「今日は何人かの選手が、5時キックオフだと思っていましたね」「最終ラインと西選手以外は寝ていた」。東京Vの川勝良一監督は、シュート2本のみに終わった4時キックオフの前半を、そう辛らつに表現してみせた。
“東京クラシック”の前半は、町田が互角以上に試合を運ぶ。CBのレギュラー2名が負傷欠場する布陣ながら、ヴェルディの慎重な仕掛けに助けられていた。中盤はボランチに戻った庄司悦大が自由に動き回り、ボールによく絡む。前線の仕掛けこそ土屋征夫を中心とした東京Vの巧守に潰されて不発だったが、アルディレス監督も「自分達の方が少しだけ上回っていた」と語る45分だった。選手に盛大なブーイングを飛ばしていたのは、ヴェルディサポーターだった。
しかし東京Vベンチには“切り札”が控えていた。後半開始から前線に投入されたのはC大阪から移籍し、今日が初登場となる杉本健勇。川勝監督が「強さとか高さとか、今までのウチのないモノを持っている」と認める19歳の若武者である。後半に入って、まだ25秒(公式記録は46分)だった。東京Vは土屋征夫が最終ラインからヘディングで跳ね返し、杉本健勇はハイボールを競る。阿部拓馬が裏へ抜けたこぼれ球に反応し、右足のダイレクトボレーで“美しい”ミドルを突き刺した。
町田はCBが2枚同時に杉本と競ってしまった。今季初めてCBで起用されていた津田和樹は「後ろに誰もいない状況となってしまった」とカバーリングの不備を悔いる。相手に新しい選手が入った直後ということもあり、連携の不安が出てしまった。
町田は直後の48分から、北井佑季を左MFとして起用する。前回のホームゲームでも途中交代から得点した“スーパーサブ”だ。65分、北井は太田康介のスルーパスを受け、エリア内で相手DFを上手くずらす。素早い重心移動から、そのままスムーズに右足を振り抜き、試合を1-1の振り出しに戻した。
リードが消えた東京Vは、再び攻撃のカードを切る。ボランチの梶川諒太を下げ、大型FWのジョジマールを起用。布陣は【4-4-2】のままながら、阿部拓馬、西紀寛を1列ずつ下げ、杉本との“ツインタワー”を前線に並べる布陣を組んだ。試合の主導権を取り戻し、この高さが特にセットプレーで生きた東京Vは、73分にCKからの波状攻撃。小林祐希のクロスを、ジョジマールがボレーで上手くコースを変える。この場面は庄司悦大が枠内に届いたシュートをヘディングで跳ね返し、町田がぎりぎりで凌ぐ。77分にも西紀寛の左CKを、杉本健勇がファーサイドから頭で叩きつける。これが決まって東京Vはスコアを2-1とし、リードを取り戻した。
東京Vの攻勢はそこから更に加速。90分には再び杉本健勇の“落とし”からの攻撃で、ジョジマールは決定的だったがシュートミス。93分にも、阿部拓馬のシュートがバーを叩く。終盤は完全にヴェルディの流れだった。
試合は2-1でタイムアップ。伝統の“美しさサッカー”に加えて、“高さ” というスパイスが加わった東京ヴェルディが、FC町田ゼルビアを下している。今季4勝目で勝点を13とし、2位に浮上した。
以上
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