ。とすれば、中も上がってくるという予測で動けるようになってきますよね。動き出しが早くできます。そういうところまでつながってきているということが言えると思います」
以上